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エクスペリエンスデザインへの取り組み

エンゲージメントリードの那須です。

「モノ」消費から「コト」「トキ」「イミ」消費へと変革するなか、ユーザ自身が何らかの形でサービスやプロダクトに関わり、貢献性や成果の達成を感じられるかどうかが求められています。そこで今回は、ユーザ体験を中⼼に据えて、サービスやプロダクトを考えるUXデザイン(=エクスペリエンスデザイン)という取り組みをご紹介します。

UXデザインとは何か。定義が難しい「デザイン」という言葉を使わずに説明すると「顧客志向」と捉えられます。単なる顧客志向と少し異なるのは、ニーズ、ソリューションの双方を深堀りすることに対するこだわりの強さです。

「こだわり」をもう少し具体的にすると、ユーザの行動や気持ちに対して当事者目線で寄り添いきることで、本来の機会領域※を理解する姿勢と言えます。安易な解決策に飛びつかず、アイデアを出し切ってからユーザ接点やビジネス要件との整合性を取っていく。一度考え抜いたアイデアに固執せず、ユーザの批判を真摯に受け止めながら進化させていくことです。

※機会領域 ユーザと企業や製品、サービスとの接点を考えた場合、どこに機会や対象範囲があるかを探ること

「ユーザ」を考える

一般的にユーザとは、何かについてそれを利用する人、つまりサービスやプロダクトの利用者(エンドユーザ)を指していますが、本件のユーザとは、サービスやプロダクトに関わる全ての人(エンドユーザや運用担当者、デザイナー、エンジニア含め)を指します。課題解決を考える様々な場面においてそれぞれの当事者目線を意識します。

ユーザ体験デザイン(設計)が必要な3つの理由

サービスやプロダクトを利用した際に得られる体験から、ユーザは「驚き」や「喜び」「失望」など、様々なことを感じ「価値」を見出します。

1.ユーザの選択肢が増えた

以前までの市場はどちらかというと供給者優位でした。しかし、現在は同じようなサービスがたくさんあり、多くの競合との差別化をはかる必要があります。そのため、ユーザを中心に設計し、心地よい体験をしていただくことでサービスに価値を感じていただくことが必要です。

2.サービスの継続利用が重要になった

ビジネスモデルも変化しています。以前であれば、月額課金性のビジネスモデルが多く、最初に「いかに有料会員登録をさせるか」もしくは「退会を難しくするか」などが重視されていました。今は、基本機能は無料で提供するフリーミアムのビジネスモデルが浸透しており、「いかに有料会員登録をさせるか」よりも「いかに継続的にサービスを使ってもらうか」が重視されるようになっています。継続的にサービスを利用していただくことで、オプションの有料サービスを利用することへの敷居を下げていく必要があるためです。

3.利用体験を拡散されるようになった

以前であればサービスの口コミは、口コミサイトや実際に会った人に利用体験を伝えていました。今はSNSで簡単に利用体験をシェアでき、手軽に「いいね!」や、フィードバックも受け取れます。そのため、ユーザの利用体験が悪いサービスは、その悪評がすぐ広まってしまいます。逆にユーザ中心に設計され、ユーザが心地よい体験をすることができれば、好評価も拡散されるようになったのです。

まとめ

今の世の中は、似たようなサービス、似たような商品があふれ、商品自体での差別化が難しくなってきています。ターゲットとするユーザがきちんと想定(設計)されたサービスや商品は、その人に刺さり、驚きや喜び、感動と言った価値を与える体験を提供することができます。

那須

執筆:那須 智

デジタルビジネス本部 Engagement Lead