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SIリーダー座談会 お客さまと一緒に考える KDLが長くお付き合いいただける理由

Murotani Takafumi室谷 崇史

Kashihara Ken柏原 健

Endo Mitsuru遠藤 満

2022年10月、KDLのシステムインテグレーション事業は、お客さまにより多様な価値を提供できるよう体制を強化しました。
デジタルビジネス本部System Integration(SI)部門の柏原健、遠藤満、室谷崇史で座談会を開催。広報アドバイザー・石井伸介を進行役として、3人が考えるKDLの強み、大切にしているものを語ってもらいました。

それぞれのシステムインテグレーション

石井皆さんは、お客さまの会社のいつもの仕事相手の上の方に自己紹介するとき、どのように話されていますか。

柏原今だと「DXを支援してます」という言い方もしますし、「基幹システムど真ん中よりも、その周辺を支援する仕組み周りが得意です」と言います。

室谷ぼくは2段階で話すことが多くて、1段階目は「ウェブアプリです」「サイトです」といった大枠のお話をして、2段階目では「この会社さんのこういった課題に対して、こういったものをつくりました」と、オープンになっている事例か、しゃべってもいいと判断できる事例を話します。

遠藤ぼくも事例はよく言います。あとは、言われたものだけつくるのは面白みもないので、「お客さまが何をしたいのかを伺ってからつくっていきます」と話すことが多いです。

お客さまがKDLを選んでくださる理由

石井さて、今、言っていただいた自己紹介を、お客さまはどう受け取っていらっしゃるのかを考えたいと思います。世にシステムインテグレーターが多くある中で、お客さまはどのような理由でKDLと一緒に仕事をしようと思ってくださっているのでしょうか。

柏原「フットワークが軽くて、先進的な技術を持って開発をしてくれるITベンダー」という印象を持っていただいているんじゃないかと思っています。「フットワーク軽く」には、「なんでもやってくれる」「早くやってくれる」といった意味も含まれていると思いますし。「技術力が高く」には、他のベンダーが「面倒くさいからやりません」と言ったものでもKDLならば受けてくれる、という意味もあるかと。

座談会の様子

お客さまと⼆⼈三脚できる体制は整っています

遠藤「一緒にものを考えてくれるのはKDLさんだよね」と思ってくださる方がお客さまの中にいらっしゃることは感じています。そう思ってくださっている方とは、長くお付き合いをいただいていると思います。

室谷お客さまも、案件によっては「フットワークが軽いほうを使いたいな」というときがある。そういうときはKDLにお声がかかると思っています。たとえば大手ベンダーさんは、チャレンジングな技術要素をあまり使おうとしないので、そういうときは、まずはフットワークの軽いKDLでちょっとやりましょうか、と。

遠藤KDLは、新しいことをいろいろやっていく会社だということはすごく感じますね。

石井新しいこと、たとえば何ですか?

室谷ITベンダーって、特定の技術やパッケージに紐づいてることが多い業態なんです。たとえば AWS専門とか、Salesforceに特化しているとか。言語で言うと「PHPが得意です」とか、最近ならば「JavaScriptのフレームワークであれば Reactとか Vueに特化してます」みたいなところが多い。でもうちは、言語ならばJavaもPHPもやるし、パッケージも、「kintoneやってます」「Drupalもやってます」と、お客さまが求めていらっしゃる要件に応じてバラバラ。そこはいい面であり悪い面でもあると思っていますが。

「ケラ芸のスペシャリスト」でいい

座談会の様子

お客さまに会いに行くのは、博物館に行くような面白さがある

石井ケラ芸(螻蛄芸)ということばがあります。昆虫のケラはジャンプできるし、飛ぶことも、土に潜ることも、泳ぐこともできる。でも、トンボより早く飛べない。泳ぐとミズスマシより遅い。ひととおりできるけれどスペシャリストではない。KDLのシステムインテグレーションは、お客さまの要望に合わせてなんでもやってみせるけれど、ケラ芸になってはいませんか。

柏原その通りだと思っています──と言うとおかしいんですけれど(笑)、その中で「今はこの部分に力を入れないといけないよね」という色は出していく必要があるし、出てきている部分もあるかなと思ってます。

遠藤ぼくは「ケラ芸のスペシャリスト」でいいと思います。

室谷ぼくもそこが強みだと思ってる。10点中8点を取っていく。ぼくは、10点中10点とか12点を出してくるような外の会社やエンジニアを見てきているので、「この人たちに中途半端に挑んでも勝てない」と思っています。

