KDL BLOG
※このブログ記事は、2021年7月から12月にかけて観光産業専門メディア「travel vision」に掲載した記事を再編集したものです。
皆様こんにちは!
本掲載では、KDLが南あわじで取り組んでおります農業のデジタル化や観光業(特に飲食店)の混雑の可視化、南あわじが抱える課題や取り組みについてご紹介します。一次産業や地方創生や街づくり、観光業などに興味のある方はぜひご一読ください。
第三回は、生まれも育ちも兵庫県・淡路島、一般社団法人スマートな島ぐらし推進協議会(以下、SIL)の理事を務める眞野 方仁様とKDLの飯塚 友哉が「南あわじの観光と一次産業の融合」について対談を行いました。
南あわじの良さ
KDL飯塚:南あわじまで足を延ばす機会はなかなか無かったのですが、南あわじにも観光スポットがたくさんあるな、というのが新しい印象でした。「うずしおクルーズ」などが有名ですが、見るべきところは多いと感じました。ドライブスポットというか、どこに行っても絵になるなと思いますね。
SIL眞野:そこから先ですよね。一度来て「いい所だったなぁ」で終わってしまうとそれきり。でももう一度来てもらえるようにと思うと人間の手を入れて何らかの企画であったり、開発であったりが必要になってきます。
現代においても南あわじの主産業は一次産業(農業・畜産・水産)であり、淡路島全体では食料自給率100%越えを達成しています。古来より朝廷に食材を献上する「御食国(みけつくに)」としても知られています。豊かな食材に恵まれる環境であり続けられるのは、一次産業が盛んで自然豊かだということの象徴です。その中で、観光という視点にどう繋げていくのかが課題なのです。
その土地で獲れた食材を提供するのが淡路島の魅力を感じていただくのに最適だと思いますが、食に関するカルチャーをどう作っていくかは難しいところです。南あわじのとがっている事業者さんはみんな考えていると思います。有名どころでいうと「淡路島3年とらふぐ」(全国のふぐ生産者からも「身の引き締まりが違う」と評価される淡路島の冬の味)ですね、「淡路島3年とらふぐ」のシーズンには宿泊施設とコラボレーションする企画など様々な展開をされています。また、牛肉・米・たまねぎは全て淡路島産のソウルフード淡路島牛丼もあります。
おすすめの観光名所は?
SIL眞野:夕日のきれいな日本夕陽百選や日本の渚百選に選ばれている「慶野松原海水浴場」では、「サンセットサウンドミュージック」というイベントを2020年より試験的に始めました。
夕日が沈むころに音楽をかけるもので、現在神戸電子専門学校(兵庫県神戸市)とコラボをして、どんな音楽がいいかについても実験中です。兵庫に住んでいる方なら車で来られる距離なので、夕日を見に手軽に行ける淡路島と思っていただけたら嬉しいですね。そういうブランディングもしていきたいと考えています。
淡路島の中でも様々な見解が
SIL眞野:淡路島の中でも淡路市は様々なアイデアを出しながら観光にも力を入れています。洲本市も様々な策を練っています。南あわじには、「うずしおクルーズ」や「うずの丘 大鳴門橋記念館」など人気の観光施設が点在している状態なので、その点を線に、線を面に、という形でそれぞれのいいところを生かした観光名所となれればいいですね。
例えば、限界集落にキャンピング施設や自然豊かな地域資源を活かした施設を作り、施設の運営はそこの住人が助け合って行う、その土地や地域で獲れた食材提供や販売など、キャンパーや都会と違う非日常的な空間として好まれる立地がそろっていると思います。ほかの地域でも、田舎だからこそできる立地を生かした施設やイベントがたくさん増えてきている中なので、都会に近い資源豊かな田舎の南あわじとしても何か進めていきたい気持ちがありますね。同じ淡路島ですが、その中でも様々な特性を生かしてそれぞれに秀でた観光に取り組みたいです。
淡路島の中でも取り組みに違いがあるという観光事業ですが、では淡路島と神戸のKDLの出会いは何だったのでしょうか?というわけで、次回は「KDL×SILの出会いとコラボレーション」について伺います!
関連記事はこちら(全六回)
第一回「南あわじの良さと課題」
https://www.kdl.co.jp/blog/2022/01/kdlsil-01.html
第二回「人手不足を解消するハイブリッド農業と農福連携」
https://www.kdl.co.jp/blog/2022/01/kdlsil-02.html
第三回「南あわじの観光と一次産業の融合」
https://www.kdl.co.jp/blog/2022/01/kdlsil-03.html