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KDLが考えるIoTとその未来

IoTが創る未来のカタチ

2016年4月、新たな事業を生み出すべく「新事業創造係:IoT班」という新たな部署を設置しました。

「IoT」とは、「Internet of Things」の略で、私たちの身の回りにある生活家電や自動車、さらに世の中のあらゆる"モノ"がインターネットにつながり、情報のやり取りをすることを意味します。

例えば、スマートフォンから録画予約できるテレビ、帰宅時間に合わせて温度設定できるエアコン、消費カロリーや心拍数をはかってくれるリストバンド、リアルタイムで運行状況がわかるバスなど、身近なところでもすでにIoTは活用されています。
一見、インターネットにつなげても意味がないように思えるモノでも、センサーなどを用いてモノから情報を取得し、そのデータをインターネット経由でクラウドに蓄積、分析、フィードバックすることで、離れた場所からでもモノの状態がわかったり、モノを操作したり、最適な状態で動作させることができます。

KDL IoT班では、これまでKDLがシステム開発企業として長年蓄積してきたノウハウを活用し、そこにセンサーなどのハードウェア開発を加えることによって、様々な試みを行っています。ここでは、KDLが考えるIoTとその未来をご紹介します。

開発事例・取り組み

  • IoTトイレセンサ

    IoTトイレセンサ

    トイレのドアの開閉をセンサで検知してアプリに連携、空き状況を視覚化します。

  • 雷観測リストバンド

    雷観測リストバンド

    雷雲を検知して、リストバンドに通知します。オープンソースハードウェアとしてGitHubに公開中。

  • ウェアラブルデバイス向け作業支援アプリ

    ウェアラブルデバイス向け作業支援アプリ

    センサで検知した内容を、メガネ型ウェアラブルデバイスに通知して注意を促します。

  • Shacho Dash Button

    Shacho Dash Button

    ボタンを押すと、社長室のランプが点灯、社長がダッシュで駆けつけて理由も聞かずにとにかく土下座します。

  • IoT機器ハッキングコンテスト

    IoT機器ハッキングコンテスト

    IoT機器に組み込まれた脆弱性を探すコンテストを開催。学生からセキュリティーエンジニアとして活躍する社会人まで幅広い層に参加いただきました。

Internet of Things

第1回/IoTから始まる「第4次産業革命」

近年、身の回りの様々なモノがインターネットにつながり、自律的に動くようになったことで、世界的な革新が起きようとしています。これは「第4次産業革命」とも呼ばれています。

皆さんご存知の「産業革命」は、18世紀後半にイギリスで「蒸気機関」が発明されたことにより機械化が進み、産業のあり方が変わったことを指しています。
これは第1次産業革命とも呼ばれており、その後、19世紀後半にアメリカやドイツなどで「電力」を活用した流れ作業による大量生産が始まったことが第2次産業革命、20世紀後半に工場に「自動制御」が導入され生産工程が自動化されたことが第3次産業革命と呼ばれています。
近年、身の回りの様々なモノがインターネットにつながり、自律的に動くようになったことで、世界的な革新が起きようとしています。これは「第4次産業革命」とも呼ばれています。

皆さんご存知の「産業革命」は、18世紀後半にイギリスで「蒸気機関」が発明されたことにより機械化が進み、産業のあり方が変わったことを指しています。
これは第1次産業革命とも呼ばれており、その後、19世紀後半にアメリカやドイツなどで「電力」を活用した流れ作業による大量生産が始まったことが第2次産業革命、20世紀後半に工場に「自動制御」が導入され生産工程が自動化されたことが第3次産業革命と呼ばれています。

では、現在起こりつつある第4次産業革命とは何でしょうか?
この革新の原動力の一つが「IoT」(Internet of Things:モノのインターネット)と呼ばれ、注目されている技術です。

IoTにより、産業機械から消費財まで、私たちの日常を構成している「モノ」がネットワーク接続されデータを収集し、収集したデータを基とした自律化技術によって、顧客ごとに異なる個別仕様の注文を量産品と同様のコストと短納期で提供できるようになることが、期待されており世界的に革新を引き起こそうとしています。

実際、今日においては、80年代のSF映画の中で描かれていた事が数多く現実のものとなってきています。例えば、VRディスプレイでの3D映画や指紋認証、自動で靴ひもを結んでくれるスニーカー、宙に浮くスケートボード、更には宙に浮く車、自動走行する車、自動宅配するドローン、感情を持ったロボットなどです。
それらの「モノ」が取り巻く世界で、我々はスマートフォンを用いて、FacebookやtwitterやLINEなどのSNSを使い分け、映像を含めた大容量の情報を高速にやり取りしているのです。

