KDL BLOG
カスタマーサクセスの松丸です。
ブログやオウンドメディアを発信する企業が増えてきました。KDLでもブログを立ち上げて3年になりました。最初はネタを探したりアクセスを増やすのに苦戦していましたが、ノウハウ系の記事も積極的に発信し始めてから、検索流入も増え始めました。
今回は、記事の書き方に悩んでいる方向けに、私が普段どのような流れで書いて記事を書いているか、そして読みやすい文章を書くコツをご紹介します。
コンテンツマーケティングにすごく力入れてます!という方向けではなく、どちらかというと「文章ってどうやって書くんですか?」という方向けの話です。コンテンツマーケしたいです!という方はこちらのブログをご覧いただくか、ぜひ当社のWeb最適化支援サービスにご相談くださいませ。
書き始めから公開までの流れ
ブログ記事(特にノウハウ系)を書こうと思ってから公開するまでの流れは次のとおりです。いきなり書き始めるのではなく、最初に全体像をふわっと決めておく感じですね。
- ブログ記事のネタを決める
- 読み手が知りたいこととこちらが伝えたいことを整理する
- 全体の構成を考える
- タイトルと文章を書く
- 校正する
- 画像を準備する
ここからは、この各手順をどのように進めているのかを具体的にご紹介します。
ブログ記事のネタを決める
私の場合は、成果につながったことや工夫されていることなどを、意識的に見つけるようにしています。例えば、社内勉強会の運営のノウハウ記事は検索流入の多い人気記事ですが、運営の様子を見ていてノウハウがたくさんあると感じたことがきっかけでした。テレワーク時の電話対応のノウハウブログは、社内で工夫して運用されているものを見て、記事にしています。
誰かの役に立ちそう、同じ悩みを持っている人がいそう、ということを視点に考えるとよいと思います。自社のPRにつながることはもちろんですが、まずは自分が興味を持ったこと、自分なら読みたいかや「これは面白いから伝えたい!」という自分の感性を大事にしています。
広報全般のネタの探し方はこちらも参考にどうぞ。
読み手が知りたいこととこちらが伝えたいことを決める
ネタが決まったら、読み手、読み手が知りたいこと、自分が伝えたいことを簡単に整理します。これは書く内容の軸を決めるためです。例えばテレワーク時の電話対応のノウハウに関する記事なら、こんな感じです。
- 読み手:テレワークで固定電話の対応に困っている企業担当者
- 読み手が知りたいこと:テレワークの電話対応に対処する方法
- 伝えたいこと:テレワーク時の電話対応を、大きなコストをかけることなくITで解決した方法、「DX」は大きなシステム導入や最新技術だけではないということ
これらはあとで変えてもいいマイルールにしています。書くうちに考察が深掘りされてもっとよくなったり、逆に書きづらくて変えたくなることがあるためです。
全体の構成を考える
全体の構成とは、先に決めた知りたいことと伝えたいことを書くための、大まかな見出し構成です。先ほどの電話対応に関する記事の場合は、最初にざくっとこのような構成を考えました。
- 電話対応はビジネスで必須(顧客対応/新規相談)
- 数名出社して電話対応しても大混乱
- KDLではこんな風にしました
- 仕組みだけじゃなくみんなで声かけ合うのも大事
- まとめ
文章を書くのが苦手な方は、いきなり冒頭から書き始めようとして思考停止してしまう、という方が多いようです。全体像が決まらないまま書き始めると、順序がバラバラになってしまったり、伝えたいことがぶれてしまったり、情報が分散してしまいがちです。上記の程度でいいので、全体の流れを整理しておくと書き出しやすいと思います。
タイトルと文章を書く
全体構成を見ながら仮タイトルを考えます。この時点では仮ですが、私の場合はタイトルがないと締まらない気がして、一旦タイトルを仮決めしています。ほとんど最後の校正時に直してしまうのですが(笑)
ここまでできたら本文を書き始めます。ここでは自分が本文を書くときに気を付けているポイントやコツをご紹介します。
わかりやすい/読みやすい文章のコツ
書き出しは記事で紹介することの概要を
ノウハウ系の記事の書き出しでは、「〇〇についてご紹介します」のように、数行でこの記事で何を紹介するかを簡潔に書くようにしています。なぜなら、読み手が冒頭を読んで、ご自身が読むべき記事かどうかを判断していただくためです。
