須磨海浜水族園で「マゼランペンギン型解説システム」試験運用

須磨海浜水族園で来園者の質問に音声で答える「マゼランペンギン型解説システム」試験運用
AIで質問に自動回答、ログ活用で展示サービス向上を目指す

話しかけているイメージ

Webシステムやアプリの企画・開発を手がける株式会社神戸デジタル・ラボ(兵庫県神戸市中央区、代表取締役:永吉一郎、以下KDL)は、神戸市立須磨海浜水族園(兵庫県神戸市須磨区、以下 須磨海浜水族園)の来園者が発話した質問に対してAIで自動的に回答する、「マゼランペンギン型解説システム」を開発しました。本システムは5月15日より須磨海浜水族園のペンギン館において試験運用を開始します。
「ペンギンの寿命は?」や「どれぐらい泳げるの?」など来場者が話しかけた質問に対して、2羽のマゼランペンギンの形をした解説システム「アレハンドロ」と「アンジェリーナ」が自動的に音声で返答します。

開発の背景

須磨海浜水族園では、来園者が水族に関心を持ち楽しく学んでもらえるような新たな展示を模索しておられます。今回の取り組みは、質問箱を設置したり飼育員が解説するような従来の展示に代わって、来園者が能動的に楽しめる双方向の展示をAIで自動化し、サービス向上につなげる試みです。また、来園者の声をデータで収集することで今後の展示方法やイベントに活かしていくことも狙いのひとつです。

システムの概要

来園者がアレハンドロとアンジェリーナの小屋に近づいて音声で質問をすると、質問に対してどちらかが自動的に回答します。マゼランペンギンの生息地アルゼンチン出身の2羽ですが、オスのアレハンドロは三度の飯よりテキーラが好き、メスのアンジェリーナの特技はアルゼンチンタンゴのステップなど、性格も異なるようキャラクター設定にもこだわりました。

ペンギンについての質問と回答のデータ(左)とアレハンドロとアンジェリーナ(右)
<ペンギンについての質問と回答のデータ(左)と
アレハンドロとアンジェリーナ(右)>

LINEの通知による質問の観測

質問は、2016年から2018年にペンギン館に設置していた質問箱にこれまで寄せられた質問と、飼育員の回答のデータベースを活用。小学生程度を想定した100種類以上の質問に対応しており、ペンギンの生息地や生態などについて真面目で楽しい回答を提供します。センサー技術で小屋が光ったり羽を震わせるような動きを施し、質問を促したり回答を待つ間も楽しめるような仕掛けにもこだわりました。

また、質問のログはチャットアプリ「LINE」の通知機能でリアルタイムに観測でき、手軽にシナリオをアップデートできるよう工夫して、メンテナンス性を高めました。

試験運用概要

「出張!ペンギン小屋~ペンギンの疑問、ペンギンがお答えします」
期間:2019年5月15日(水曜)~6月23日(日曜)まで(予定)
場所:須磨海浜水族園 ペンギン館内

今後の取り組み

この取り組みにより、須磨海浜水族園様とともに双方向型の自動展示システムの可能性や必要な機能について検討を進めてまいります。また、開発したAIシステムは、質問数や精度などをアップデートし、音声以外にもチャットボットやアプリなど別のUXへの展開を検討しています。

本実証実験で収集した質問のデータは、分析することで、従来の紙のアンケートでは見えなかった来園者の展示物に対する疑問やニーズをくみ取り、今後の展示に活用できるよう、支援して参ります。

開発に関する詳細な記事を以下でご紹介しています。

音声自動応答による「双方向の展示」という試み(KDLブログ)

須磨海浜水族園

〒654-0049 兵庫県神戸市須磨区 若宮町1-3-5 電話:078-731-7301/5020
http://www.sumasui.jp

【本件に関するお問い合わせ先】

※取材など随時対応しますので、お気軽にお問い合わせください。

株式会社 神戸デジタル・ラボ 
担当:中西(なかにし)、金谷(かなたに)
TEL :078-327-2280  E-mail :[email protected]

神戸市立須磨海浜水族園
担当: 玉城、棟近、石原
TEL:078-731-7301 FAX:078-733-6333