事例紹介

業務整理から勝ちパターンの視覚化を企画、実装から運用までを支援

ELLESHOPイメージ
株式会社ハースト婦人画報社
メディア運営、Eコマース、ブランドマーケティング支援、コンテンツ制作など

ハースト婦人画報社様のEC事業の主力であるオンライン・セレクトショップ「ELLE SHOP(エル・ショップ)」の業務整理、および業務の進捗や貢献度を示す帳票の出力システムの開発を担当させていただきました。

お客様は「ELLE SHOP」の運営において、商品の選定と商談から、発注・入荷、ささげ、販売や販促などを、カテゴリやアイテムに応じて分業化し、各担当で培ったノウハウで長年運営されています。ノウハウを集結して成長し続けてきた一方、属人化により個々人の作業が見えにくく、業務負荷の偏りや人材の育成、全体最適の実施等に課題がありました。

今後の事業拡大を見据え、業務における勝ちパターンの視覚化のための業務整理をご依頼いただきました。

支援のプロセス

全体の把握~詳細の把握

まずは、業務全体の概要を知るために管理職の方にヒアリングを実施しました。業務を事業区分、業務区分、業務項目の3段階層に分類し、大きな流れを整理しました。

その後、業務の作業を詳細に確認するため、作業項目単位で現場担当者へのヒアリングを実施。事前に作成したヒアリングシートをお送りし、業務の手順と負荷のレベルを細かくヒアリングしました。計12回のヒアリングを経て、全体のフローと各業務の位置づけ、業務ごとの詳細な流れを業務フロー図に落とし込んで視覚化しました。

全体の進め方の図。ステップ1、全体把握、ステップ2、詳細把握、ステップ3、課題確認、ステップ4、標準化

KPIの策定

今回の業務整理では、業務を可視化して標準化したいという目的に加え、事業への貢献度という考え方も標準化して、スタッフの頑張りを公平に評価したいというお客様の思いがありました。また、個人に負荷が集中することのないように、業務の負荷を正しく理解したいというご要望もありました。

そこで、整理した業務から、売上利益への影響が大きい業務、業務負荷の高い業務などを洗い出し、行った業務を評価ポイントに変換する方法を策定。「売上にどれだけ貢献したか」だけではなく、「業務への取り組み姿勢」なども指標として数値化できる仕組みを考案しました。

またその仕組みを活かし、日々の業務や現在の状況を数値で把握し、数値をもとにボトルネックを見つけたり、各担当が目標を明確にして従事できるような帳票システムをご提案しました。

帳票システムの開発

業務整理の結果を受け、全11種類の帳票出力システムの実装と運用開始までのサポートをご依頼いただきました。KPIの帳票という性質上、現場で利用する上で様々な意見や要望が出ることが想定されたため、開発にあたっては現場の意見を吸い上げながら約2週間のイテレーションで1種類ずつ実装する進め方をご提案。まずは目的に沿って大まかに作ったものを開発して現場でご利用いただき、フィードバックを通じて完成・リリースしていくという、アジャイル方式を採用しました。

お客様の声
堀中 朋之様、吉田 聡様
B2C事業本部 マーチャンダイジング部

業務整理においては、ファッション業界の専門的な商習慣や用語を迅速に理解いただき、各セクションの業務内容を抜け目なく整理していただきました。また、帳票システムの開発では、当社のBIツールの仕組みをすぐにマスターいただき、スムーズに帳票システムの開発を進めることができました。一緒に話し合いながら作り上げていくため、問題点や質問が都度共有・解決でき、認識の齟齬も少なく円滑にプロジェクトを進行できたと思います。

今回作成した帳票は、前年との比較や前週からの変化などを重点的に確認しています。必要なデータが網羅されているため、以前に比べて分析にかかる時間が大幅に短縮されています。短時間で全体感を掴むことができ、注力ポイントを明確にすることに役立っています。また、各人の行動記録や販促活動の頻度など、実績以外の売上貢献度を数値で評価できるようになりました。

ファッション業界ではDX対応が遅れています。当社はEC事業を展開していますので、業界の中ではデータの活用が出来ている方ですが、これからも進化が必要だと考えています。経験や感性に頼りがちなMD分野においても、データ活用を推進していきます。