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社員研修でAI活用!kintone x AIで理解度チェックテストを作ってみた

新入社員研修や技術研修、営業研修、リーダーシップ研修など、様々な社員研修を社内で実施される企業様は多いのではないでしょうか。私たち神戸デジタル・ラボ(KDL)も、新入社員研修や個人情報保護の定期教育、セキュア開発トレーニング、プロジェクトマネジメント研修などの研修・教育を社内で実施しています。

社内研修の準備は、なかなか手間がかかるものです。特に自社特有の内容を含む場合、資料やチェックテストなどもオリジナルの内容が必要になり、作成に苦労されるご担当者もいらっしゃるようです。

今回は、社内の情報をもとにAIを活用して理解度チェックテストの設問を生成し、サイボウズ社が提供するkintone上でテストを実施/受講するまでの仕組みを作ってみました。

題材にしたのは、プロジェクトマネジメント研修。KDLでは、社員がはじめてプロジェクトマネージャー(PM)を担当する前に、プロジェクトの進め方や独自の管理手法である「プロジェクト実行管理標準」に関する研修を実施しています。

全体構成

kintoneのアプリは、出題者側がテストを作成するための「テスト作成アプリ」と、受講者側が回答するための「回答アプリ」の2つで構成します。
出題者がkintone上でAIを使ってテストを作成して保存し、回答者は回答アプリからテストを受講するというものです。

AIにテストの元になる資料やドキュメントを学習させる

AIでチェックテストを作るには、元となる資料やドキュメントなどの情報が必要です。KDLではkintoneに情報を集約しているのでkintoneの対象範囲をAIに提供します。 今回は、Azure OpenAI Serviceにデータをアップロードします。モデルをテストの生成に最適化するため、調整します。

プロンプトを作成

プロンプトは以下の内容で作成してみました。{ }の内容はkintone上から入力する想定です。回答に対する解説も出力できるようにしました。

あなたは理解度チェックテストの出題者です。
{研修名}の理解度を評価するため、以下のカテゴリーごとに{簡単/標準/難しい}な難易度の4択問題を2問ずつ作成してください。
{問題カテゴリ1}
{問題カテゴリ2}
{問題カテゴリ3}
出力はjson形式で、以下の情報を含むオブジェクトにしてください。

category:問題のカテゴリー名
qestion:問題文
options:A~Dの選択肢を含むオブジェクト(キーは”A”、”B”、”C”、”D”とする )
answer:正解の選択肢(”A”~”D”のいずれか)
explanation:解説

生成できるか検証

チェックテストが生成できるか検証してみました。

いい感じです。あとは生成された設問をkintoneに連携してレコードに出力し、回答の正否が判定できればOK。

kintoneに組み込んでみた

出題者がテスト作成アプリでテストを作成し、テストマスタアプリから回答者がテストを取得して回答するまでの一連の流れをご紹介します。

テスト作成アプリ

出題者はテスト作成アプリを開いて、研修名、難易度、カテゴリを入力して保存します。

テスト作成アプリで研修名、難易度、カテゴリが入力されている画面

テストマスタアプリに、テストが1問につき1レコードずつ自動で作成されます。

テストマスタアプリにテストができた画面

回答アプリ

回答者は、レコードを追加するボタンから自分の回答レコードを作成します。
「研修名」と「カテゴリー」の「取得」ボタンを押して、テストマスタに作成されたテストを取得します。

回答アプリから対象のテストを取得する画面

テスト問題が取得できました。

テスト問題が取得できた画面

「解答」欄に入力して保存すると、すぐに結果が表示されます。

回答した画面

プロセスを「提出する」にセットすれば提出完了。

出題者は、受講者のテスト結果はちろん、各設問ごとの正答率を見ることができるため、再受講の対象者を決定したり、理解度が低い部分をフォローアップ研修で補うなど、さらなる理解度アップに繋げられます。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

今回は研修の理解度チェックテストとしての活用を例にしましたが、そのほかにも、最新のセキュリティ脅威に関するテストを定期的に実施して社員のセキュリティ意識を高めたり、法改正のたびに改正部分に関するテストを実施して変更点の周知を図るなど、様々な活用が考えられます。
kintoneと連携すれば、テストの配布、回答、集計を一元管理でき、テスト結果を自動集計して分析することも簡単です。何よりも、AIが設問を作成してくれるので、継続的な学習も楽々。回答の入力や編集、閲覧権限も細かく設定できることも魅力です。

AIはkintoneなどの多くの情報が保存されたプラットフォームと相性がよく、様々な活用が期待できます。AIの活用がなかなか進まないというご相談もよくお寄せいただきますが、まずは身近なところから活用してみませんか?

KDLではAIやkintoneの活用に関するご相談を受け付けています。お気軽にご連絡ください。

神戸デジタル・ラボは、kintoneを提供するサイボウズ社のオフィシャルパートナーです。

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