今回の記事では、KDLが株式会社TOCCA様とともにご支援する、ロジテムトランスポート株式会社様、日本ロジテム株式会社様の事例をご紹介します。
今、物流業界は、労働力不足やコスト増加など多くの課題に直面していますが、アナログ作業の根強い慣習や初期投資の負担の大きさからデジタルトランスフォーメーション(DX)が進んでいないケースも見られます。ホワイトボードの配車表や転記を必要とする作業など、小さな範囲から段階的にIT化をはじめることで、限られた予算の中でリスクを最小限に抑えて進めることができます。小さな範囲から始めることで、従業員が新しい仕組みに適応しやすく、現場への定着もスムーズに進むというメリットがあります。
輸送サービス、物流センターの設置・運営、物流に関する様々な事業を展開する総合物流企業。1944年の創業以来培った物流のオペレーションシステムやノウハウをもとに、お客様に最適な物流システムを提供。
- 本 社 所 在 地
- 東京都港区
- 従 業 員 数
- 連結3,719名、単体891名
(2025年3月31日現在)
- 事 業 所 数
- 30ヶ所(2025年4月1日現在)
- グループ会社数
- 24社
ロジテムトランスポート株式会社
東日本エリア(関東、東北、上信越、東海)において、主にバルク車(粉状・粒状の貨物を運ぶための専用車両)を用いた輸送サービスを展開。食品原料である小麦粉を中心に安全で効率的な輸送を提供。日本ロジテム株式会社のグループ企業。
- 本 社 所 在 地
- 千葉県千葉市
防犯カメラを起点に、企業の業務効率化や省人化を支援するソリューションを提供。物理セキュリティシステムのコンサルティング、システム開発、ネットワーク工事などを一貫して手がける。
- 本 社 所 在 地
- 大阪府茨木市
CASE ロジテムトランスポート株式会社様
kintoneで配車表をデジタル化
配車表は、運送会社の効率的な運行管理やサービス品質の維持に欠かせないツールです。各車両の運行予定と担当ドライバー、積み込み場所、配送先、荷物の種類と数量、その他の作業指示など、その日の運送計画が一目でわかるよう記載されており、ドライバーは配車表を確認して業務にあたります。
使い方を変えずにデジタル化を実現
ロジテムトランスポート様では、ホワイトボードの配車表を事務所内に設置していました。配車業務(*1)の担当者が毎日、Excelの配車管理表を見て、ホワイトボードにマーカーの色やマグネットを使い分けて手書きで転記し、配車表を見たドライバーは自分のスケジュールを確認したことを、マグネットを使って示していました。
モニターは点呼場に設置
ホワイトボードの配車表は、全体の状況を把握しやすいというメリットがありますが、担当者がExcelからホワイトボードへ転記したり修正したりする手間がかかり、転記ミスや転記漏れは配送トラブルに繋がる可能性があります。また、ホワイトボードは毎日書き換えるため履歴を残すことができません。
そこで、従来の配車管理用Excelをkintoneにインポート(=読み込み)し、必要な情報を任意の形式に自動で加工、事業所内に置いた65インチの大型モニター2台に表示する「配車ボード」システムを構築しました。ホワイトボードの配車表の良さは残し、それまでの使い方を大きく変えることなく、配車表のデジタル化を実現しました。
(*1 配車業務=配送先や荷量に合わせて車両やドライバーを割り当てる業務)
手間を減らしミスを防ぐ
ホワイトボードの配車表(イメージ)
構築したkintoneシステムは、Excelファイルをインポートするだけで事務所内に設置した大型モニターに表示されるため、転記の手間がありません。大型モニターには1日分の運行計画が一覧表示され、例えば、変更があった箇所は背景色を変えて表示、決まった時間に表示を翌日分の運行計画に切り替えることができます。ドライバーが各自のスケジュールを確認する際は、大型モニター横に設置されたタブレットで自分の予定だけを表示した上で「確認」ボタンを押すことで見間違いを防ぎます。
例えばLINEなどの外部サービスと連携して、ドライバーがスマートフォン(スマホ)から配車情報を確認できるようにする、配車情報が変更になった際にドライバーのスマホに通知を送るといった機能拡張も可能です。また、デジタル化したことで配車の実績がデータとして蓄積できるようになり、データを活用した配車業務のさらなる効率化、運行管理とのデータ連携にも使えるようになりました。AIと組み合わせることで、配車実績をもとにした最適な配車案の自動生成や、ドライバーの業務不可・勤務時間を考慮した運行計画の提案なども可能になります。
COMMENT
ロジテムトランスポート株式会社
営業部 次長
今田 賢 様
INTERVIEW
開発・運用保守担当
株式会社神戸デジタル・ラボ
System Integrationチーム
藤原 菜々子
配車ボードの開発はどのように進めましたか。
