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「関西IoTビジネス共創ラボ」オンライン勉強会レポート

先日、KDLが関西の錚々たる企業様とともに「関西IoTビジネス共創ラボ」を設立したことを発表しましたが、その第1回目の勉強会が11月6日にオンラインで開催されました。

今回は、「関西IoTビジネス共創ラボ」にご興味を持ってくださっている方、勉強会やセミナーに参加してみたいと思っておられる方向けに、先日の勉強会の様子をご紹介します。

「関西IoTビジネス共創ラボ」とは?

「関西IoTビジネス共創ラボ」の詳細はこちらに掲載していますが、簡単に言うと、地元企業の連携や協創を促進し、地域課題の解決や企業価値の創造に繋げていきましょう、というものです。
具体的には、勉強会やセミナーを通じて参加企業のマッチングの場を提供したり、IoT技術者を育成するなど西日本エリアのIoTの普及に幅広く貢献していく、という活動です。

関西IoTビジネス共創ラボ

設立発表会および第1回勉強会

100名以上の申し込みがあり、11月6日、大阪・心斎橋の「Azure Base」を拠点に設立発表会および第1回勉強会がオンラインで開催されました。

冒頭では、東京エレクトロンデバイスの西脇様とKDLの柏原さんが、挨拶と設立の目的や決意を改めて表明されました。

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東京エレクトロンデバイス西脇様(左)とKDL柏原さん(右)

このあと、幹事企業から5名の方々が登壇され、IoTの事例やIoTに関連する自社製品、サービスをご紹介されました。ここからは、どのような発表があったのかをご紹介します。

運動の環境に関する実証実験事例

トップバッターは、アシックス様とKDLの「IT/IoT技術を活用した市民のスポーツ、運動実施環境実現の実証実験」と題した発表でした。

この実証実験は、ウェアラブルデバイスを用いて、運動中の身体や周辺環境のデータを取得し、ユーザーの健康維持や成果の向上につなげていく可能性をはかるものです。スポーツや運動の状況や経過を、デバイスを通じてチームで共有する、という仕組みの構築に、アシックス様とKDLが共同で取り組んでいます。

発表では、アシックス様より実験の背景や仕組みと実証実験の内容を、KDLより実証実験のポイントや詳細なシステム構成などをご紹介いたしました。実証実験の内容はこちらのブログでもご紹介しています。

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実験も興味深いものですが、コロナ禍前から実施している実験のため、個人的にはコロナによる需要の変化などリアルタイムな話は非常に面白く聞かせていただきました。

製造業の生産ラインの監視

旭光電機様からは、「生産ラインの監視サービスとデバイス紹介」と題して、製造工場における生産ラインでのIoT活用事例と同社のサービスについてご紹介がありました。旭光電機様はもともとは電装品やセンサを製造されていましたが、IoTが活用されると可視化されたデータに価値がシフトしていくため、可視化サービスとそれに必要なデバイスを包括して提供されているというものです。

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「先にやりたいサービスがあってこそのデバイス」という顧客のビジネス目線の考え方には感銘を受けました。自社工場で使った事例は現場に即していて、製造現場の皆様にもイメージしやすい内容だったのではないかと思います。

カバー範囲を広げるために、今後共創メンバーと連携していきたい、というコミュニティに対する期待も表明いただきました。

HTML5が簡単・便利・使いやすいを実現

産業向けの 組み込み用コンピュータを開発するコンテック様からは、「HTML5を活用したIoTシステムの事例」と題して、同社のM2Mコントローラやゲートウェイ、クラウドサービス、IoTEdgeコントローラなどの製品を使った事例が紹介されました。

大規模で複雑、というようなイメージが先行しているIoTですが、「簡単・便利・使いやすい」をコンセプトに現場における手軽さ、使いやすさを重要視したサービス展開をされているとのこと。デバイスやプラットフォームを選ばないHTML5の良さはたしかに手軽でハードルが低そうです。HTML5なので、アンドンモニタなどを始めとする工場のデータをどこからでも確認できるのはメリットが大きいですね。

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質問パネルでは、商品の価格帯や導入時のお客様の様子に関してなど、多くの質問が寄せられていました。

最新のAzure IoT Edge モジュール

最後は、日本マイクロソフト様より、「最新のAzure IoT Edge モジュール のご紹介~ Azure SQL Edge と Live Video Analytics ~」と題して、Azureを拡張したアプリケーションが揃うAzure Marketplaceから、IoT向けの新しいソリューションのご紹介がありました。

日本マイクロソフト様の発表では、まずAzure SQL Edgeのデータベースの機械学習機能などについてご紹介がありました。データをもとに生産数を予測するなどの予測モデルに加え、例えば稼働を正常化するための推奨事項を推定するなど、原因と対策がわかる機能が紹介されました。

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ビデオ分析向けのLiveVideoAnalyticsでは、 例えば製造ラインをビデオで分析し、ハンダ付けの失敗を見分けるなど、映像分析によって製品の 外観検査を自動化するような機能や、コロナ禍で注目されている人の数や人と人の距離を判別する「空間分析」機能が動画で分かりやすく紹介されました。

「関西IoTビジネス共創ラボ」今後の活動

今後も、「関西IoTビジネス共創ラボ」では勉強会やセミナーなどを定期的に開催し、情報交換、企業同士の交流の場の提供など活動して参ります。開催はconnpassによる告知やKDLのSNSなどでも発信して参ります。

IoTは、多業種がともに連携し、専門分野を集結して活用していくことが価値創造への近道です。様々な事例や製品を知り、人脈を作り、関西でIoTを盛り上げていきたいと考えています。関西でIoTに興味がある皆様、今後の開催にご注目いただき、ぜひご参加をご検討ください。

松丸

筆者:松丸恵子

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