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マーケティングの基礎を改めて理解しよう Vol.2
こんにちは。エンゲージメントリードチームの岡(Business Strategist)です。
自社サービスをどのようにして強くし、求めている人に届けるのか?自社サービスの拡販を手掛けている方の多くが悩まれていると思います。もちろん私もその一人です。
このブログは以下のことでお悩みの方向けです。
・自社サービスをもっと売れるようにしたい
・新しいサービスを考えようとしている
・自社サービスの販促に関して何から手を付けていいかわからない
少しでも自社サービス拡販に悩むみなさまのお役に立てるよう、知識の整理や情報の提供をしていけたらと思います。
前回のVol.1ではマーケティングの定義やその変遷について見ていきました。
(前回の記事はこちら) 今回はマーケティング活動を実際に進めていくに当たり考える必要のある「マーケティング・マネジメントプロセス」について触れてみたいと思います。
マーケティング・マネジメントプロセス
マーケティング・マネジメントプロセスとは、アメリカの経営学者、フィリップ・コトラーが提唱した、マーケティング活動を効果的かつ安定的に行うための進め方の枠組みのことです。マーケティング・マネジメントプロセスは、以下の図のとおり、「マーケティング環境分析」「マーケティング目標設定」「ターゲットマーケティング・市場細分化」「マーケティングミックスの開発と実行」のフローで進めます。
今回は、マーケティングに着手する上で最初に実施する「マーケティング環境分析」と「マーケティング目標設定」について解説します。

マーケティング環境分析
マーケティング環境分析とはマーケティングリサーチとも呼ばれ、自社や自社サービスが置かれている状況を外部環境と内部環境(経営資源)に分けて分析し、自社への影響をはかるものです。外部環境は主にマクロ的外部環境とミクロ的外部環境に分かれています。
主な環境指標として下記があります。
- マクロ的外部環境
- 経済的環境(国内総生産、経済成長率、景気動向等)
- 人口動態的環境(出生率、人口規模、世帯構成等)
- 社会文化的環境(文化、国籍、就航、地域等)
- 技術的環境(情報技術、加工技術等)
- 政治、法律的環境(政府機関の意思決定、規制等)
- 自然的環境(天然資源、自然環境等)
これらは総合して「PEST(政治:Politics、経済:Economy、社会:Society、技術:Technology)分析」とも呼ばれています。
また、ミクロ的な分析視点の例が下記のとおりです。
- ミクロ的外部環境
- 消費者
- 競争企業、競争構造
- 利害関係集団(供給業者、仲介業者、金融関係、マスコミ等)
- 産業状況(産業規模や魅力度、供給構造、流通構造等)
マクロ的外部環境が、自社とは無関係で統制が不可能な要因であるのに対し、ミクロ的外部環境は自社の周辺環境であり、統制が可能な場合があります。
内部環境は主に自社に関する環境で、統制が可能な場合が多いです。主に次のような経営資源を分析します。
- 内部資源
- 人的資源(経営陣、研究開発社、営業担当、エンジニア等)
- 財務資源(収益能力、経営の安定性、資金調達、キャッシュフロー等)
- 物的資源(物理的な保有資源)
- その他資源(各種ノウハウ、技術力、社風、ブランド、特許の知的財産等)
これらを効率よく分析できるフレームワークが「SWOT分析」です。
SWOT分析は内部資源の強み(Strength)、弱み(Weakness)、外部資源の機会(Opportunity)、脅威(Threat)の頭文字を取っており、上記の指標を意識しつつ分析していきます。

分析対象は様々です。例えば新規サービスであることもありますし、自社の事業や、自社そのものを分析することもあります。新たな視点に基づいて新たな事実が見つかるのもフレームワークの利点です。ぜひ一度、ご自身の関わる事業について簡単に分析してみて下さい。
マーケティング目標設定
目標がないとマネジメントはできません。市場設定やターゲティングは正しかったのか、マーケティングミックスは正しく機能しているのか。それを図るために目標を設定します。市場に出すサービスによって設定する目標値は異なりますが、どの分野でも共通して設定したほうが良い指標は次のとおりです。
- 売上目標
- 目標の中で最も普遍で、最も重要な指標です。
- 利益額、利益目標
- 売り上げだけではサービスを永続させることは出来ません。サービスの提供にかかる様々なコストを差し引いた利益額も重要な指標になります。利益を詳細に分析するために、売上高利益率、資本利益率(ROI)などさらなる詳細な指標を設定することもあります。
- 市場占有率(マーケットシェア)目標
- 次項で設定する市場における自社サービスの売上高が占める割合になります。市場占有率はターゲット市場の成熟度合いや成長速度、さらには自社サービスの強さによっても取れる戦略や設定目標が変わってきます。
- 企業・製品イメージ目標
- 認知度や好感度など。数値化しづらい目標ではありますが、サービスの方向性を決めるためには重要な目標となります。
次回以降の予告
「ターゲットマーケティング・市場細分化」「マーケティングミックスの開発と実行」は、次回以降の記事で詳しく解説しますが、少しだけご紹介します。
ターゲットマーケティング・市場細分化は、主に次の視点で検討を進めるのが良いとされています。
- 市場細分化
- 市場ターゲティング
- 市場ポジショニング
マーケティングミックスの開発と実行は、主に次の4軸で検討を行います。
- Product(製品)
- Price(価格)
- Place(チャネル)
- Promotion(プロモーション)
最後に
マーケティングの基本は「誰に、何を、どのように」です。そこに対して様々なフレームワークを駆使しながらアイディアを出し、更に世の中にある2次データなどと掛け合わせて判断・実行していきます。
とは言え、どの段階でどのフレームワークが有効なのか、どういったデータをどこから持ってくればいいのか?このあたりはなかなか判断が難しいですよね。手前味噌ではありますが、そういった皆様のために神戸デジタル・ラボのご提供するデジタル・コラボレーションサービスがあります。お時間ありましたら特集記事だけでもご覧になって下さい。
次回は、マーケティングプロセスの中から「ターゲットマーケティング・市場細分化」を詳しく見ていきたいと思います。

筆者:岡 龍弘
エンゲージメントリード Business Strategist