昨年のはじめにロジテムトランスポート様から、「配車管理用のExcelからホワイトボードへの転記作業をやめたいが、良い方法はないだろうか」とご相談をいただきました。
KDLからは、kintoneを活用する案やExcelを活用する案などいくつかの実現方法をご提案しました。ロジテムトランスポート様では、配車管理のパッケージ製品の導入も検討されていましたが、使いやすさや費用などの観点から、KDLからご提案した、kintoneを活用する案をご採用いただくことになりました。
お客様に要件をお伺いしながら必要な機能や細かい仕様を決め、kintoneを活用した「配車ボード」システムの設計・開発を進めました。約1か月間の運用テストを実施した後、業務での利用を開始していただきました。要件定義開始から納品までの期間は約4か月です。
お打ち合わせは、必要に応じて現地にお伺いしますが、今回の開発ではオンラインミーティングで十分コミュニケーションを取ることができました。
現在、どのようなご支援をしていますか。
65インチ4Kモニターに
表示されている配車情報
お客様がkintoneの配車ボードを運用される中で出てくる疑問やお困りごとなどを解決するお手伝いをしています。
通常のお問い合わせは、オンライン上のタスク管理ツールに登録していただくかたちで、テキストチャットでやり取りしています。お客様からのご質問にお答えする際は、できるだけ専門的な言葉を使わずにご説明したり、テキストの説明だけではわかりづらいかもしれないと思った場合は操作手順を示した画像を添付するなどして、お客様に再度問い合わせいただくことのないよう工夫しています。
ロジテムトランスポート様では、今回のデジタル配車ボードの開発を機にkintoneを導入されましたので、例えばアプリに登録されたデータ(レコード)の編集方法、フィルター機能の設定など、kintone特有の操作方法もあわせてサポートしています。
kintoneを活用した理由は何ですか。
kintoneを活用することで、「配車ボード」と同様のシステムを一から作る場合に比べて約半分の期間で構築できました。kintoneはアプリの試作も容易に行えますので、短期間でも、現場のニーズに応じて試作と改善を重ね、納得のいくシステムに仕上げることができます。
また、パッケージ製品に比べて、お客様の業務に合わせたカスタマイズがしやすく、配車ボードの画面表示も自由に設計することができます。ロジテムトランスポート様の配車ボードは、ホワイトボードの配車表と同じ項目を同じ順番で表示させています。
運用開始後、システムの改修や機能拡張、kintone以外のシステムとの連携がしやすいのもメリットです。
こんなご支援もしています
タブレット1台で
人員配置と掲示を完了
日本ロジテム株式会社様の営業所向けに、オンラインホワイトボードと大型モニターを活用した「人員配置ボード」システムを構築しました。物流拠点の従業員に毎日の担当業務を割り当てる作業から、フロアへの掲示作業までをiPadの画面上で完了することができるようになりました。お客様から、「人員配置や人材管理に関する業務が効率化された」「営業所のどこにいても配置作業ができて便利になった」とのお声をいただいています。
詳しくは下記ページをご覧ください
活用をサポートします
kintoneは、紙やExcelで行っていた業務を簡単にシステム化し、一元管理することが得意なクラウドサービスです。業務アプリを作ったり、チームで共有や連携したり、業務の流れ(ワークフロー)を自動化することも簡単です。
しかし、kintoneにも苦手なことがあります。例えば、「売上伝票を入力するアプリ」に入力したら同じ内容を「月次処理をするアプリ」に自動で反映する、というようなトランザクション処理(相互依存の関係にある複数の処理をまとめて一気に処理すること)は、kintoneの標準機能ではできません。そのほか、決まったフォーマットどおりに帳票を作る、色々な視点から分析する、大量のデータを処理するといった使い方もkintoneだけでは実現が難しい部分です。
株式会社神戸デジタル・ラボ
System Integrationチーム
西田智哉
長年システムインテグレーションを手掛けてきたKDLでは、そういったkintoneだけでは難しい部分を、例えば他の技術を組み合わせることで実現し、お客様の課題を解決することができます。既存の業務システムとkintoneのデータ連携といった複雑なご要望にもお応えすることが可能です。
kintoneを活用したデジタル化・IT化を進めていく中で、お客様が実現したいことがkintoneだけでは難しくなったとき、次の一手をご提供できるのがKDLの強みだと考えています。
お客様のご要望やご状況に応じて、導入から運用までサポートできますので、お気軽にご相談ください。
標的型攻撃に備え、“気づき”を仕掛ける訓練メール
標的型攻撃メール訓練サービス「Selphish(セルフィッシュ)」に
追加された2つの新機能をご紹介!