遠藤でも、うちは0点は出さない(笑)。

室谷うん(笑)、技術特化系の会社って、0点出してくるときあるから。

遠藤出してくる。トンボみたいに速く飛べるけれど、それしかできないからね。

柏原ぼくがお客さまとするのは「水に潜ろうが空を飛ぼうが、行きたいのは向こう岸でしょう?」というお話なんです。向こう岸に行くために、技術以外のものも含めたいろんな引き出しが出せることが、KDLの強みでもあると思ってるので。トンボのように速くは到達できないけれど、「こっちがあかんかったら、こっちでもいけるから」という話ができるのがうちの強みなんじゃないかな、と。

室谷いざとなったらバッタになれますからね。トンボなら1回のところを10回は跳ばないかんから赤字になるけど(笑)。

一緒に「向こう岸」にたどり着くために

石井柏原さんから「向こう岸」という大事なキーワードをいただきました。ただ、向こう岸がどこか、お客さまご自身がよくわかっていないこともあるかと。世界は変わっているのに「去年と同じ向こう岸に行ければいいんだけど」、そして「お金がないので今年は向こう岸まで行けない。中洲まででいい」というお客さまもいらっしゃると思います。そういうときにKDLのシステムインテグレーションチームはどうするのでしょうか。

柏原お客さまの経営層の方は、向こう岸が見えて仕事をされてらっしゃる方が多いと思います。一方で、実際にわたしたちとやり取りをする情報システム部門の担当者の方や、事業部署の方たちには、「向こう岸に渡らないといけない」という思いがあまりないときもあって……。そういうときは話を上に上げてくれたらいいのにな……と思うことはありますね。

石井素直に上に上げてくれますか?

柏原上げ方自体もようわからんというお客さまもいらっしゃるので、「そこを一緒に解決しましょう」というアプローチもあるんですけれど……時間がかかって、お客さまの事業計画ともタイミングが合わなくなってしまう。そうなる前にもっと頼ってくれたらいいのになあ、とは思います。

石井逆に、「え、こんなことまで頼られちゃうの?」といったお話はありますか?システムのお話をしに行ったはずなのに、「最近、どんな人事制度が流行りなの?」という質問や相談をされることは?

柏原多々あります。「なんでも知ってるんでしょ?」ってきいてくれるお客さまがいらっしゃるので、いろんな情報のキャッチアップはしておかないといけないなと思っています。

座談会の様子

うちは0点は出しません

一度の売り上げよりも、長いお付き合いを優先したい

遠藤一方で、「言ったもんだけつくれ」と言われる方もいるので、それはまあ仕方なしで(笑)つくったりもするんですけれど、つくったシステムの出来がよくても、それでお客さまの成果が上がらなかったら、「いらんシステム」になっちゃう。そうすると「あのシステムつくったの誰や?」「KDLや」という話になるんですよ。そうならないように、長くお付き合いしたいので、お客さまの担当者の方と「それ要ります?」「それ意味あります?」という話はします。たとえば、「ECサイトの画面を派手にしたら売れる」と思っていたお客さまがいらっしゃったんですが、「山の中に派手な店つくっても誰も来ませんよね」と言ったことがあります。

室谷そういうときぼくは、「広告に予算を流しましょう」と言いますね。

石井システムづくりにではなく?

室谷うん。具体的な例で言うと、「求人サイトの申し込みのページを改修、改善したい。予算こんだけ」というお客さまの話をきいて、サイトを何百万円かけてちょこっと改善したところで求人は増えないと思って、「この何百万円をYouTubeやFacebookやLINEの広告に振ったほうが、人は集まりまっせ」みたいな話をしたときもあります。

石井でも、そうするとKDLのシステムインテグレーションの売り上げは減っちゃいますよね?

室谷減っちゃいます。でも、長くお付き合いをいただいている、そのお付き合いを続けたいお客さまのときは、意識的にそういった意見を出します。ずっとお付き合いいただけるんだったら、この1回は捨ててもええ、と。

遠藤それでお客さまの売り上げが上がれば、その売り上げを次のシステム投資に回してもらえますし。

室谷わたしのライン、売上の30〜40%ぐらいが保守なんです。既存のお客さまで持っているようなところもあるので、比率としても数字的に見ても、そちらを大切にする方針は間違っていないと思います。

柏原端的には、「お客さまのために」という表現になると思うんです。お客さまが喜ばれることをやることで、短期的にはKDLの商売はへたくそに見えるかもしれないですけれど、あとから数字がついてくる。KDLの皆は、そのことを経験則的に知っているので、このやり方ができているんだと思います。

