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パンデミックの渦中に改めて協力の大切さを見つめ直す ~SDGsワークショップを経験して感じ取った協力とは~

新型コロナウイルスの影響で世の中の状況が変化し、自分ひとりですら順応することに必死な今、「協力することの大切さ」を改めて見つめ直しています。

今回は、3月に社内で開催したSDGsワークショップで学んだ、「協力とは何か?」「それが今の状況にどう活かせるのか?」についてお伝えします。

カスタマーサクセスの佐々木です。

2020年3月10日、KDL内でSDGsを学ぶワークショップを開催しました。参加者は21名。監査役、取締役、マネジャー、リーダー、デザイナー、セキュリティエンジニア、開発エンジニア等、さまざまな職種で年齢層も20代から60代までと幅広いメンバーが参加しました。

なぜワークショップを開催したのか

きっかけは、私自身がSDGsに興味をもち、たまたま見つけて参加したワークショップでした。ファシリテーターをお願いしたアプローチ株式会社の松谷真弓さんは、そのワークショップでファシリテーターをされていました。

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東京での開催でしたが、序盤に同じ関西人であることが判明し、関西人特有の親近感を持ってワークショップに参加。3時間弱のワークショップは、とても楽しくあっという間の時間で、終了したころには普段セミナーであまりメモを残さない私のノートには、メモ書きがいくつも残っているほど学びの多いものでした。

そして「ぜひ、うちの会社のメンバーと体験したい!」と強く感じ、松谷さんにKDL内での開催を打診しました。

ワークショップの内容

それから数カ月、松谷さんをKDLにお迎えし、KDLのセミナールームでワークショップがスタートしました。
いまのソーシャルディスタンスが求められる状況からすると貴重な、3密状態でやっていたなと思います。。。

SDGsとは

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ワークショップの前に、SDGsについて、その概要を学びました。SDGsとは、 Sustainable Development Goals SDGs (持続可能な開発目標)の略で、2015年9月の国連総会で採択されたものです。

社会・経済・環境の3要素を持続可能な形で2030年に向けて達成するための目標で、地球上の「誰一人取り残さない(leave no one behind)」を誓って、17のグローバル目標と169のターゲットから成り立っています。政府や民間セクター、市民社会、国連機関、その他の主体等全てのパートナーシップを強化し、目標達成に取り組むことが求められています。

低賃金で働く人々、プラスチックごみ問題、地球温暖化などの問題を例に、今の人類の課題について紹介がありました。KDLの仕事では主に経済活動を中心にして考えることが多いのですが、SDGsは日常生活の中でも意識していないと気が付かないことばかりで、新しい観点を知る機会にもなりました。

ただ、SDGsは今から10年後に向けて世界全体で達成する非常に大きな目標であり、「なんとなくはわかったけど、自分に何ができるのだろうか?」という疑問は残ります。その疑問を抱えたままワークショップに突入しました。

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ワークショップ「協力という愛を学ぼう」

ワークショップのルールには次の要素が盛り込まれています。

  • 参加メンバー全員に、ゲーム終了時までに達成する「目標」カードが設定される
  • 「目標」を達成するため「プロジェクト」カードが課せられる。
  • 「プロジェクト」を達成するための「お金」カード、「時間」カードが与えられる
  • 「プロジェクト」を実行すると、「社会」、「経済」、「環境」のスコアが、”変化”する

ルールを大まかに理解したところで、ワークショップがスタート。

参加メンバーは、自分に設定された「目標」を達成するために、自分の手元にある「お金」と「時間」を使ってプロジェクトを実行します。ところが、すぐに壁にぶつかってしまいます。「プロジェクト」を実行する「お金」と「時間」が足りないのです。

どうすればいいだろうか。呆然と立ち尽くすメンバー。

目標達成のために必要なこと

ルールとして、大切なものがもう一つあります。

  • 参加者の間で自由に交渉や相談してもよい

それぞれの「プロジェクト」の実行に必要な「お金」と「時間」は異なります。手元の「プロジェクト」を実行したくても、「お金」が足りない。でも、隣の人の手元を見ると「お金」がたくさんある!それなのになぜその人は「プロジェクト」を実行しないのか?よくよく見てみると、その人が持っている「プロジェクト」は、「お金」は不要ですが「時間」を多く消費するもので、「時間」が足りずに実行できないことに気付きます。そこで交渉を試みます。