標的型攻撃メールによる情報漏えいやランサムウェア感染といった被害はあとを絶たず、多くの企業に深刻な影響を与えています。攻撃は年々巧妙化しており、社員一人の油断から組織全体に被害を広げる恐れがあります。それらの脅威に対抗するには、社員全員が適切な危機意識を持つことが不可欠です。
Selphishでは、最新の脅威に対応し被害の拡大を防ぐため、2つの新機能「不審メール報告/報告率レポート機能」 「QRコードフィッシング訓練機能」を追加しました。手口の多様化が進むサイバー攻撃への備えとして、ぜひご注目ください。
新機能01
不審メール報告/報告率レポート機能
御社では、不審メールを受け取った際の報告体制が整備され、社員の皆様に周知されていますでしょうか?
標的型攻撃メールの手口が日々巧妙化する中で、悪意あるメールの開封を完全に防ぐことは難しい時代。いま求められているのは、不審なメールを受信した際にすぐに報告できる仕組みと報告する文化です。
そんなニーズにお応えするのが、「不審メール報告機能」。OutlookやGmailに簡単に導入でき、ボタンひとつでシステム管理者に不審なメールの受信を報告できます。また、「報告率レポート機能」では、 Selphishで実施した訓練メールの報告状況や報告率をグラフで表示することで、訓練の効果や社員のセキュリティ意識を可視化します。
新機能02
QRコードフィッシング訓練機能
決済や受付、Webアクセスなど、様々なシーンで利用されるQRコード。しかし今、それが新たな攻撃の入り口となっています。QRコードから偽サイトへ誘導し、情報を盗んだり、デバイスを乗っ取って金銭を窃取したりするフィッシング攻撃「クイッシング(Quishing)」が増加しています。標的型攻撃メールでもQRコードを含める手口が確認されていますが、認知度が低くリスクの周知が課題とされています。
このリスクに対応するため、QRコード型フィッシングを模した訓練メール機能を新たに追加。実際にスマートフォンで読み取る手口を再現し、社員のセキュリティ意識を高めます。
※QRコードは株式会社デンソーウェーブの登録商標です。
Selphishセルフィッシュ
メールを起点としたサイバー攻撃から組織を守るための、セキュリティ教育とリスク管理を提供する標的型攻撃メール対策サービスです。メール訓練機能では、最新の脅威に基づく訓練テンプレートを多数ご用意。多彩なレポート機能や、日々のメールの脅威に対する管理機能など、メール攻撃によるリスクの分析と予防を包括的に支援します。
Selphish専用サイトはこちらサイバー攻撃の手口は、日々進化し続けています。
Selphishは、そうした脅威の変化に即応できるよう、今後も時代の流れや
お客様の声をもとに、機能のアップデートとサービスの改善を重ねてまいります。
社員一人ひとりの“気づき”を育て、組織全体の守る力を高めるために。Selphishは、
実践的なメール訓練とリスクの分析・管理機能を提供し、
皆様のセキュリティ対策を支え続けます。
小中学生向け次世代リーダー育成プロジェクト
「SoraLead(ソラリード)」始動
KDLと株式会社minsora(福岡県福岡市)は、次世代を担う子どもたちに宇宙を通じた学びの場を提供する共同プロジェクト「SoraLead(ソラリード)」を立ち上げました。
本プロジェクトのコンセプトは、「宇宙を学び、未来を導く次世代リーダーの育成」。未知の世界への関心をきっかけに、変化の激しい社会を生き抜くために必要なリーダーシップや課題解決力を育む教育プログラムやイベントを展開していきます。
SoraLeadの活動第一弾は、2025年夏に阪急うめだ本店で開催される人気イベント「HANKYUこどもカレッジ」での宇宙ワークショップです。夏休みの自由研究にも役立つ、探究心と創造力を引き出す体験プログラムを予定しています。多くのみなさまのご参加をお待ちしています。
グランフロント大阪ナレッジキャピタル
KDL単独ブースの展示を継続中!
