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デジタルで未来を創るKDLがレタスと白菜を作ってみた。ドタバタのKDLファーム

KDLは、最近は農業関連でもデジタル活用の支援をさせていただいています。
レタスの流通を安定させるための収穫予測アプリや、障がいをお持ちの方にトマト栽培を手伝っていただくためのスマートグラスアプリなど、農家の現場で利用いただけるものを開発しているわけですが、何しろ私たちには野菜栽培の知識が全然ありません。

そこで、自分たちで野菜を栽培してみるプロジェクトを始めました。今回は、デジタルなわたしたちのドタバタ野菜作りの様子をご紹介します。

エンゲージメントリードの松丸です。

農業は知らないことだらけです。アプリの開発などをするために農家の方にヒアリングを行っていても、知らない単語がたくさん出てきます。

「圃場(ほじょう)」「播種(はしゅ)」「球茎(きゅうけい)」「植被(しょくひ)」「作型(さくがた)」「潅水(かんすい)」・・・私たちの日常では使わない言葉だらけ。ググりまくりながら説明を聞きます。

栽培の手順がわからないので、アプリの利用イメージが全くつかめません。しかし、私たちが農業社会に貢献できるよいものを作るには、まずは現場を知らなくてはいけません。

そこで、プロジェクトをご一緒させていただいている皆さまのご協力をいただき、南あわじの圃場をお借りして、自社で野菜を育てることになりました。
ご協力いただいているのは、一般社団法人スマートな島ぐらし推進協議会を運営されている豊田さん、眞野さんを始めとする、プロの農家の方々です。

最初はレタスと白菜の栽培から

苗が育たない

11月、種まきに伺いました。最初に育て始めたのはレタス、白菜。種を買ってきて、育苗(いくびょう)ポットという、種から苗に育てるためのトレー状の容器に種をまきます。

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大事に種を撒いたら、トレーは三宮のオフィスに持ち帰り、みんなで見守り、水やり、観察。淡路が住まいの従業員にも育ててもらいました。

日々のテレワーク勤務者が約7割のKDL。みんなで声掛けして、チャットで様子を共有しながら、出社している誰かが毎日水をやり、写真を撮り、共有して愛情込めて育てます。

しかしながら・・・・オフィスの隅は日照不足。愛情たっぷりすぎて水をやりすぎ、ひょろひょろの苗になってしまいました。ひょろくなればなるほど、心配すぎて水をあげてしまいます。結果、さらに弱っていく始末。。。

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農家さんに写真を送ると、「こりゃいかん!」とのこと。水やりを調節したり、みんなで写真を取り合って愛でたり励ましたりして、途中ちょっと持ち直した風に見えましたが、、、

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この苗では生育は難しいだろうということ。植える日、結局プロの苗をありがたくいただきました・・。愛だけでは野菜は育たないのだ。

定植、トンネル被覆

12月、定植(苗を畑に植える)。畝(うね)を作り、苗を植え、ビニールでトンネル作り。「ヒーリング効果あるんだって」と最初はゆるい話で盛り上がっていましたが、なかなかの体力勝負です。トラクターの耕うん作業なんて普段体験できないですよね。

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鍬(くわ)で畝を作ります。土は固く、農機具は重く、腰が痛い。パソコン触ってても腰に負担はあるけど、鍬仕事の腰の負担はまた違う感じです。

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トンネルというのは、ビニールでトンネル風に囲って苗を保護すること。風で飛びやすいので、地面に密着させて作ります。それにしても寒い。手がかじかむ中で細かい作業は本当に大変です。

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トンネルが壊れる

しかし!!!頑張って作った渾身のトンネルは、翌日に風で飛ばされてしまいました。なんということでしょう。素人の作り方が甘かったんでしょうか。壊れるの早すぎ!

