KDL BLOG
新事業創造係の中西が、神戸市のルワンダ視察に再び同行して参りました。昨年の10月の訪問から1年2ヶ月、ルワンダの雷被害を軽減するために進めている、雷観測リストバンド(雷センサ付きデバイス)の展開が少し進みそうです。
ルワンダは東アフリカの中央部に位置する小さな国です。12月9日(土)、ルワンダに向けて出発、ドバイを経由して12月10日にキガリ国際空港に到着しました。
雷観測リストバンドを市長に直々プレゼン
一日目、神戸市役所職員と民間企業関係者計12名でキガリ市役所で市長のニャムリンダ氏を表敬訪問し、市長に直々に、雷観測リストバンドを売り込み、意見交換させていただきました。
リストバンドによる新しいプロジェクト構想をプレゼンし、市長より「雷はルワンダでは社会問題なので素晴らしいプロジェクトだ」、と非常に興味を持っていただきました。話を持ち込んでみたらどうか、と防災機関と気象庁を紹介してくださることになりました。ちなみに、もともと予定していたわけではなく急に中西に振っていただいたそうで、「緊張で変な汗が出た」とのこと。
ちなみに、渦中の観測リストバンドはこちらです。
コーヒーの街神戸にも輸出されているフイエコーヒー農園
2日目は、訪問の団体から外れて中西は単独行動。地元のガイドの方のご紹介で、フイエ(Huye)のコーヒー農園を訪れました。
キガリ市から車で2時間半、標高2000メートル前後にあるその場所は、知る人ぞ知るルワンダ産の一流コーヒー「フイエ・マウンテン・コーヒー」の産地です。神戸が誇るコーヒーメーカー、UCC上島珈琲株式会社様ともパートナーシップを組んで、農園の方が神戸を何度も訪れておられるというので驚きです。
農園内を案内していただきました。
恵まれた土壌で、よい豆を選定して丁寧に栽培されていました。
良質なコーヒー豆を育てるには、非常に細かい管理が必要だそうです。もちろん、日本のお野菜やお米などもそうなのですが、ここでは想像以上に様々な管理が人の感覚と人の手で行われていました。例えば、上の写真の奥のほうに背の高い木が見えますが、ところどころに木を植えて、日照時間を調整しているそうです。畑の植え込みの土壌を覆うマルチシートの役割として、きびの一種を乾燥させて敷き詰めています。
収穫後はプールのような場所で実を水につけて浮き沈みでよい豆を選定し、実と種を分離させたあとに発酵させて、種の周りのゼリー状の部分を剥がすそうです。発酵の温度管理や度合いの確認も、人の経験にもとづいて手作業行われるとのこと。
丁寧さに驚き感動した一方で、IT企業としては、ITを活用してもっと楽に高品質を担保できる方法に思いを巡らせてしまいます。例えば、土壌の水分量や肥料、日照時間をデータ化して管理したり、葉っぱの画像をAIを使って病気を判定するなどが実現すれば、高品質な商品を効率的に生産できるのではないかな・・などなど。
テイスティング体験をさせていただきました。フイエコーヒーでは、このようにコーヒーの味、品質の鑑定も行われているそうです。
「ものすごく香りたかいコーヒーでした!」と中西。味もある程度数値化はできるのだろうと思いますが、やっぱり口当たりや香り、味などの繊細な感覚は、人の感覚にまさるものはないように思います。好みもありますしね。人工知能やIoTなど流行りはありますが、人の感覚でしかできないところ、ITなら早く確実に自動でできるところで上手に使い分けて活用していくことが大事なのではないでしょうか(広報の個人的な意見です)。
キガリ市のスマートシティ構想
2日目の夜、キガリ市は急速に都市整備計画が進められている美しい街です。一日目に訪れた商工会議所では、キガリ市のスマートシティ構想で計画されている信号機や街灯を統括して制御するシステムについて、なんと開発や実証実験に関する相談を受けました。まさか初っ端からそんな大きな話が・・。昨年の訪問がこんな話につながろうとは思いもしませんでした。
後半では、雷観測リストバンドのワークショップ開催の様子と、善は急げ!と雷観測リストバンドを売り込みに実際に訪れた気象庁で、『めっちゃおもろいから所長がいる明日にもう一度来てくれ』と言われたなど、さまざまなエピソードをご紹介します!
後半はこちら
ルワンダ訪問後編:ワークショップと気象庁訪問