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DXに必要な「ユーザ視点」を実現するには

エンゲージメントリードのCX/UXデザイナーの岩崎です。

前回はデザイン思考がなぜ今必要か?というお話をさせていただきました。
詳しくはこちら(「デザイン思考、今なぜ必要なのでしょうか?」)

今回は、DX プロジェクトをより成功に導くためには、「ユーザ視点」を徹底するデザイン思考が大きな力になる!というお話です。

今更ですが「DX(デジタルトランスフォーメーション)」は、以下のようなイメージです。

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デジタル化ははじめの一歩ではありますが、単に今までにない新技術を導入し、効率化するだけでは「DXとしてできることがすべて終わった」とはいえないということです。常識が覆るような革新的変化も必要です。そのためには何が必要なのでしょうか?

技術の前に「ユーザが真に求めているものは何か?」がある

当然のお話かもしれませんが「ユーザや顧客が求めるものでなくてはいけない」という大前提があります。

革新的なデジタル技術を用いたソリューションを生み出したとしましょう。しかし、ユーザがそのソリューションを使った体験を通して、「これは革新的だ!ぜひほしい!」と感じなければ価値がありません。

では、ユーザが今何を求めているのかを知るにはどうしたらいいのでしょうか? ここで、先日お話ししたデザイン思考を使うといいですよ!というわけです。

デザイン思考が実践する「ユーザ視点」の考え方

なぜ、デザイン思考を用いることがいいのかは、デザイン思考のフレームワークでは、ユーザの課題に寄り添うために、徹底的に共感の部分を深掘り(アンケート、インタビュー、行動観察などなど)するからです。無意識下の行動や想いなどに起因した、潜在的な課題も把握できます。

意識してユーザの情報収集をしているつもりでも、いつのまにか勝手な前提条件を設けて、コミュニケーションに臨んでしまっていることはよくあります。(普通はこう思うだろう、こうなるだろう、のようなイメージです)

デザイン思考は、徹底的にユーザ視点で共感すること(その人になりきるくらい!)で、そういった自分個人が作り出す勝手な前提条件を取り払い、大きな気づきを得られることが多いです。

アジャイル開発と親和性が高いデザイン思考

DXの現場でよく聞く開発手法の「アジャイル開発」。機能単位で計画、設計、実装、テストを小さいサイクルで行っていく開発手法ですが、このアジャイル開発においても、デザイン思考は力を発揮します。

(1)観察や対話などを通し、ユーザに徹底的に共感し、課題を発見する
(2)発見した課題からアイディアを生み出す
(3)アジャイルでプロトタイプ開発とユーザ検証を行う

なぜなら、上記のようにアジャイル開発の中でデザイン思考のフレームワークを用いて、1~3を何度も繰り返し行うことで、何度もユーザの視点に立ち戻り、ユーザが求めるビジネスを創り出すことができるからです

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スピーディに反復的にユーザ視点で開発を行うことで、ユーザの求める本質的ゴールに近づいていくことができます。

ぜひ、「デザイン思考」でユーザに徹底的に共感し、革新的なサービスを世の中に生み出す取り組みを一緒に進めてみませんか?

執筆:岩崎 紀子

デジタルビジネス本部 Engagement Lead