KDL BLOG
【前回までのあらすじ】
『社員のコミュニケーションを促進するものを』というテーマを掲げ、開幕したハッカソン。
しかし、アイデアソンの段階で既に難航し始めていた。序盤の遅れを取り戻そうと、開発を急ぐ新入社員たち。
そして、迫り来る発表の日。
果たして、ハッカソンを良い形で締め括ることはできるのか――
発表当日
新入社員の藤原です。
ハッカソン5日目。最終日です。
企画して開発してそれで終わり、ではありません。成果物の見せ方もまた、極めて重要です。概要だけでなく、ストーリーや今後の展望等も織り交ぜ、コミュニケーションアプリの有用性をアピールしなくてはなりません。
いよいよ成果発表の時。
具体例、機能の紹介、今後実装予定の機能のほか、実演も交え、作り込みが足りなかった分を補うつもりでプレゼン内容に情報を盛り込みました。新入社員一同、商品を売り込む気持ちで臨みましたが……
発表を終えて
スムーズな説明と実演が、如何に難しいかを痛感した成果発表でした。発表を終えた後、沢山のご指摘をいただきました。
- 特定の層だけでなく、ユーザ全体に継続して使ってもらう工夫が見えない。
- 発表の中で話しているメリットについて、誰にとってのメリットなのかを明確にできていない。
- どういうシチュエーションでどのように使うものかが見えてこない。
見せ方にも多くの課題が残ったハッカソンは、不完全燃焼のまま幕を閉じました。
<発表資料の一例>
開発を進めるうちに、段々と『コミュニケーションを円滑にする』という本来の目的から離れていっていたことを、全員が感じていたと思います。
完成を急いだために削った機能の中には、サービスの目的を実現するために必要だった要素もありました。
それらの要素は、本来優先して実装すべきものであり、肝心な部分を後回しにしてしまった以上、使用される場面やメリットが明確にならないのは当然のことです。
発表の際、本来最もアピールすべきだった機能については、最後に今後の展望として駆け足気味に触れたのみでした。
常に目的に立ち返らなければ、相手にアピールすべきポイントも明確にできないということを、発表の段階でも改めて認識しました。
ハッカソン閉幕
“「(ハッカソンが終わったとき)解放されたとまず感じた」ある新入社員はこう語った。(ハッカソン後インタビューより)”
ハッカソンという最大の試練を終えた新入社員一同。後悔と少しの安堵が入り混じった空気が漂います。
時折菓子をつまみつつ、4人の反省会が始まりました。
「期間内に技術的に出来る範囲を考えすぎて、構想の段階で小さくまとまってしまった」
「実際のユーザ側の考えを取り入れるためのアクションを起こすべきだった」
「序盤のアイデアソンで時間を費やしすぎたのが痛かった」
日頃から周りに意識を向けていないから、アイデアソンで難航する。タスクの見積もりが出来ていない。スケジューリングが出来ていない。だから時間に追われる。
そのほか、やりたくても出来なかったこと、思い至らず行動に移せなかったこと……反省点を挙げれば枚挙に暇がありません。
しかし同時に、「次またハッカソンをやるならば」という具体的なイメージを思い描いていました。
これまでの研修で身につけてきたはずのスキルを発揮できず、悔いの残ったハッカソンではありました。それぞれの役割を全うし、チームとして開発することの難しさを、身を以て知った一週間でした。
新入社員研修最後の一週間は、これまでの研修を振り返りながら、配属に向けた準備を行いました。
そして配属へ……
2か月の研修を経て、新入社員はそれぞれ別の部署・チームに配属されます。
私は、セキュリティ事業部に配属後、Webアプリケーションの脆弱性診断を練習しています。
研修期間中は、技術面の学習にも長い時間を割いてきましたが、その内容だけでは理解できない部分も少なくありません。しかし、疑問や問題を解決するためのスキルもまた、研修を通して身につけてきたものです。
黙々と調べたり、試行錯誤したりすることも大事ですが、業務となると、ある程度時間を区切って取り組み、現状を報告したり、アドバイスを求めるような場面も必ず出てきます。
話し方や聴き方など、ビジネスにおける基本的な能力は、こうした場面でも当然必要となってきます。まだ配属後間もないですが、研修で築いてきた基盤の重要性を実感しています。