座談会の様子

突然渡された風船に戸惑いながらも
​ポーズを決めてくれました。​

プロフィール写真

柏原 健かしはら けん

株式会社 神戸デジタル・ラボ
執行役員 デジタルビジネス本部副本部長・System Integrationチーム所属

1974年大阪生まれ、兵庫県出身。1995年、コンピュータ専門学校を卒業。阪神・淡路大震災の影響で就職活動を中断、同年、寝具メーカーに就職、営業職。1997年、KDL入社。大手SIerの流通系クレジットカードシステムの開発・保守案件に従事後、大手アパレルメーカーのシステム開発や業務支援を担当、現在も関わる。2015年ICT事業部ビジネスソリューション部長を経て、2017年に執行役員就任。

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遠藤 満えんどう みつる

株式会社 神戸デジタル・ラボ
デジタルビジネス本部 System Integrationチーム所属

1972年生まれ、奈良県出身。1995年、大阪電気通信大学工学部応用電子工学科を卒業。同年、神戸のSIerに就職、大手電機メーカーのソフトウェア開発業務を担当。2005年、KDL入社。医療機器メーカーの医療システム、飲食店向けセルフオーダーシステムなどにプロジェクトマネジャーとして従事、KDLの介護向けシステム事業(現「介護サプリ」)の立ち上げにも携わる。2008年、ICTソリューション部マネジャーに就任。

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室谷 崇史むろたに たかふみ

株式会社 神戸デジタル・ラボ
デジタルビジネス本部 System Integrationチーム および KDL-SIRT(PSIRT)所属

1985年生まれ、富山県出身。2009年、兵庫県立大学経済学部応用経済学科を卒業。同年、KDL入社、WEB案件を担当する部門に配属。セキュリティを担当する部門(現Proactive Defenseの前身)で脆弱性診断などを学んだ後、WEBエンジニアとしてECサイトなどの構築に従事。主にCMS案件のプロジェクトマネジャーを経て、2017年にソリューション本部WEBセクションマネジャー就任。

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進行役石井 伸介いしい のぶすけ

神戸デジタル・ラボ 広報アドバイザー(株式会社苦楽堂 代表)

1963年北海道生まれ、仙台出身。1986年、文教大学情報学部広報学科卒。同年、プレジデント社入社。「プレジデント」副編集長、「プレジデントオンライン」副編集長、書籍部長等を経て2013年末に退職。2014年、阪神・淡路大震災の取材以来通い続けた神戸に移住し、出版社「株式会社苦楽堂」を創業。神戸商工会議所情報産業部会所属。

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KDLニュース

社内図書の管理を簡単に! kintone「図書貸出管理パッケージ」を 販売開始

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KDLでは、自社の社内図書管理のためkintoneアプリを内製し運用しています。図書の貸出管理などができる同アプリは、KDL BLOGでご紹介したところ、購入希望やお問い合わせなど多くの反響をいただきました。そういったお客様のニーズにお応えするため、昨年、kintone「図書貸出管理パッケージ」を開発、販売しています。パッケージ版のため、手軽に導入いただくことができ、kintoneをご利用中の企業や組織等であれば継続的なコストは必要ありません。

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KDLは「Hardening Project」を 応援しています

HAEDENING PROJECT

KDLは、「Hardening Project(ハードニング プロジェクト)」を応援しています。
「Hardening Project」とは、セキュリティ堅牢化競技会である「ハードニング競技会」をデザインし、実現するボランティア・プロジェクトで、2012年を皮切りに、毎年継続して開催されています。

2017年より協賛を開始し、情報セキュリティサービス部門のみならず、システム開発や情報システム部門のメンバー、マネジャーなど、たくさんのKDL社員が「Hardening Project」に関わってきました。それは競技会への参加であり、運営協力であり、競技者に贈られる「KDL賞」の提供でありと様々です。KDLはなぜこのように「Hardening Project」と関わり続けてきたのでしょうか。

今、KDLが「Hardening Project」を応援する理由をブログでご紹介します。

2022年11月、約3年振りのオフライン開催となった競技会「Hardening 2022 DECADE」が沖縄で行われました。

KDLから競技者として出場した経営戦略本部情報企画の勇美貴洋と、デジタルビジネス本部System Integrationの東田裕靖のインタビューをブログでご紹介しています。競技会当日の様子や参加したことによる学び・反省点、次回出場に向けた意気込みなどを詳細に語ります。