2024年末から出展していたグランフロント大阪・ナレッジキャピタル内アクティブラボでの展示がご好評をいただき、2025年5月よりKDL単独ブースとして2階に移設・展示期間を延長することとなりました。
ブースでは、「未来のX(クロス)を共に創る」をテーマに、KDLが携わるさまざまなプロジェクトやサービスをご紹介しています。AIを活用した人流分析や生態観測のほか、宇宙教育プログラムや空間操作アプリ、ペットボトルキャップを“食べる”IoT回収ボックス「デジごん」など、技術と遊び心を組み合わせたユニークな展示がそろっています。
テーマに掲げる「X(クロス)」は、変革や交流、共創、新たな領域への挑戦、そしてその先にある多様な社会の未来を表しています。お近くにお越しの際は、ぜひお気軽にKDLブースへお立ち寄りください!
開発現場ですぐに使える
「セキュア開発チェックリスト」を無償公開
Webシステム開発の現場でご活用いただける「セキュア開発チェックリスト」を無償で公開しました。
KDLでは2017年より、社内の開発者全員を対象に「セキュア開発トレーニング」を実施していますが、「プロジェクト進行中は多忙で都度資料を確認するのは手間がかかる」という声がありました。本チェックリストは、そんな現場の課題を踏まえて、プロジェクトの進行中も参照しやすいように設計・作成したものです。
OWASPのセキュリティ標準や実践ガイドを参考に、KDLが社内外で提供する「セキュア開発トレーニング」の項目を網羅しており、開発現場でのセキュリティ対策の定着を後押しする簡易ツールとしてご活用いただけます。
チェックリストのダウンロードはこちら
kintoneのセキュリティ設定を手軽にチェック!
簡易診断フォームを公開
kintoneの導入・開発支援サービスの一環として、セキュリティ設定状況を簡易的に自己診断できるWebフォームを公開しました。
本フォームでは13項目の質問に答えるだけで、自社kintone環境のセキュリティ設定状況をスコアで確認でき、各設定の目的や重要性とあわせて確認することができます。現状の理解や見直しのきっかけとしてご活用いただけます。
安心・安全にkintoneをご利用いただくために、手軽な自己チェックツールとしてぜひお役立てください。


ホワイトボードへの転記には約2時間かかっていました。配車ボード導入の一番のメリットは、その作業時間が必要なくなったことと、Excelのデータをインポートして投影しているので転記ミスが100%起こらないことです。
モニターは点呼場(*2)に設置しています。ホワイトボードと比較するとモニターに表示される文字は小さいですが、ドライバーは近くで見ることができますし、配車業務の担当者はパソコン画面で見ることができます。手書き文字のように読み取りづらいということもありません。
ドライバーが自分の予定だけを確認できるタブレットの画面はとてもいいですね。ホワイトボードを使っていたときは、ドライバーが出社時間を見間違えることが月1回程度ありましたが、配車ボード導入後はなくなりました。
開発中のKDL様とのやり取りはオンラインが中心で、オンラインには当初不安もありましたが、問い合わせをすると即座にわかりやすく回答してくれましたので、開発は順調に進みました。
配車ボードをスマホから見られると便利では、といった社内の声もありますので、TOCCA様、KDL様と相談しながら、より使いやすい配車ボードにしていきたいと考えています。
*2 点呼場(てんこば):ドライバーが出発前・帰着後に点呼(安全確認や業務連絡)を受けるためのスペース。