KDLNOW! Press vol30 2022年7月発行

Interview お客様に「刺さったとき」、ITの仕事は最高に面白い 玉置 慎一Interview お客様に「刺さったとき」、ITの仕事は最高に面白い 玉置 慎一
サービス紹介 「kintone定額システム構築サービス」
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お客様に「刺さったとき」、ITの仕事は最高に面白い

interview インタビュー

玉置 慎一

株式会社 神?デジタル・ラボ 取締役副社? デジタルビジネス本部?

2022年1月、KDL副社長に玉置慎一が就任しました。 なぜいまKDL初の副社長職を置いたのか、デジタル活用の本質、これからの時代に必要な武器とは——。 エンジニア、マネジャー、経営職へ。あらゆる視点でKDLを支えてきた玉置に広報アドバイザー・石井伸介が聞きました。

社員の給料を上げたい」理由

石井
初めて玉置さんにお会いしたとき「副社長になって何がしたいですか」と伺うと「社員の給料を上げたい」とおっしゃいましたね。
玉置
はい、給料を上げるということは、その人の価値が上がっているということですし、会社全体で社員の給料が上がるということは、それだけ高い価値をお客さまや社会に提供できる会社になっているということです。社員の皆さんには「その価値を提供できている会社で自分たちは働いているんだ」という自信を持ってお客さまと仕事をしてほしい。
石井
KDLの価値は何だとお考えですか。
玉置
神戸で27年間やってきて、我々とお付き合いいただいたお客さまとの間に積み上がってきた信頼、そこがうちの強みだと思います。
石井
その27年のうちの22年間は玉置さんの時間でもあります。
玉置
入社したころは社員の半分がお客さまのところに常駐して働いていましたし、わたしも入社初日からお客さまのところに行きました。それが数年続いた後、エンジニアを本社に戻してやっていこうという方向に変わりました。最初は一次請けが難しく二次請けの仕事が多かったですが、それが段々と一次請けできるように変わっていきました。案件の内容も、業務系や基幹系のシステム中心だったものが、ウェブ技術を活用したシステムをつくるようになり、ウェブが出てきたことで「セキュリティを強化していこう」という話になり、ショッピングサイトを持つお客さまが増えてきたときには「お客さまごとに個別に開発するのではなく、我々のプラットフォームを展開しよう」と、時代に合わせて自分たちが提供できるものを増やし、変わってきた会社です。

KDL入社のきっかけはGoogle検索

永吉社長が語る「玉置副社長就任の理由」

Qなぜ、玉置さんを副社長職に置いたのですか?

「わたしより技術がわかる者を社長のサブに置きたい」と考えました。わたしは何もないところから始め、その都度その都度、収益になるものを見つけて事業にしてきました。しかし、このやり方を続ける限りは「誰かが思いついたこと」をあとから追いかけることしかできません。ビジネスを動かしていくためには、技術に加え、言葉を正しく使って意思疎通する力、人間関係をつくる力、組織とは何かがわかっていることも必要です。これからのKDLでは「誰かが思いついたこと」ではない何かを、自分たちでつくっていきたいのです。

技術がわかる」とはどういうことか

石井
玉置さんを副社長に置かれた理由を伺ったとき、永吉社長は「技術がわかる人間をサブに置きたかった」と言われました。この言葉を玉置さんはどう理解されていますか。
玉置
永吉さんが経験されてないところを経験しているということなのかな、と思っています。わたしは元々ITエンジニアなので、設計もすればコーディングもしますし、マネジメントもする……と、ひと通り経験してきています。開発の現場で実際にお客さまと向き合いシステムをつくり上げていくエンジニアの気持ちもわかると思います。そういったわたしと永吉さんとのバックグラウンドの違いが、どう出るかをおっしゃっていると思います。

