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「CEATEC JAPAN 2017」でAI、IoTを中心に4ブースに出没しました

10月3~6日までの4日間、KDLは幕張メッセで開催されたCPS/IoT総合展「CEATEC JAPAN 2017」に出展しました。

4回目の出展となる今回は、KDLとして出展した1ブースに加え、他の団体が出展されたブースの一部に共同出展や展示協力等の形で更に3箇所で出展させていただき、神出鬼没っぷりを発揮させていただきました。

4ブースとなるとそれはもう準備はてんやわんやでしたが、なんとか無事に会期を終えることができました。各ブースにお越しいただきました皆様、ありがとうございました!

この4つの出展について、せっかくですのでここでレポートしたいと思います。

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(1)「観光の見える化」によるマーケティング支援(ベンチャー&ユニバーシティエリア S10-09)

自社ブースとして、ベンチャー&ユニバーシティエリアに「人物移動予測エンジンを用いた観光マーケティング分析」を出展しました。これは、今年度から長野県白馬村観光局と観光マーケティング分析を行っている事例を、近畿経済産業局の地域中核企業創出・支援事業の一つとして紹介する機会をいただいたものです。

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長野県白馬村はスキーシーズンも夏場も観光客でにぎわう日本有数の観光地ですが、自エリアの統計データが少なく、観光客がどこで何をしているのかといった動向が分からず、マーケティングの具体的な施策が立てづらいという課題をお持ちでした。今年度より、フリーWi-Fiや位置情報付きのSNS情報などのデータを解析し、ヒートマップ等で可視化するとともに、「関係性技術」を応用して観光客の行動を予測する分析支援をさせていただいています。

この出展には、日本各地の観光施策にお悩みの方にご好評いただいただけでなく、台湾などのアジア各国の観光関係事業者からも興味を持っていただきました。

分析アプリケーションのデモに関しては、「位置情報を実際の地図上で視覚的に表現されていて面白い」「人の興味関心が追いかけられるのは嬉しい」などの声をいただきました。一方で、分析できたあと、実際に施策に落とし込むところが難しいのでそこを支援してもらえれば」というご意見もいただきました。いただきましたご意見をもとに、ブラッシュアップしてまいります。

また、担当の佐々木と白馬村観光局ご担当者より、10月3日と5日の2回、具体的な課題やミニステージでプレゼンさせていただきました。

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(2)AIでファッションアイテムを推薦するchatbot(株式会社Nextremerブース内 S40-02)

AI対話システムで注目を集めている株式会社Nextremer様のブース内にファッションアイテム推薦システム「Fashion Recommend Bot」を出展しました。これは、Nextremer社のAI対話システムエンジン「minarai」を用いたもので、アパレルECサイトにおける接客での活用を想定して作成したchatbotです。

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具体的には、アパレルECサイト上でファッションアイテムを探しているユーザに対して、膨⼤な⾐服データを学習したAIが、ユーザとの対話内容からそのユーザに合った商品をお薦めしてくれます。さらに、気になる商品をチャット画面にドラッグ&ドロップすると、その商品画像を機械学習結果から、その商品に関連した類似商品などおすすめ商品を表示してくれるというものです。

デモをご覧いただいた方からは、「サイトの閲覧が楽しくなりそう」「チャットでの画像の検索やおすすめ提案が画期的で面白い」などの声をいただきました。また、女性から要望が多かったのは、「その服に合ったコーディネートを提案してほしい」というもの。着回しで洋服の価値って全然違いますよね。この気持ち、よくわかります。

それから、「自分で撮影した画像をドラッグ&ドロップしても返答してくれますか?」という質問が多かったのでこちらで回答いたします。

「できます!」

また、「サイネージとして店舗で使ってみたい」「家電など他の商品でも使えるのか?」など今後のヒントにさせていただけそうなご意見も多数いただきました。

KDLは今後とも、対話システムの分野においてNextremer様とタッグを組んで取り組んで参ります。

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(3)雷の接近を検知するリストバンド(神戸IoT推進ラボブース内 S07-19)

経済産業省が、地域におけるIoTプロジェクト創出のための取り組みとして選定・支援している「地域版IoT推進ラボ」も、今回のCEATECにブース出展をされていました。その中の「神戸IoT推進ラボ」ブースにおいて、KDLが開発した「雷観測リストバンド」を展示いただきました。

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このリストバンドは、2016年10月に神戸市からルワンダへ経済ミッションが派遣された際に、KDLも同行させていただき、その際に現地の社会課題の一つとして雷による被害が多いことを知ったことがきっかけで作られたものです。その後、2017年5月にはこのリストバンドをオープンソースとして公開し、広く一般に使えるようにさせていただいております。

この取り組みには、同ブースの担当として来られていた神戸市役所のアフリカ人職員・エドリスさんからも、「ルワンダだけでなく他のアフリカ諸国でも需要のあるアイデアだと思う」と大変好意的なコメントをいただきました。さらに、神戸市役所の幸野さんからも、「KDLさんのようにアフリカとの架け橋となる企業が神戸にあることは、市職員としても市民としても大変誇らしい」とのコメントをいただき、KDLとしても今後のアフリカ地域発展のためにお役に立ちたいと改めて思いました。

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(4)IoT見守りソリューションを支えるIoTプラットフォーム(旭化成エレクトロニクス株式会社ブース内 H074)

「IoT見守りソリューション」として展示をされた旭化成エレクトロニクス株式会社様にも、KDLが開発したIoTシステム開発用のクラウドサービス「Cloud Switch API」を提供させていただきました。

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具体的には、旭化成エレクトロニクス様が開発するセンサ製品やデバイスが検知した家の窓やドアの開閉状況を、KDLが開発したデバイス連携用のクラウドサービス「Cloud Switch API」を経由することで、情報をセキュアな経路でアプリへ連携し可視化しました。

KDLは、IoTシステムが機能するためにセンサとサービスインターフェースの間をつなぐクラウド部分(Cloud Switch API)、および可視化アプリケーションの開発を担当させていただきました。

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「このシステムは、既に提供を開始しているかどうか」「使ってみたい」というような声を頂いたそうで、アプリケーションとしての完成度、UXの高さを評価いただけたのではないかと思います。

今回の出展を振り返って

CEATECへの出展は今年で4回目となりますが、今後はますますIoTやAIに関連する展示・セミナーが増えることが予想されます。そのようなトレンドの中で、KDLだからこそできるソリューション・サービスを考え、市場にPRしていく必要を感じました。また、今後も他の企業様とのコラボレーションも積極的に推進していきたいと考えています。