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LINE API Expertがオススメする「Azure LUIS」とは?チャットボットを始めよう
こんにちは。LINE API Expertの金谷です。
KDLではこれまで福祉施設や水族館などでチャットボットの導入・運用を支援してきました。チャットボットを実現するための自然言語処理サービスは各社から出ていますが、今回は個人的にお気に入りで、チャットボットのプロトタイプ開発にオススメなAzure LUISをご紹介します。

そもそもAzure LUISとは?
Language Understanding (LUIS) は、Microsoftが提供する自然言語処理(文章のインテントやエンティティの抽出)を行うためのAzure Cognitive Servicesの言語カテゴリーのAPIです。
何ができるかを簡単にご紹介します。まずインテント(意図)は、ユーザーの発話を区分したカテゴリーで、エンティティ(商品名や数量といった情報)は、ユーザーの発話から取得される情報です。インテント内で事前に定義しておいたキーワードにカテゴリー分けされます。
例えば、マスクを注文できるチャットボットがあった場合、ユーザーから「マスクを1箱注文して」や「返金してください」と入力があります。事前に注文と返金のためのインテントとエンティティを定義しておくと、このようなユーザーのリクエストから抽出されるインテントとエンティティは、次のような形が考えられます。

このようなLUISが抽出したインテントとエンティティに応じて、ユーザーに適切なレスポンスを返すことで、チャットボットを実現することができます。
ここからは、チャットボットのプロトタイプ開発においてAzure LUISをオススメする理由をご紹介していきます。
オススメする理由:その1
まず1つ目の理由は、ノンコーディングでもAPI経由でも対話モデルを作成できる点です。
LUIS Portalからインテントの作成やサンプル発話の入力、エンティティを登録することで、ノンコーディングで対話モデルの作成が可能です。

もちろんAPI経由での対話モデル作成もできるため、自前で対話シナリオの管理画面を作成する場合でも対応できます。LUIS Portalで作成した対話モデルは、そのままLUIS Portalのテスト機能を使って動作確認できるので、スピーディな対話モデルの作成 → 確認が可能です。

オススメする理由:その2
2つ目の理由は、ワンクリックでエンドポイントURLが発行される点です。LUIS Portalに用意されている公開ボタン(Publish)をクリックするだけで、HTTPSでアクセス可能なエンドポイントURLが発行されます。

ユーザーからの入力データをこのエンドポイントに送信すると、LUISが抽出したインテントとエンティティを手に入れることができます。

今年の3月、神戸の水族館でチャットボット機能付きのLINE公式アカウントを開設させていただいたのですが、Azure LUISを使うことで、LINE公式アカウントへのチャットボット機能をスピーディに追加できました。
水族館でのLINE活用については以前のブログ( 水族館でLINEを活用してみた!〜Azureサーバーレスでバックエンドを構築編〜 )をご覧ください。
オススメする理由:その3
最後は、無料で使い始めることができる点です。月間1万トランザクションまで無料で利用できるので、社内での動作確認や個人開発など、試しに使ってみたいシーンで手軽に利用できます。

価格について、詳しくは公式サイトをご覧ください。
これらの取り回しのしやすさからチャットボットのプロトタイプ開発において、Azure LUISをオススメしています。
実は、Microsoftが提供するAzure Cognitive Servicesの言語カテゴリーのAPIの中には、LUISの他に、QnA Makerも存在しています。
最後におまけとして、このQnA MakerとLUISの使い分けをご紹介します。
おまけ:LUISとQnA Makerの使い分け
LUISとQnA Makerの使い分けですが、インテントとエンティティに基づいてテキストを処理したい場合は、LUISを使用します。一方、特定の静的なテキストの回答を検索する場合は、QnA Makerを使用すると良いようです。

例えば、時間帯によってチャットボットの反応(=インテントの処理方法)を変えたい場合は、LUISを使うと良いでしょう。
KDLでは昨年、兵庫県神戸市の福祉施設『しあわせの村』にデジタルサイネージ型の施設案内チャットボットを導入させていただいたのですが、そのときもAzure LUISを採用しました。
この施設案内チャットボットは、画面タッチや音声による操作、テキストと音声による案内のほか、「馬に乗りたい」「レストランは何時まで?」など対話形式による操作ができます。そのため、視覚障碍や身体障碍をお持ちの方は音声操作で、聴覚障碍をお持ちの方は文字や地図で筆談なしで情報を取得できる、アクセシブルな施設案内チャットボットとなっています。

障がい者、高齢者にも配慮したサイネージ型AIチャットボットを開発
KDLでは、利用シーンや目的、アウトプットに応じて、最適なハードウェアとAzure LUISの構成でチャットボット活用をご提案させていただくことが可能です。プロトタイプ開発や実証実験などもお気軽にご相談ください。