KDL BLOG
超小型無人月面探査車「YAOKI(やおき)」の操縦や探査ミッションの体験、アイデアソンなどが組み込まれた小学生向けの合宿「YAOKIと一緒に月面探査を体験しよう」を、今年も国立淡路青少年交流の家で開催しました!
今年は、昨年の合宿からさらにパワーアップ!2泊3日でさまざまな体験盛りだくさんのプログラムです。今回も、内容や子どもたちの様子をレポートいたします。
「YAOKI」は、東京のロボット開発会社、ダイモンさんが開発している月面探査車です。民間で世界初の無人月面探査を予定しており、NASAのプロジェクトで月に向かって出発する予定です。幅約15センチ、高さ約10センチ、重さは約500グラムという超小型。月面への輸送費は1kgで1億円とも言われるなかで輸送コストを下げるとともに、その強度と機動力を発揮した探査が期待されています
昨年から開催している子ども向けのこの合宿は、未来を担う子どもたちに、宇宙産業をもっと身近に感じてもらい、プログラムを通じて創造力やチャレンジ精神、チーム力を養うことを目的に開催しています。
今回も、好奇心旺盛でチャレンジャー気質な子どもたちが集まってくれました!
出発~YAOKI開発者中島さんの講義
神戸三宮集合のメンバーは、高速バスで淡路を目指します。それぞれに切符を買い、お見送りの保護者の皆様とはここでお別れです。ここから子どもたちは、初めて会うスタッフや同年代の子どもたちと一緒に行動します。長い公共交通機関の移動を終え、無事淡路青少年交流の家に到着した子どもたち。開講式のあと、まずお昼ごはんを食べて、午後から本格的にプログラムがスタートしました。
自己紹介とアイスブレイクの後は、さっそくYAOKIの開発者、中島さんのお話を聞きました。今回は遠隔による講義で、プロジェクタに投影される中島さんと質疑応答を行いました。
「開発にはどのくらいの時間がかかったの?何人で開発したの?」
「YAOKI には種類があるんですか?」
などなど様々な鋭い質問が出ました。
将来の夢はロボットを人間のように生命化すること、という中島さんの話は大人の私たちも面白いと感じました。また「細かくこだわりをもって開発したので10年かかった」「ひとりで開発した」という話には、子どもたち全員がどよめいていました。
小学生にも作ってもらって、みんなのYAOKIが月面に行くこともできる、という言葉には夢が膨らみます。中島さんが話すと現実味があって、ワクワクしました。
講義の最後には記念写真をパチリ。プロジェクタで写真撮影も今どきですね。
記念を作ろう!藍染体験
講義後は、みんな楽しみにしていた藍染体験。YAOKIのロゴ入りの藍染Tシャツを制作しました。
淡路青少年交流の家のスタッフにリードしていただき、こどもたちもがんばります。
最初は「え?なんだこの色??思ってたんと違う・・」と、私も含めてみんなが思っていたことでしょう。
完成のサンプルには程遠い色に、焦る私たち。でもみんなのがんばりで、翌日にはきれいな風合いのTシャツに仕上がりました。
一日目の夜は、天体観測。なんと淡路青少年交流の家の所長・西岡さんによる解説付きです。宇宙や星座の話を聞き、天体望遠鏡で観測。我々KDLのスタッフも「めっちゃ勉強になる!」と興奮の夜でした。
野外炊飯でチームの信頼関係を築く
2日目。この日はメインの月面探査ミッションを行います。しかしその前に、チームのコミュニケーションを増やして信頼関係を築いてもらおうと、まずは野外炊飯にチャレンジしてもらいました。飯ごうでごはんを焚いて、カレーを作ります
材料を切り、火をおこし、火加減を見て、お皿を準備。教え合い助け合いながら、おいしいカレーができたね。
ちなみに、そのころKDLのスタッフのうち半分は、この後のミッションのための月面を作っていました(笑)。これは子どもたちには内緒の大人たちのミッション。月面を模したテントの中の照明を調整して、障害物を配置して、ワクワクを作ります。
汗だくで月面を作って、気づけば昼前。
月面を作っていたスタッフもカレーをいただきに、屋外炊事場へ。
子どもたちがご飯をもりつけて、カレーをかけてくれました。子どもたちが作ってくれたカレー、めっちゃおいしかった!
カレー作りで子どもたち同士もすっかり打ち解けて、仲良くなりました。昨日とはまた違う、人を思いやる言葉がけや堂々とした姿、活発なコミュニケーションも生まれていました。
メインミッション「月面探査」
さて、今回のメインイベント、月面探査ミッションです。
無人で月に行くYAOKIは、地球から遠隔操作します。YAOKIを直接見て操縦することはできません。YAOKIのカメラの映像を見ながら操縦します。
まずはチームに分かれて作戦会議をしてもらいました。ミッションの前の操縦体験では、ラジコンのようにYAOKIを見ながら操縦してもらいましたが、実際は周辺の情報が見られるカメラを通じた映像だけを頼りに操縦します。カメラの映像は、床を這うような、あまり見たことのない映像。暗い場所や障害物もあります。
今回のミッションは、水と洞窟と未確認生物(!)を発見し、撮影してもらうこと。ただし、写真は撮ればいいだけではありません。探査の質として、「研究資料として質の良い画像が撮影できたかどうか」「画像がきれいに撮れているかどうか」「大きく見やすいか」など加点項目を作り、ボーナスが入るようにしました。
操縦を一通り体験してもらったあとは、チームで作戦会議。見えないYAOKIを操縦するわけですが、ゲームなどで慣れているのかな?と思いましたが勝手が違うようです。
気になる続きはレポート後編へ。↓↓↓↓
「YAOKIと一緒に月面探査を体験しよう 2022」開催レポート【後編】
筆者:松丸恵子
エンゲージメントリード Customer Success