今後はこれらの「モノ」に、全て通信モジュールが組み込まれ、巨大なクラウドネットワーク空間上でデータが集約され、集約された膨大なデータに基づき人工知能(AI)が自己学習を行い、自律的に適切な判断を行うことで、生活ライフラインの制御や気象予報を行う社会が訪れるでしょう。

製造現場でも、人間に代わってAIが原材料・資材・部品の調達・搬入から、各ラインへの振り分け、ラインでの生産工程の標準化の全てを、自動的に工業用ロボットが行い、完成品のチェック、製品の保管、在庫管理、物流ラインへの生産個数の指示なども自動的に行われる未来が実現すると考えられます。

このような「第4次産業革命」が起こる世界では、世の中のあらゆるモノが、インターネットを通して情報のやりとりをする仕組みが前提となります。つまり、IoTを前提としたビジネスを考える必要があるとも言えます。

第2回/ドラえもんから学ぶIoT

「ヒトがロボットと一緒に生活する」話はもう未来の話ではなく、すぐそこまでやってきています。
有名な所ですとソフトバンクから販売されているPepperもそのひとつです。近い将来には、更に進化した人工知能(AI)を搭載しネットワークに接続された、ヒューマノイド型のロボットが市場に登場し、我々と生活を共にするようになるでしょう。まさに「ドラえもん」の世界が実現されようとしている訳ですね。
ドラえもんはご存じの通り、未来の世界からやってきた量産型のネコ型ロボットですが、人間と同じ様に生活することで、状況に合わせて判断し、決断し、さらには経験を積むことで成長していくことにはお気づきでしょうか。
ドラえもんは主人公の少年・のび太君の行動を把握し、学校へ行く日の朝には頼んでもいないのに起こしてくれています。のび太君がドラえもんに助けて欲しいと伝えると、ドラえもんは解決方法やひみつ道具を提案してくれます。更には睡眠時間などの健康管理から、「危ないからそっちに行ってはいけないよ!」と忠告してくれたり、帰りが遅い場合は迎えに来たり、時にはのび太君の成長の為と判断し、助け船を出さずに自分で解決してみようと助言までしてくれますよね。

これはドラえもんが野比家へやって来た当初と比べ、のび太君と生活を共にすることで学習した事で自立的に行動し、判断出来るまでに成長したからです。ドラえもん第一話では「餅」さえ知らず、時には電卓を使って計算していたのが、経験を重ねる事で人間と共に高度な生活を送ることが出来るようになっているのです。

なお未来の世界で量産されたネコ型ロボットは、一般家庭向けに販売・導入されドラえもんと同じ様に人間と社会生活を過ごす事によって、各部位のセンサーよりデータを収集し、収集データを元に学習し成長しているに違いありません。また個々に学習するのは非常に非効率で偏る可能性があるため、学習した情報を並列化(学習情報の共有と統合)させることにより、社会適応能力を進化させているのです。もうこれはIoT技術がベースとなった世界そのものではないでしょうか?

今ではグーグルやアマゾンもロボット開発に力を入れています。彼らはロボットがデータ収集を行うためのPCやスマートフォンに代わる次世代インターフェースとして位置付けています。これまでブラウザやスマートフォンで収集してきたデータをロボットのセンサーや学習データからも取得することで、これまで以上のビッグデータを収集しようとしているのです。そして収集したデータを元に人工知能が学習することで、新たなサービスの創出や品質向上を図るビジネスを展開したり、人間とコミュニケーションを取るなど労働者の代替としてであったり、または人間と共同作業が可能なツールとして次世代ロボットを投入しようとしているのです。

次世代のロボットの投入により、労働者が職を失う懸念や、人間がロボットや人工知能に支配される日がやってくるなどの警鐘を鳴らす話は大昔からありますが、実はドラえもんのように人間を超える知能を生み出す必要が求められてもいます。

これまでは人類が経験したことが無かった大地震や原発事故が発生した場合に、適切に判断する事は困難だと考えられてきました。人類は過去の経験から得た教訓を元にすることは得意ですが、経験が無い事態に対応する事は苦手だからです。しかし人工知能は高度な学習を行うことで、人類が経験してこなかった事態に適応した判断ができるのではないかと期待が高まっています。

それに加えて、車が空を飛ぶような未来の世界でさえ、ドラえもんの耳がネズミにかじられてしまう脅威は無くなっていない訳ですから、サイバー攻撃やロボットを標的としたウイルス感染等の対策も同様に必要になるはずですね。

人類を超越したコンピューターやロボットに支配される世界ではなく、IoT技術によりドラえもんのようなロボットと人間との共存共栄が可能な未来がそこまで近づいてきていると考えるとワクワクしますね。

第3回/IoTで究極の買物を体感する

皆さん買い物はお好きですか?