MicrosoftTeams-image (2).jpg直しに行くスケジュール考えているうちに、農家の方が直してくださいました。ありがとうございます。そして直してくださったトンネルがめっちゃ丈夫そう。。これがプロとの違いか。

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自社で野菜作りと言っても、言われたこと、準備していただいたことを、チームの人が交代でやるのが精一杯。それ以外何をどうしていいかわからないのです。言われるがままに追肥し、草を取り、収穫予測を見て楽しみにしていたある日、眞野さんからご連絡がありました。

予定どおりにいかないのが野菜栽培

「そろそろ収穫しないとダメだよ」

え・・・・?思ってたよりずっと早い・・・なぜだ・・。

どうやら、暖かい日が何日か続き、その後雨がたくさん降った影響で、一気に成長した模様。気象がこんなにも影響するとは。

慌てて包丁持って収穫に行きました。こんな感じに育っていました。大きすぎるもの、葉っぱが硬いもの、ちょっと腐りかけのもの、ソフトボールくらいの大きさのもの、重いもの、軽いもの。いろんなレタスが育っていました。同じ場所で同じ育て方をしたはずなのに不思議・・。

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その場でかじるメンバー。獲れたてとはまさにこのことを言う。

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半分ほど収穫するも、たいそうな量になりました。オフィスに並べて出社している社員のみなさんに配りまくりました。うれしそうに持ち帰った社員の方々の顔を見るのも楽しかったし、こんな風に食べましたー!という連絡も、これまで経験したことのない何かを感じます。

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プロのレタスと自社のレタスの食べ比べもしました。全然味が違った。なんというか、プロのはレタス特有の香りが強い。自社のはあんまりくせがない感じ。

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何が違うのだろう。結球の仕方も全然違ってました。自社のは重くずっしりしたレタスが多かった気がする。調べてみると、葉と葉の重なる空間がほどよく開いているほうがよいとのこと。どうすればふわっとしたレタスになるのでしょうか。

とはいえ、おいしくいただきました。

玉ねぎも栽培中

そんなこんなで、先日は残りのレタスの収穫と、最近新たに植えた玉ねぎの追肥に行ってきました。たまねぎは、レタスが育つ間の1月に播種(種まき)して定植しており、これは追肥の風景です。準備していただいていた追肥を撒いています。

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2度目の追肥では、ついでに雑草も抜きました。ちょうど雨がたくさん降った翌日だったので、雑草は取りやすかったです。

雨で畝間の水がすごい。

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実は畝づくりがすくすく育つ秘訣だった

眞野さん
眞野さん

まるで池やなぁ。

松丸
松丸

雨が降るとこんなになるんですねー。

眞野さん
眞野さん

いや、鍬が悪いとこうなる。水が溜まると湿気が多い環境になるから、菌が繁殖して病気になりやすい。本来は、水はけを考えて鍬を入れる。

松丸
松丸

えっ?どういうことですか?

聞いてみたところ、本来は畝間は水はけがよくなるよう、水路に向かって緩やかな坂を作るのだそうです。
なぬー!というわけで、お隣のプロの圃場を偵察に行ったところ、、水なんてまったく溜まっておらず、めっちゃキレイでした。
比べてみましょう。

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←左:プロ仕様 右→:KDLファーム

ほんまや・・全然違う・・。

松丸
松丸

うちの苗、ちょっと弱ってないですかね?ひょろひょろしているような。

眞野さん
眞野さん

まあこんなもんやろ。まあ、ちょっとひょろっとしてるのもあるけど。

松丸
松丸

畝の端っこがよく伸びてて、真ん中の方はひょろっとしてるのが多いのは、肥料のムラですかね。

眞野さん
眞野さん

いや、あれは病気やな。

松丸
松丸

病気・・・

眞野さん
眞野さん

そう、病気。端っこがよく育ってるのは水はけの問題。ひょろひょろしてるのは、病気やな。あ、たぶん手前から5番目のあれは萎黄病(いおうびょう)。

松丸
松丸

いおうびょう・・(ググる)

不安すぎるんですが。。。しかし、まあ天候にもよるけど今のところは大丈夫じゃないかな、ということで、様子を見ることになりました。気温の高い日、雨が多い日、「玉ねぎ大丈夫かなあ」と気になる心境の変化。今まで気にしたことのなかった、野菜への感情が出てきました。農家のみなさんへの尊敬と感謝が湧いてきます。

続きは5月ごろの玉ねぎ収穫後に。すくすく育ちますように。

松丸

筆者:松丸恵子

エンゲージメントリード