京都大学と電気通信大学とKDLの産学連携プロジェクトの発足

京都大学と電気通信大学と神戸デジタル・ラボの産学連携プロジェクトの発足

国 立大学法人京都大学大学院情報学研究科(新熊亮一助教ならびに高橋達郎教授、以下京都大学)と国 立大学法人電気通信大学大学院情報システム学研究科(笠井裕之准教授、以下電気通信大学)と株式会社 神戸デジタル・ラボ(代表取締役:永吉一郎、本社:神戸市、以下 KDL)は、エンティティ間の物理距離 と社会距離の不整合を解消する事を目的とした「ソーシャルメトリックに基づく新世代の統合アーキテ クチャ」の研究プロジェクトを産学連携により発足した事をお知らせいたします。
また、世界レベルの技術開発を目指し、米国の Rutgers University (Roy Yates 教授)とも連携してグ ローバルな視野で研究を進めます。
なお、本プロジェクトは 2010 年 4 月より 1 ヵ年計画で独立行政法人情報通信研究機構・新世代ネッ トワーク技術戦略の実現に向けた萌芽的研究の助成対象として採択されております。
本プロジェクトでは、現インターネットにおけるエンティティ(人、物、コンテンツ、サービス、イ ベント)間の物理的距離と社会的距離(=相互の信頼性・必要性・関連性)の不整合が生じさせる問題 に着目し、ソーシャルメトリックという新指標に基づく情報・通信統合アーキテクチャによって、ユー ザが真の価値を享受できる安心・安全なネットワークの実現を目指します。

イン ターネットがない時代の生活においては、エンティティ間、例えば人と人との物理的距離(互い が物理的に到達するのに必要な時間)と社会的距離とは今よりも整合していたと考えられます。つまり、 家族と一つ屋根の下で過ごし、ご近所同士で情報を共有し、地域に貢献するといったように物理的距離 が近いほど社会的距離も近い状態でした。しかし、インターネットの普及に伴い、SNS 上のあるコミュ ニティで物理的に遠い人と交流をはかるなど、物理的距離に関わらず社会的距離を短くすることができ た一方で、情報があふれてしまっており、どれが必要性・関連性が高いのか、判別が非常に難しくなっ てしまいました。
そこで我々は、エンティティ間の社会的距離を定量化するソーシャルメトリックを新たに定義します。 このソーシャルメトリックの導入により、我々が目指す新しいネットワークでは、ソーシャルメトリッ クが大きい(=社会的距離が近い)、つまり、相互の重要性・関連性が高いエンティティほど、「容易に」 「早く」手に届くもしくは到達できるようにすることが可能になります。

例えば、 あなたが安全で身近に感じられ、あなた自身の生活と状況にとって真に必要な情報を提供してくれ
る情報サービス  参加メンバーの位置と状況、相互の関係性、トピックの中身に応じて最適な手段(チャット/音声/ビ
デオ/実際に集まる)を自動セットアップし、ストレスの無いコミュニケーションを実現するサービ
ス制御 、 人々が日常感じる不満、不安、危険を取り込んで、それらを解決できる可能性のあるエンティティ
と紐付けして新たなサービスを提案するサービスマッチング が実現されます.
特に KDL では、ソーシャルメトリックをもとに、通信資源を最適な形で仮想的に割り当てる技術の 研究・開発を行います。これによりエンティティ同士の到達範囲と到達速度を適切に制御することが可 能となります。

本件に関するお問い合わせ先:

国立大学法人 京都大学 大学院情報学研究科(http://cube.kuee.kyoto-u.ac.jp/)
新熊亮一助教 TEL 075-753-3556 電子メール [email protected]

国立大学法人 電気通信大学 大学院情報システム学研究科(http://klab.appnet.is.uec.ac.jp/) 笠井裕之准教授 TEL 042-443-5670 電子メール [email protected]

株式会社 神戸デジタル・ラボ (/) 山口和泰 TEL 078-327-2280 電子メール [email protected]

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