私は買い物に出かけるとついつい余計なモノまで購入してしまいます。ネット通販でも気づけば余計なものがカートに入っているケースは大いにあるかと思います。

そんなネット通販サービスを提供している米国Amazonの新サービス「アマゾン・ダッシュボタン」をご存じでしょうか?
現在米国限定のサービスなのですが、ボタンを押すだけで、そのボタンに描かれた商品の注文ができるというモノです。

アマゾン・ダッシュボタン

「アマゾン・ダッシュボタン」は商品のブランドロゴがプリントされた幅数センチのプレートに小さなボタンが一つ付いており、これを家の中のさまざまなところに貼り付けて使用します。「欲しいな」と思ったときにボタンを押すだけで、アマゾンからその商品が送られてくるという便利なサービスで取り扱いブランド数は100以上もあるそうです。

例えば洗濯機に洗剤用のボタンを貼り付けておいて、そろそろ洗剤が切れそうと思ったら、そのボタンを押すことで注文ができてしまいます。冷蔵庫のビールやミルクが残り少ない時にも冷蔵庫に貼り付けてあるそれぞれのボタンをポチッと押すだけ。簡単に注文できてしまう感覚は慣れてしまうとやめられなくなりそうです。これは新たな体験を提供するIoTの神髄と言っても過言ではないかもしれません。

また、このサービスは単なる「便利なサービス」ではなく、多くの課題解決に繋がるのではないかと考えています。その一つが超高齢社会における「買い物弱者」の救済です。

一昨年の東京では、2週間連続で大雪に見舞われ、一部地域が雪に閉ざされた事がありました。高齢者が多いマンションでは、出口までの雪かきをする人もおらず、足元がおぼつかない状態では、食料など日常品の買い物に出掛けることすら困難な状況に追いやられました。歩道に出ても水っぽい雪に足が取られてゆっくりとしか歩けない、普段なら徒歩10分の食品スーパーまでも小一時間かかるような状態が続きました。

普段の日常生活においても、スーパーなどで高齢者の方が米や水などの重い商品を購入し、自宅まで持ち帰る事はいかに大変なことか容易に想像ができます。

「水などの重い物はネット通販で購入すればいいのに」と思われた方もいらっしゃるかもしれませんが、高齢者の中にはPCやモバイルの操作にも不慣れでネット通販が利用できない方も多いのではないでしょうか。そんな時に「アマゾン・ダッシュボタン」の様にシンプルかつわかりやすい操作で商品の購入が可能な機能があり、押せば商品が届くという仕組みこそ、超高齢化社会の日本には必要なサービスとなるのでは無いかと感じています。

その他にもICタグを利用したスマートバッグを提供するサービスなども世界では登場してきています。スーパーに行き、欲しい商品を持参したスマートバックに入れるだけ。お店を出る時に袋に入っている商品を自動で検出し、商品の合計金額を自動でクレジットカード決済する事で、キャッシュレスで、レジの混雑にも巻き込まれずスマートに買い物が可能になるなんて素敵すぎると思いませんか。

高齢者や仕事を持つ女性、単身での暮らしに快適さを求める人などをターゲットに、より便利で感動できる体験を提供することができる、無限の可能性がIoTには秘められています。

第4回/ディズニーの魔法を再現するIoT

全国のディズニーファンの皆さん、お待たせしました!

今回は皆さんが日本上陸を心待ちにしている例のモノ。
そうディズニーの魔法を再現してくれるリストバンド型のウェアラブルデバイス「MagicBand(以下、マジックバンド)」についてです。
マジックバンド

マジックバンドは2013年に、「ウォルトディズニーワールドリゾート(以下、WDW)」が紙のチケットを廃止し、マジックバンドというシステムを採用すると発表し導入されました。
WDWではこのマジックバンドと関連サービスを利用することで、ミッキーマウス達が、「○○○ちゃん、ディズニーランドへようこそ!」と各ゲストの名前を呼んで挨拶する仕組みが人気を呼んでいます。
ミッキーと直接会話出来るキャラクターグリーティングでは、例えばゲストが事前にホーンテッドマンションというアトラクションに立ち寄った場合には、「ホーンテッドマンションに行った?ヒッチハイクのゴーストが憑いているよ」などと話かけてきてくれたりします。

