2020年6月22日 17:39

全社テレワーク下で社内固定電話に確実に対処するまで

緊急事態宣言が解除されましたが、テレワークを継続している企業や、これを機にテレワークの環境を整備していこうとしている企業も多いのではないでしょうか。

KDLでは、4月から約2か月間全社テレワークを実施するに至り、「固定電話にどう対応するか」という問題が浮上しました。今回は、テレワーク時の固定電話への対応の仕組みについて、KDLでどのように対処したかをご紹介します。

全社テレワークの決定

全国的に新型コロナウイルスの感染者が増え続けた4月初旬、「明日にでも緊急事態宣言が発令されるのではないか」という情報が入ってくる中、KDLは4月6日の時点で「国や自治体の方針にかかわらずテレワークに切り替える」ことを決定しました。

KDLでは、2015年にテレワーク制度が施行されてから希望者は自宅勤務できる制度が整っており、台風や地震などの緊急時はテレワークで対処することもあります。しかし、長期にわたり社員全員がテレワークになるのは初めてのこと。

セキュリティ周りや案件への影響確認、連絡手段の整備など、全社テレワークに切り替える準備を進めましたが、「固定電話にどう対応するか」の課題が解決できずにいました。

目指すべき電話対応の状態とは

主にシステムを開発する会社とはいえ、例えば緊急時やメールなどの文章で伝わりにくい場合や、ニュアンスを伝えたい場合などには、電話によるコミュニケーションが有効です。担当者の携帯電話でやり取りする場合も多いですが、会社の固定電話にかかることもよくあります。お客様だけではなく、新規のお問い合わせや協力会社の方から電話をいただくこともあります。

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感染が拡大する中、誰かがリスクを冒して電話番のために出社したり、少ない人数で出社して電話対応だけで一日終わってしまう、ということは避けたい。

そこで、会社に誰もいなくても、会社にかかってきた電話を取りこぼさずに確認できる仕組みを考えました。「どの企業のどなたから電話をいただいたのかを、できるだけ早く特定の人に依存せずに社外から確認できる」、という状態を実現できれば良いわけです。

KDLの固定電話対応

この問題を解決するために、KDLではSOURCENEXT社の、「スマート留守電」というサービスを導入しました。

これは、留守電に入った内容が音声認識でテキスト化され、メールやチャットツールなどに転送できるサービスで、テキストデータだけでなく音声データまで添付して転送できるというものです。適切な速さで話していればほぼ認識され、早口や雑音などで認識が難しい場合も、添付された音声データを確認できます。テキストと音声データが通知されるならば、内容の確認は問題ありません。

しかし、メールを全社に転送しても、誰宛てなのかや、誰が対応するか、などのやりとりで、もしかするとすれ違いができたり、対応に時間がかかってしまうかもしれません。全員が電話の転送メールを開いて確認する、というのも非現実的ですし、業務効率も下がりそうです。

そこで、社内のいろいろな方の知恵と技術力で、誰もが少ない負担で留守番電話を速やかに確認できて、確実に対応できる方法が考案されました。

メールからチャットに転送して通知

メールに転送できるということはメールと連携しているチャットツールに通知できるということです。そこで、内容を部署全員が確認できるチャットツール(KDLではマイクロソフト社の「Teams」を利用しています)に通知する、というようにしてみました。

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着信から対応までは次のような流れです。

  1. 固定電話に着信
  2. 転送設定したスマホに転送
  3. スマート留守電で応答し、メッセージのテキストと音声データをクラウドに保存
  4. テキストと音声データをメールを介してチャットツールに送信
  5. チャットツールがテキスト化されたメッセージと音声データを自動通知
  6. 通知に気付いた人が声かけ
  7. 担当者が対応表明

通知のおかげでメールよりもリアルタイムに確認できます。またメッセージに誰宛てかが記録されていれば、気付いた人がイチ早く対応担当者にメンションしたり、「私から折り返します」というような対応表明も手軽です。

通知内容から誰が担当か推定する

しかし、メッセージが「ご担当の方からの折り返しをお願いします」という内容だったり、誰宛てかがわからない場合は、当事者でない限り担当を特定して声をかけることができません。気づくのが遅れ、対応が遅れてしまうという問題が出てきました。

そこで、エンジニアのアイデアで、「通知内容で誰宛てかを推定する」という機能が実装されました。
かかってきた電話番号から、KDLで利用している名刺管理サービス(KDLでは「Sansan」を利用しています)に登録されている名刺データ(顧客データ)に合致する電話番号が登録されていないかを探し、登録されていればその電話番号の持ち主の会社名とお名前、そしてその方と名刺交換したKDL社員の名前を抽出しています。

チャット上のやりとりはこんな感じです。

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このおかげで、通知に気付いた人が名前が挙がっている社員をメンションして連絡するなど、声をかけ合うようになりました。「自動投稿だとメンションできないのが惜しい」という方もいますが、実は私は、気づいた人が担当に声をかけて受け取って、というアナログの電話の取り次ぎをチャットで再現している感じがすごく好きです。離れていても一緒に仕事をしている一体感を感じますよね。

ITの真価は成果にある

可能な限りテレワークが推奨された緊急事態宣言を機に、世界的にITを活用する動きが高まっています。今回の固定電話への対応もそのひとつです。今回の件は、最近報道でよく目にするAIやIoTなどのいわゆる「最新技術」を取り入れたものではありませんが、様々な便利なサービスや機能の提供がある中で、よいものを選択して活用し、課題を速やかに且つミニマムに解決できたことが大変印象的でした。

ITは手段であり、システム開発そのものに価値があるわけではありません。課題を解決するために高度で新しい技術が必要なことはもちろんあるし、技術があればできることも広がります。しかしそれが本来の目的を達成しなければ、どんなに高度な技術でも価値を生み出しません。

ITならば解決できること、自動化できることが世の中にはたくさんあります。今回の、電話番号を名刺管理データに照合して自動で担当者を推定する、というものも、セールス担当が着信した電話番号をSansanで検索しており、エンジニアが「それ自動でできるのでは」という流れでした。このようなちょっとしたことでも、自動化で大幅に効率が上がるということを実感しました。

新型コロナウイルスで就業スタイルが大きく変化する中、私たち自身も環境に適応しつつ、お客様の変化への対応を支援していければと考えています。

松丸

筆者:松丸恵子

カスタマーサクセス

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