KDL BLOG
チャットボットの仕組みとは?導入前に検討すべきことは?
LINEやWebサイト、アプリなどで近年なじみ深くなってきたチャットボット。人が文章を入力するとロボットが理解して答えを返すようなUXは、ちょっとAIぽい感じがしますね。ユーザーの利便性に加えてデータが取得できるというメリットもあって、問い合わせも増えてまいりました。今回は、その仕組みとチャットボットを導入する前に検討するべきことについて解説します。
チャットボットとは
「対話(chat)」と「ロボット(bot)」を組み合わせた言葉で、自動的に会話をするプログラムのことです。一般的にはチャットアプリのようなインターフェースで、ユーザーの質問や発話に自動的に答えを返すようなシステムの総称を指します。
例えば近年では、飛行機のチケットを取るチャットボットなど、ある目的をチャットボットで実現できるようなサービスも増えてきました。
例えば、チケットを探したい→「探したいチケットの情報を教えてください」→2月1日に出発、2月10日に戻ってくるニューヨーク発シアトル行きのチケット→「チケットの候補はこちらです。」のようなイメージです。このように、何か要望に合わせて答えを返すような茶とボットは近年よく見かけるのではないでしょうか。
チャットボットの仕組み
チャットボットは、文章を「理解して」自動的に答えてくれる、AIとも言われています。実際に、自然言語と呼ばれる言葉を理解する(ように見える)ところでAI(自然言語処理)の技術を使っています。
では、この「理解する」とはどういうことなのでしょうか?
チャットボットでは、何を求めているのか(意図)とそれを解釈するためのキーワード(要素)によって、ユーザーの話す内容を総合的に理解しています。例えば「チケットを探したい」という内容の場合は、次のようになります。
- 意図(インテント) ・・・探したい
- 要素(エンティティ)・・・チケット
これの2つを取得したことで、チケットの検索処理をする、と解釈します。
次の「2月1日に出発、2月10日に戻ってくるニューヨーク発シアトル行きのチケット」という内容では、要素だけが入っています。
この文章を分解して、「日付」」「出発地点」「到着地点」「必要枚数」の要素がわかれば、あとはプログラムで抽出してチケットの検索処理ができます。
つまり、チャットボットはすべてがAIとして動いてるわけではなく、「文脈を理解して単語を意図と要素に分類する」という部分の対話エンジンがAIと呼ばれる動きをし、「回答に必要なものを抽出する」部分はプログラムで処理しているのです。
チャットボットを導入したいというご依頼でお話を伺うと、ときどき「チャットボットの回答を勝手にAIが作ってくれるんですよね?」と言われることがありますが、そうではありません。プログラムで抽出したものをUIに組み込んでいるため、回答するためのデータ(質問とその回答に必要なデータベース)が必要です。
チャットボット導入の前に検討すべきこと
チャットボットを導入する際に検討すべきことがあります。これから導入を検討されている方は、一度確認してみてください。
目的(何をさせたいのか)
チャットボットの目的を明確にします。例えば、チケットを案内する、施設を案内する、乗り換えを案内するなど、最終的にチャットボットに何をさせたいのか?を明確にする必要があります。特にビジネス目的では、最終的な業務効率化や新たなサービスの目標設定をするのが大切です。
元になるデータ
仕組みの解説で述べたとおり、回答を導き出すためのデータベースが必要です。これを持っているかどうか、なければ新たに作ることができるかどうかを検討します。例えばFAQのデータや、予約のようにしたいことに沿って絞り込んでいくようなデータがあれば再利用しやすいでしょう。
動作するデバイス
どのデバイス上で動かすかを決めます。スマホアプリやブラウザ、スマートスピーカー、デジタルサイネージ、ロボットなど様々な種類があります。例えば、施設内だけで利用する前提で、誰でもすぐ使えるようにするならサイネージ型、遠隔から多くの人に利用していただくならスマホアプリやブラウザ、というように、ユーザーの利用シーンや目的に応じて検討します。
キャラクター設定
人と自然に対話をしている雰囲気づくりのために、キャラクター設定は重要です。見た目、動き、話し方、性別、声色など、ユーザーの利用シーンや企業ブランディングに合わせたキャラクターを設定します。キャラクターのデザインは、開発時にご相談いただくことも可能です。
まとめ
「なんとなく流行っているから」「回答してくれるのが楽そうだから」というお問合せも多くいただきますが、まずはお問合せ前には上記のうち、特に「目的」と「データ」をご検討いただくとスムーズです。導入をご検討の方は一度ご確認ください。
次回はチャットボットのシナリオのメンテナンスについてご紹介します。
KDLでは、ブラウザやアプリ、サイネージなど様々なシーンに対応するチャットボットの開発を承っています。これから導入をご検討の方、ご相談お待ちしています!
監修:堅田 陽介
デジタルビジネス本部 エンジニア
筆者:松丸恵子
広報室