またジャングルクルーズというアトラクションでは、船長が搭乗者の情報を元にトークを繰り広げます。あらかじめ園内のレストランをスマホアプリで予約しておけば、着席すると同時に予約した料理が自動的に運ばれ、誕生日にはバースデーケーキで祝ってくれるのです。

親しみ深いキャラクターに自分の名前を呼ばれ挨拶され話せることで、子供たちをはじめ多くのファンが大喜びする顔が目に浮かぶようです。この魔法のような自分だけに提供されるサービスを受ける事で、これまでより一層テーマパークを楽しめることは間違いありません。

そして、このサービスを実現可能としたのがIoT技術から生まれたマジックバンドなのです。

マジックバンドには、防水加工されたチップやバッテリーが埋め込まれており、入園パスやファストパス、ホテルの部屋のカギ、クレジットカードなど様々な役割を果たすデバイスとなっています。
そのため氏名やどのアトラクションに立ち寄ったか、どこで何を購入したのかというデータが参照可能であり、先のようなキャラクターの演出やサービス提供が可能となるのです。

日本でよく見るファストパス発券のため一旦アトラクションまでダッシュをする必要などなくなります。事前にファストパスをネット予約しておけば、入園時からアトラクション入場までもマジックバンドを使い、専用の読み取りセンサーで認証するだけでスマートに入場することが可能になり、事前にパークでどう過ごすかの計画も立てやすくなります。グッズやお土産、食事の支払いはマジックバンドのクレジット機能で簡単に支払えます。

テーマパークに行くと記念撮影をする来場者の姿をよく見かけますが、もう重たいカメラを持ち歩く必要はありません。パーク内には多くのカメラマンがおり、声をかけると無料で写真を撮影してくれるサービスがあります。マジックバンドの情報と撮影した写真を紐づけてWEB上にアップロードしてくれるので、後日WEBから写真をダウンロードし確認できます。

これらの機能により来場者はWDWを何倍もスマートに満喫することが可能となるのですが、実は運営側にも多くのメリットをもたらします。お気づきの通り、マジックバンドから取得した来場者の行動や購買情報などを含むビッグデータです。

例えば、ゲストが何らかの理由ですぐに帰ってしまうようなアトラクションが存在していた場合、そのアトラクションは収益減少につながるため、いち早く改善を図る必要があります。同時期にトイレに並ぶ・長時間個室に入っている来場者数を即座に検出することで、食中毒などを早期発見できたり、案内板の改善により混雑の緩和につなげることができるかもしれません。

マジックバンドを付けている人たちの行動パターンを調査することで、今まで気づく事が困難だった問題が見えるようになり、より一層の改善につなげる事が可能となるでしょう。

これらの仕組みは「My Disney Experience」と呼ばれています。サービスや情報の可視化をIoT技術が支え、新たなUXを産み出し、今後もこのデバイスがテーマパークの満足度に大きく影響することになると思われます。

現在マジックバンドは残念ながらアメリカ国内にのみ限定されており、日本では利用できませんが、一刻も早く日本でも利用できるようになって欲しいと願うばかりです。

第5回/KDL流IoTのススメ

今までのコラムで取り上げた「次世代ロボット」「アマゾン・ダッシュボタンで買い物」などの事例はすべて海外のものでしたが、そのうち日本にもやってくる新しいサービスだと考えています。

日本におけるIoTサービスはまだまだ成長途中でこれからどんどん増えていくと考えられますが、残念ながらその多くが海外で成熟したサービスのコピーでしょう。理由は現在の日本におけるIoT分野が海外と比べ遅れており、海外では既にIoTというキーワードが陳腐化してきている様にも思えるからです。

しかし、それはこれまで広義でとらえられていたIoTが、詳細な分野が確立され個々に成長を遂げているためだとも考えられます。
2020年に向けてICT市場の成長は横ばいであるという見通しが発表(※1)されていますが、その中でもIoT向けのICT市場が急速に拡大し55%を占めるまでに成長すると言われており、世界的に見てもIoT向けのICT市場は急成長を続けています。

※1 http://japan.zdnet.com/article/35087442/
  http://www.idcjapan.co.jp/Press/Current/20160223Apr.html

そんなIoT市場だからこそ、今すぐに新たなIoTにチャレンジし多くトライすることで、市場が成熟するまでに経験や失敗のノウハウを得ることが可能です。市場が成熟してしまえば、ノウハウが無ければ新規参入も難しくなり、小さな失敗が大火傷につながる可能性も高くなる。IoTに取り組むなら間違いなく今でしょう。

