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IoT事業開発のポイントと各社事例が満載の「IoTセッション」に潜入!

5月25日に大阪で開催されたIoTセッションに、広報室もお邪魔してまいりました。

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このIoTセッションは、ものづくりの多い関西地域において、IoTに関するノウハウやビジネス上の考え方などを共有し、オープンイノベーション推進の一助となることを目的に、MODE, Inc. 、Filament, Inc. 、KDLが主催で開催しています。

第2回めとなる今回は、20名余りの方が集まり、セッションが始まりました。第3回は8月に開催予定ですので、参加に迷っておられる方は内容などご参考になれば幸いです。

データを集めることがデバイスの価値になる

まず最初に、「シリコンバレーで起こっていること、IoTビジネス開発のポイント」と題して、シリコンバレー発のデータ活用を専門としたIT企業、MODE, Inc.の上野氏の講演がありました。

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興味深かったのは、シリコンバレーのソフトウェア企業の進出で、老舗の企業が相次いで下火になっているというお話。

例えば、Uberの出現でサンフランシスコ最大のタクシー会社であったイエローキャブが倒産、全米最大級のスポーツ用品専門店だったスポーツオーソリティは、Amazonの出現で米国全店が閉鎖に。ピーク時は6万人以上の従業員を抱えたビデオ・DVDのレンタルチェーン店ブロックバスターは、NETFLIXやHuluの影響を受けて米国全店が閉鎖に。
このシリコンバレーの勝者の原理として、ビジネスの速度の速さが強さにつながっていると強調されました。

また、「データを人質にする」例として歩数などのライフアクティビティを記録してデバイスを販売するFitbitなどを解説し、IoTの価値はデバイスではなくデータを中心に考えることが大事だとお話しされました。計測データを蓄積し、社会を制御していくことが必須になることを広報の私にもわかるくらい単純明快に説明いただきました。

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IoTを進めるにはパートナーシップが大事

次に、オムロンのウイスキーマエストロ、羽山氏より、オムロンのIoTのへの取り組みについてお話しがありました。

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ウェアラブル血圧計から収集した血圧データを、AIで解析して診断・治療に活かしたり、車に搭載されたセンサーでドライバーの運転集中度を測定したり、高速道路の橋梁の異常検知を目的としたモニタリングシステムなどなど、様々な事例をご紹介いただきました。

デバイス、LoRaやBluetoothやWiFiなどの様々な無線規格、ゲートウェイ、クラウドサービスなど、分野を超えたパートナーシップがセンシングデータ活用を促進するというお話は、コラボを進めるKDLとしても非常に共感します。

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コニカミノルタの中村氏からは同社のIoTのへの取り組みをご紹介いただきました。

iotsession201805_006.jpgハードウェアメーカーがIT社会でぶつかるビジネスの壁の話はソフトウェア側からは見えない部分で、大変興味深く拝聴しました。

取り組み事例では、昨年同社が発表した複合機とサーバーとAIを一体化した企業向けIoTプラットフォーム「Workplace Hub」の事例や、複数企業が協力して航空機部品を一貫生産する取り組みへのIoT導入支援事例などをご紹介いただきました。

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事例をご紹介いただいた両社とも、IoT事業におけるパートナーシップの大切さには言及され、分野を超えた連携の大切さを改めて感じました。

IoTはWebエンジニアが取り組むべき

おなじみのKDL村岡からは、地球規模でつながるIoTのデータ活用は、新しいビジネス開拓に貢献する、と語りました。

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また、様々なセンサ技術やクラウドサービスによってWeb技術だけでIoTデバイスの試作が可能なことに触れ、エンジニアの中でも圧倒的に人数が多いWebエンジニアがIoTに取り組んでいくべきだと強調しました。

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エンジニアの今後や儲かる話など、ぶっちゃけ話のパネルディスカッション

講演後のパネルディスカッションは、Filament, inc.の角氏が司会を努め、参加者からの質問に対してパネラーが講演する形式で進められました。参加者の半数以上がエンジニアだったこともあり、APIの今後の話から、クラウドサービス大手はどこが良いか?などのぶっちゃけ話、そして、AIなどの技術がノンプログラミングで誰でも利用できる時代のエンジニアの価値は?というエンジニアが気になる話題など大変白熱していました。

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事業開発のポイントや実際の事例など、わかりやすく、濃い内容のセッションでした。パネルディスカッションや懇親会では、参加者同士が意見交換するなど、活発にコミュニケーションされていました。

ご参加いただきました皆様、ありがとうございました。

松丸

筆者:松丸恵子

広報室