KDL BLOG

地方創生とDX

こんにちは。
エンゲージメントリードのUI/UXデザイナーの近藤です。

私は現在、兵庫県・淡路島に住んでおり、テレワークを基本に月に数回本社へ出社する形で働いています。 また、KDL入社前から個人で携わっている仕事があり、現在は副業として続けています。最近ではそれを活かして、島内で受注できる仕事を増やすための活動を行っています。 そんなこともあり、地方創生について考える機会が増えたので、デジタル・トランスフォーメーション(DX)を絡めて書いてみようと思います。

地方創生とは

そもそも地方創生とは何でしょうか?

地方創生とは、少子高齢化の進展に的確に対応し、人口の減少に歯止めをかけるとともに、東京圏への人口の過度の集中を是正し、それぞれの地域で住みよい環境を確保して、将来にわたって活力ある日本社会を維持していくことを目指すもの、とされています。

北陸財務局
https://lfb.mof.go.jp/hokuriku/soumu/pagehokurikuhp013000091.html

コロナ禍では一極集中を避けるため、住み良い場所へ移住する方も増加しました。それに伴う働き方の多様性も一気に進んだように感じられます。
特に地方創生といえば徳島県神山町が有名ですので、ご紹介します。

徳島県神山町の事例

10年ほど前にSansan社が初めてサテライトオフィスを置いたのを皮切りに、ITベンチャーが次々と拠点を置きました。町の良さを活かすことで根付く人が増え、限界集落だった神山町は地方創生のモデルとして、メディアでも取り上げられるようになりました。

企業が地方に拠点を置くことで人口が増え、経済的に潤うように見えますが、単に働く場所を地方に移すだけでは変わりません。そこに根付き、その地方ならではの宝を引き継げるよう、持続する仕組みづくりを整えていくことがとても重要なのです。神山町はその成功事例となっています。

地方創生といえば徳島県神山町が有名です。神山町のIT基盤整備が、地方創生につながった第一歩であり、地方創生とDXはつながっていると感じた事例でした。

淡路島の場合

淡路島は、神戸から車で1時間とかからない距離にあるため、近年では移住者も多く、人気の移住地となっているようです。 ただ、移住しその地域に根付くために必要な「しごと」を得ることは難しいのが現状です。就農を希望する移住者も多いのですが、いきなり専業では食べていくことが難しいとよく聞きます。

そこで、農家と兼業しやすい仕事として着目されているのが、IT関連のお仕事です。実際に、ゲーム開発者の方が就農目的で移住され、農業とゲーム開発を兼業しています。

同じく移住者で、若手就農者で作られている農業協同組合を取りまとめ、早くからスマート農業のようなIT技術を取り入れた農業を進めている方もいます。その方は、農業につきものの余剰時間を利用して、地域の子どもたちにロボットプログラミングを教えることで地域との交流を深め、新たな試みとして、webページ制作を受注することで業態を広げることを考えているようです。 

実は、その新たな試みに、私はレクチャーをする立場で携わらせていただきました。太陽が明るいうちは農業をこなし、日が沈んでからはweb制作をする意欲の高さに驚きつつ、彼らの農業にとどまらないアンテナの張り方には良い刺激をいただきました。 

作業の合間に、農村保全についてのお話を伺うこともあり、淡路島にとっては切り離せないため池や草地の管理、害獣被害の軽減など、さまざまな問題をIT技術で対応しようとされていると知りました。淡路島でのITに関する可能性が広がるのを感じ、この地域に暮らす一人として、共に解決できることを模索していきたいと思いました。 

草地の管理については、私自身が草地を管理することがあるのでより身近です。近隣に影響を及ぼすことなので、梅雨〜秋の初めまでは何回も草刈りを行なうことが必須で、「草地管理さえきっちりこなしていれば地元の方々に認められる」という噂があるくらい重要なことなのです。お掃除ロボットのような草刈りロボットがあるのですが、高価なので手が出せないのが実情だと思います。草地管理は、共に解決していく方法を模索したいことの一つです。

寄り添い、協働すること

このように、地方に寄り添い、より良い方向性を共に考え、方法を模索し協働するという部分は、KDLが推進しているデジタル・コラボレーション(DC)に通じていると感じる部分です。

また、自分が実際に関わっている淡路島での活動は、関わることによって今まで遠くからしか見えていなかった景色がぐっと身近に変わることから、具体的に考え、創造しやすくなるものだと感じています。そのような体験は今後の生き方の選択にも深く関わってくるのではないでしょうか。

a-kondo.png

筆者:近藤彩子

エンゲージメントリード UI/UX Designer