IoTに求められる技術要素は大きく分けて以下の4つだと考えています。
 1.IoTデバイス(センサ・ハードウェア・ロボット等)
 2.クラウド・フォグコンピューティング(アプリケーション・インフラ等)
 3.データサイエンス(ビッグデータ分析・機械学習等)
 4.セキュリティ(ソフトウェア・ハードウェア)

この4つの要素について、KDL流のIoTへの取り組みは次の通りとなります。

1つ目の「IoTデバイス」ですが、我々はデバイスやセンサーのモックアップを作成して実証実験を行っています。一例ですがトイレの空き状況センサーや、腕時計型雷検知器を作成するなど、日々プロトタイピングを進めています。日常的に、思いついたら脊髄反射的にモノを作ってみて付加価値やマネタイズはその後から考えることにしています。
「IoTは新たなユーザー体験(UX)の創造」と考え、まずは頭の中をアウトプットしてカタチにしてみる。そこから生まれた失敗や気付きこそ今後のIoTには大切な要素だと考えています。

よく「IoTに取り組むならハード(デバイス)も製造するのか?」と質問をいただきますが、その答えは「No!」です。
KDLの主軸業務はSIer。いわゆるソフト屋です。簡単に大手メーカーのように、新しいハードを作り出すことはできません。だからこそハードメーカーと協業した取り組みを進めていく事が大切だと考え、お互いの分野を生かした協調路線こそがIoTには求められると考えています。

2つ目の「クラウド・フォグコンピューティング」ですが、クラウドはKDLの得意とするところです。これまで大規模ECサイトの構築・運用やウェアラブルデバイスのアプリケーション開発等の実績を生かし、環境構築やセンサーからのデータの収集、アプリケーション開発のノウハウを既に持っている事が強みだと考えています。
フォグコンピューティングについても取り組みを進めています。膨大なトラフィックをフォグで処理する事で、データ処理を軽減。併せてトラフィック量を削減することで転送料のコスト削減も同時に図ることが可能になるため、IoTでは必須要素であると認識しています。

3つ目の「データサイエンス」ですが、KDLでは2010年よりこの分野における取り組みを進めてきた経験と実績があります。また少々変わり種としては、京大、電通大と共同で研究を進めていた「人の行動履歴」という様々な形式のデータを周囲のモノとの「関係性」という視点から定量化し、未来の関係性を予測する技術「関係性エンジン」サービスを展開しています。センシングにより収集したデータをマイニングし価値を付加することで、「売れる」データを産み出します。

4つ目の「セキュリティ」においては、既にソフトウェア分野のセキュリティに関してKDLはサービスを展開しています。また兵庫県警察や兵庫県立大学と共同で情報セキュリティ人材育成に向けた産官学の取り組みも進めています。
加えて、IoTはハードウェア分野のセキュリティ技術が求められるのですが、世界の工場と言われる台湾のIoT機器セキュリティ診断企業Onward Security社と協業し、日本におけるIoTセキュリティ診断サービスを立ち上げることでセキュリティにおけるソフト・ハードの網羅が可能となりました。

IoTに取り組むのは大きなチャンスです。ハードメーカーから見た現在のIoT技術は、10年前から存在した枯れた技術の焼き増しとよく聞きますが、その安定した技術が培われてきたからこそ、一昔前までは未来の話だった「ハンドルが無い車」など、実現まで「もう一歩」のところまで近づいているモノも増えています。

新たなIoT市場を渡り歩くためには、さまざまな角度からノウハウを蓄積し生かす事が求められます。

多くのモノやサービスを産み出し、実際にチャレンジして失敗を重ねる。多くの経験を積みあげるには時間も必要でしょうがIoT分野は広く、全てを網羅することは簡単ではありません。これまでに培った得意分野を生かしつつ、足りない部分は補う。裏を返せば、それぞれの特色を生かしたIoTへの取り組みは可能であり、足りない部分はそれぞれ、ハード、クラウド、データ、セキュリティの各分野のスペシャリストと協業すべきです。でなければ世界から遅れをとっている日本はこのまま取り残されるかもしれません。

我々に何が足りていないかを知るためには、IoTに取り組み身をもって体験する事が重要です。今こそ日本全体で取り組みを進め、IoTの先に見える未来のカタチを創っていきたいと考えています。

本コラムは今回が最終回です。
このコラムによりIoTに何らかの興味を持っていただくことが、市場の盛り上がりの一助となれば幸いです。
これまでのご愛読、ありがとうございました。

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