副社長になるまえから考えてきたこと

石井
副社長職は、KDLの歴史の中で初めて設けられたものだと伺いました。
玉置
副社長になったから急に変わったということはないですね。
石井
では、KDLのこの先を考えるとき、「これからはこちらの方向にシフトしていかなくてはいけない」とお考えのことはありますか?
玉置
システムインテグレーション(SI)を中心にやってきたところから変わっていかないといけないということは2年ぐらい前から考えています。これは副社長になったから考えているものではありません。
石井
SI中心からどういう方向に変わっていきたいのですか。
玉置
お客さまが「つくってほしい」ものをそのままつくるのではない──ということです。DXの取り組みには、デジタイズ(digitize)とデジタライズ(digitalize)という領域があります。「デジタイズ」は、「デジタルを活用して業務を効率化していくこと」で、業務が効率化され生産性は上がるけれども、社会に対して新しい価値は特に生みません。一方で「デジタライズ」は、「企業が新たな価値を生み出していく源泉になるもの」です。単なる業務効率化ではなく、新たな価値の創出。これがどの企業にとってもテーマになってくると思います。
石井
デジタライズをお客さまがお求めのときに、KDLは何を提供するのですか?
玉置
これからの時代は技術だけではなく、お客さまと一緒にアイデアを考えていくというところも武器にしていかないといけません。今、デジタルビジネス本部の中には、セキュリティ、データ活用、アジャイル開発、SI……といった、デジタイズ、デジタライズに必要となる機能が揃っています。その中に我々が「エンゲージメントリード」と呼ぶチームがいて、そのチームが中心となってお客さまのビジネスモデルや業界知識を濃く深く知っていく──というような取り組みを進めているところです。
石井
そういった取り組みには、時間的な目標はあるのですか。
玉置
「今から3年後にどうなっていたらいいか」ということを毎年毎年、ボードメンバーで話をして、「その3年後に向かうために、この1年をどうするか」を決めて取り組んでいます。
石井
3年後という期間は副社長として与えられたミッションですか?
玉置
いえ、そうではありません。 過去にも中期経営計画(中計)はあったのですが、正直なところ社員に浸透していなかった。現場にいたわたしも意識していなかったくらいです。わたしが中計の策定に携わるようになったのが2019年です。そのときに「これはやっぱりちゃんと社員の中に落としていかないといけない」と思いました。

KDL協賛のイベントで、 店舗のお手伝いでビールをつぐ玉置

高校時代は水球部。趣味はマラソンと野球。 KDLランニング部部長。

お客さまに「刺さる」仕事

石井
22年間の中で「ITの仕事は面白い」と思われたのはどんなときですか。
玉置
お客さまに「刺さったとき」ですね。こちらがご提案していることが実現すると自分たちがどのように変わるのかを、お客さまがクリアにイメージされたとき。それが感じられたときは……最高に、面白いですね。
石井
そのときお客さまの表情は変わるんですか。
玉置
変わります、変わりますね。「自分たちは絶対これで良くなる」とクリアにイメージしてもらえたときの表情は、違うんです。

自分で決めてやることで仕事全体が面白くなる

石井
お客さまに「刺さる」喜びは、今の現場の社員の方にもあるんでしょうか。
玉置
「デジタイズ」と「デジタライズ」の話に戻ると、デジタライズは、「他社とどのように差別化していくか」を考えながらつくるものです。最初から完成型が見えているわけではなく、繰り返し繰り返しブラッシュアップしていくシステム開発になるので──。
石井
お客さまに「刺さる」、すなわちKDLのエンジニアが喜びを感じる仕事が増える?
玉置
はい、増えると思います。そこを提供できることがKDLの価値を上げていくことだと思いますし、社員の給料を上げることにも繋がると思っています。

価値提供の大前提は お客様のことを知ること。「ぜひ、修行させてください」

玉置 慎一たまき しんいち

株式会社 神戸デジタル・ラボ 取締役副社長 デジタルビジネス本部長

1976年生まれ、和歌山県海南市出身。1999年、神戸大学工学部情報知能工学科を卒業。同年、大阪のSIerに入社するが、「お客様の役に立つシステム開発に携わりたい」という目標が実現できないと感じ退職を決意。同年10月、KDL入社。大手SIerに常駐し、生命保険会社の業務システムや液晶パネル工場の製造ライン管理システムなどにサーバーサイドエンジニアとして従事。本社に戻り、大手通販会社のECサイトや複数拠点を持つライブハウスのチケット予約システムなど、WEBサイト・WEBシステム案件のプロジェクトマネジャー(PM)を担当。サイバーセキュリティに関する情報共有や啓蒙活動を行う民間団体の関西リーダーも務める。 2012年にWEBソリューション部長、2014年に執行役員、2016年にソリューション本部長、2017年に取締役を経て、2022年1月に取締役副社長就任。デジタルビジネス本部長を兼務。

インタビュアー

石井 伸介いしい のぶすけ

神戸デジタル・ラボ 広報アドバイザー(株式会社 苦楽堂 ?代表)

1963年北海道生まれ、仙台出身。1986年、文教大学情報学部広報学科卒。同年、プレジデント社入社。「プレジデント」副編集長、「プレジデントオンライン」副編集長、書籍部長等を経て2013年末に退職。2014年、阪神・淡路大震災の取材以来通い続けた神戸に移住し、出版社「株式会社苦楽堂」を創業。神戸商工会議所情報産業部会所属。

