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アート思考(Art thinking)って何?
エンゲージメントリードの那須です。
先日、岩崎さんがブログで「デザイン思考」について記載していましたが、今回は、「アート思考」についてご紹介したいと思います。
「アート思考(Art thinking)」という言葉を聞いたことはありますか?
アーティスト(芸術家)が持つ創造性に着目し、アーティストがアートを生み出す過程で用いる特有の認知的活動を指す言葉だそうです。創造性とは、持って生まれた特別な資質ではなく、日常における習慣から生み出されるものとされています。
ただ、現時点ではアート思考という言葉自体はブームになりつつあるものの、まだ明確な定義やプロセスがありません。今回のブログでは、私なりの解釈も踏まえながら、アート思考についてご紹介します。
アート思考ことはじめ
「アート」と聞くと、絵画や音楽、演劇など、芸術的な作品を思い浮かべる方が多いと思いますが、現在注目を集めている「アート思考」は普段の生活やビジネスにおける思考プロセスです。
では、なぜ「アート思考」が必要なのでしょうか?
その理由は、現実は論理では片付かないことが多いためです。
正解がないことに対しては、正解を出そうとするのではなく、自分の新しい発想を浮かべ、想いをしっかりと言語化することが大切になるのです。
何かの事実に対し、自分はどう思うのか?感想を思い浮かべ、さらにそこから自分はなぜそう思うのか?と、より深く掘り下げていくことで真理に近づいていきます。
アート思考では、この過程で、自分がどう思っているのかに焦点を当てることが大切とされています。
自分なりの発想
例えば、私には小学生の息子がいます。毎日ゲームばかりしていて、「なんだか良くないな」と思いますが、これはただの感想です。
ここで「どこからそう思うのか?」「なぜ良くないと思うのか?」という問いを立ててみましょう。
「ゲームばかりで良くない」と思う原因を考えてみます。その原因が分かると、なんとなく「ダメだ」と思っていたこともダメではなくなるかもしれません。そこまで深く考えることがアート思考です。
考え方によっては、実は息子はゲームを通じてデジタルデバイスとの関係性や操作性、コミュニケーションなど、リアルワールドにはない新しいツールとルールに馴染んでいるとも考えられます。
ここで身に付くリテラシーは、今後必須となるスキルであることは間違いありませんが、学校などでは学ぶ機会は少ないでしょう。
実際、自分が子どもの頃はレゴや漫画にハマっていました。その日常における習慣の中でオリジナルな要素や表現の工夫を学び、それをプラスしていくことで今の創造性が生まれている気がします。
- どこからそう思うのか
- なぜそう思うのか
- どうしたら解決するのか
常識に屈しない自分なりの発想から、上記をしっかりと言語化することで、他の考え方とは違った視点が得られ、ビジネスシーンなどにも活用することができると考えます。
まとめ
VUCAと言われるご時世、テクノロジーは加速度的に変化しています。これからも、現在の非常識が常識になるような飛躍的な生活変容はどんどん起きていくでしょう。
「アーティスト(芸術家)の思考法を取り入れること」で、自己を探求し、社会への見方や意見、新たな価値を表現する「アート思考」。
偏見や既成概念をなくして、まずは好奇心をもって目の前のことに視線を向けてみましょう。子どもの好奇心を持てば、それがきっと未来へのヒントにつながります。
執筆:那須 智
デジタルビジネス本部 Engagement Lead