「わたしの『プロジェクト』を実行するためには『お金』が足りない。でもあなたが必要としている『時間』なら持っている。だから、交換しない?」

もちろん無事に交渉成立です。

交渉が増えてくると、会場内は、みんな交渉に立ち上がり人が入り乱れます。

「このプロジェクト、誰かいりませんか?」
「お金余ってる人、時間と交換しませんか?」
「目標を達成してしまったので、時間余ってますよ」

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KDLの業界は、普段はパソコンに向かって仕事をするため、オフィス内は割と静かです。キーボードを叩く音が響き、外の雑踏が聞こえ、フロアのかなり遠くで電話している人の声が聞こえます。ところがこのワークショップ会場は、もう誰が何をしゃべっているのか分からない状況に。

そして、あっという間にワークショップは終了し、振り返りを行いました。

協力することの難しさに気付く

目標が達成できた人、できなかった人。社会と経済と環境のスコアのバランス。それぞれの余っている「お金」を全部集めると、ある人の「プロジェクト」が完了し、その人の目標が達成できたことに気付きます。

ゲームの「プロジェクト」の構成などもよくできていて、例えば「経済」のスコアが高まる「プロジェクト」は、「時間」はあまりかからずに完了しますが、「お金」が必要なものが多いのです。そして、完了すれば「お金」がさらにもらえます。しかし、「経済」のスコアが高くなる代わりに「環境」のスコアが低くなることもあります。「環境」のスコアを上げるプロジェクトは、とにかく「時間」がかかる。「時間」がかかるうちに、どんどんほかの「経済」関連の「プロジェクト」が進み、「お金」が儲かる人はどんどん儲かり、「環境」のスコアは下がるばかり。そして、「お金」がない人は何もできないままです。

だから、「誰一人取り残さない」を実現するには、自分にできることをそれぞれがやること、資源を出し合って協力することが重要になります。現実とすり合わせながら、様々なことを感じました。

協力する、ということは当たり前のことです。しかし、頭ではわかっていても、それがいかに難しいことであるかを参加メンバー全員が気付くことになりました。

参加メンバーからの感想を一部ご紹介します。

目の前のことや自分の目標に目が行き過ぎて、全体の状況を意識できていなかった

世界も人も目指すゴールは異なる。でも自身の私利私欲の追求だけではなく、世界を幅広く見ることで、協力しながら世界を変えていくことができることを感じ取れた

お客様へ提供する仕事に対して、KDLの視点で社会課題の改善・解決にどう貢献していくかを考え、行動していきたい

個人や社会の目標と現状が見えると、行動につながりやすい

刻々と変化する状況の中で大切なことは何か?を考えさせられた

協力とは、目的に向かって心を合わせ努力すること

心を合わせるには、自分の目標を他者に知ってもらい、他者の目標を理解し、周囲の状況を理解していないと、できないこと。それを体現できたワークショップでした。

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パンデミックの渦中で、周囲の状況は刻一刻と変化しています。その中で、それぞれが努力をしながら未来に向かおうとしています。その未来に向かうには自分ひとりでは何もできないことに気付いています。

テレワークで家にこもっていても、食材は必要ですし、感染リスクが高い中、出勤し必死に闘っておられる公共機関の方々がいるからこそ給付金を受け取れます。医療現場を支える関係者の方々にも日々頭が下がります。
KDLの社内に目を向けても、例えばそれぞれの家庭の事情があり、仕事を思うように進められない方もいます。KDLでは、希望する社員にはモニタ購入を支援し、休校により家庭にいるお子さんの面倒を見るパパママには、柔軟な勤務形態が選択できるような環境整備を進めています。

協力することの大切さと、そのために自分は何ができるのか、を改めて感じ取っています。
これは、お客様とのビジネスにおいても重要なことです。お客様とKDLがどう協力すれば、目標を達成できるのか。教科書だけでは理解しきれないことを体験させてもらえたワークショップだったと思います。

KDLのビジネススタイルが、よりお客様に近いものになればと考えています。

執筆:佐々木 幸一

カスタマーサクセス