Kintone キントーン

サービス紹介

企業のkintone開発担当者を育てる「定額システム構築サービス」

サイボウズ社が提供し、テレビCMなどでもおなじみの「kintone(キントーン)」。

KDLはサイボウズオフィシャルパートナーとして、kintoneの導入から運用までをサポートするサービスを展開しています。自社業務でもkintoneを利用しており、実際に使っているからこそのサポートが可能です。

今回ご紹介する「定額システム構築サービス」は、ただシステム構築を請け負うのではなく、お客様企業内に”kintoneの開発や運用に長けた人材を育てる”サービスです。

DXの第一歩として注目されるkintoneは導入してからが本番、企業が抱える様々な課題を解決するアプリケーションの開発・運用が必要です。「導入したいけどアプリの開発方法がわからない」「課題を解決するためにどんなアプリを作ればいいのかわからない」というご相談をよくいただきます。

本サービスでは、お客様が解決したい課題を伺うところからスタートし、kintoneでの構築範囲や内容を決定、作り方や考え方をレクチャーしながら、最終的にはお客様自身でアプリ開発・運用ができるよう支援します。

サービスをご利用いただいた企業からは「ずっと課題として残っていたことが解決できた」「やっとkintoneを使えるようになった」「アプリ開発の考え方が分かった」とお喜びの声をいただいています。

kintoneは導入したが有効活用できていない、kintoneを導入したいけれど自社でアプリを作れるかわからない、社内でうまく運用できるよう最初はプロに任せたい、などお困りのことがございましたら、KDLへお気軽にご相談ください。

サービス内容

定額システム構築サービス 40万円(税別) ※2時間/回×4回のセッションを想定 相談窓口サービス 5万円/月額(税別)

お問い合わせはこちら

導入事例

兵庫ヤクルト販売

kintoneを使った業務効率化のご相談をいただきました。社内図書の貸し出し管理と社員食堂の予約管理を行うアプリの構築をサポート、お客様が運用される上で必要なアプリの更新手順などもレクチャーさせていただきました。

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KDLニュース

標的型攻撃メール訓練サービスに、Emotetなどの攻撃に備える新機能

SaaS型標的型攻撃メール訓練サービス「Selphish(セルフィッシュ)」は、なりすまし・標的型攻撃メールを模したメールを送信する訓練を繰り返すことで、社員のセキュリティリスクへの意識を向上させ、企業のセキュリティリスクを軽減することを目的としたサービスです。

2022年2月頃からEmotetをはじめとする標的型攻撃メールによる被害が広がっており、その背景のひとつに標的型攻撃メールの文面が巧妙化していることが挙げられます。 KDLではこうした状況を踏まえ、巧妙な文面のメールに備えるための訓練に注力した新機能をリリースしました。

送られてきたメールに自分の氏名が書かれていても注意が必要であること、HTMLメールはURLの偽装がわかりにくいことなどを訓練を通して認識していただき、不審なメールを見分ける力を養います。 また、効果的な教育が行えるよう教育コンテンツの自由度の拡張や閲覧したかどうかの確認機能(ログ)を追加しました。

Selphishでは、ご契約前に無料でのお試しいただける環境もご用意しています。ぜひ一度お試しください。

詳しくはこちら

ブログ紹介 新入社員研修で「採用管理システム」を模擬開発!

4月1日に新入社員5名が入社しました。約1ヵ月の新卒研修を終え、現在は配属されたそれぞれのチームで奮闘しています。

KDLでは毎年、研修の最後に新入社員だけでシステム開発を行う「模擬開発研修」を実施しています。クライアントへのヒアリング(要件定義)に始まり、使用技術の選定、Webページのデザインやシステムの設計、プログラミングといったシステム開発に必要な一連の流れを、実際のシステム開発と同様に社内レビューを受けながら、新入社員だけで行う研修です。

今年は自社の人事戦略チームが利用する採用管理システム「KDL ATS」を開発するという課題に挑戦。途中トラブルにも見舞われながらも模擬開発研修の締めくくりとなる最終発表会までをやり遂げたその様子を新入社員自身がブログにまとめましたのでご紹介します。

  • 前編:はじめての模擬開発研修
  • 中編:本格的に困難続きの開発がスタート!!
  • 後期:開発の難所と最終プレゼン
  • 番外編①:「KDL ATS」を支える技術
  • 番外編②:システムの裏側を覗いてみよう