冒頭で何が書かれているかわからないと、その情報を求めている人が気が付かないかもしれません。あるいは、時間をかけて読み進めてから期待した情報と異なった、となる可能性もあります。こんな情報を紹介しますよ、と事前に書くことで、求める方に読んでいただけることを意識しています。この記事の冒頭でも内容を紹介するとともに、「コンテンツマーケの話ではない」と伝えているのもそのためです。
また、「〇〇なことはありませんか?」のような、共感の文章入れる場合もあります。これも、共感をした方に読んでいただきたいためです。
文章は書き出しに苦しむ方もいらっしゃると思いますが、この形式に決めてしまったことであまり悩まなくて済んでいます。
早めに本題に入る
前置きや問いかけはあまり多すぎず、早めに本題にはいることにしています。特にノウハウ系の記事の場合は、ピンポイントに知りたい人が読んでいるため、前置きが長すぎると離脱につながります。実際に閲覧状況をヒートマップで見ると、前置きが長いと読み進める方が減ったり、見出しへのリンクがある場合は前置きをすっ飛ばして本題に行く方も多いようです。
私も同じくせっかちなほうなので、前置きはすっ飛ばして知りたいところだけ読むため、好き嫌いの問題もあるかもしれませんが(笑)
森を書いてから木を書く
読みやすくするポイントは、森を書いてから森の中の木を書くこと。つまり段落などブロックごとに、「全体像(もしくは結論)を伝える」→「理由や細かい説明を書く」という順で書くことです。なぜなら、全体像を先に掴んでいただくと、詳細を説明したときにイメージしてもらいやすいからです。
野球を知らない人にいきなりストライクゾーンの話をしても意味がわかりません。野球とは何か?から伝えますよね。カメラワークを想像してみてください。全体の写真からだんだんズームしていくと、細かいものも何かわかりやすいですが、突然ズーム画像から見ても、それが何かはすぐにわからないことがあります。
森から木、という順番を意識するだけで、文章はぐっと読みやすくなります。
イメージしやすい例えを入れる
文章中で何かを説明するとき、読み手がイメージできるように身近な例えを入れるようにしています。脆弱性診断の仕方のように技術的な内容を伝えるならば、泥棒に例えたり野球に例えたりすることで、まったく異なる業界の方にも少しイメージしていただけると思います。
また、「例えばこんな場合は~」とか、「〇〇のようなシーンならば~」のように具体的な例えやシーンを書くと、読み手がイメージできて伝わりやすくなります。「伝わる」とは、こちらのイメージと相手のイメージが一致することです。できるだけ、読み手みんなが同じイメージを描いていただけるような例えを意識してみてください。
校正する
私はこの最後の校正を一番大事にしています。繰り返し読んで、すっと頭に入るかどうか、表現がわかりにくくないかをチェックします。書いているときは気づいていない「読みづらさ」も、読み手になったとたんにシビアに気づくものです。
ご紹介した4つのポイントを中心に、想像しづらそうなところは先ほどの「例えば~」を追加したり、文章の順番を変えたり、最初の構成順を変えることもあります。誤字脱字、表記の揺らぎもこの時に一緒に確認します。
特に意識しているのは、「削る」ことです。文章は、冗長な表現や無くても問題ない情報は積極的に削って、必要な情報に絞り込んだ方が、内容が濃く伝わりやすくなります。SEO的には文章量はある程度あったほうがいい、ということは言われていますが、不要な情報を無理に追加するくらいならば、短く収めるほうが読み手には伝わりやすいと考えています。とにかく無駄な部分は削る。削って整理していくと、追加すべき内容も自然と見えてきます。
最後にタイトルを見直します。ターゲットに向けて、何が書かれているのか伝わりやすいシンプルなタイトルを意識しています。
画像を準備する
画像を準備します。図があったほうがイメージしやすい箇所と、字が続く場合に一息入れる箇所を決めて、画像を作ったり探したりしています。
フリー素材にもお世話になっていますが、普段から記事にするかもという気持ちで、先回りして写真を撮るなどしておくといろいろ素材としても使えますよ!
ライティングとはサービスである
私は、ライティングは読み手に向けたひとつのサービスだと考えています。サービス設計において「顧客中心主義」という言葉を近年よく耳にしますが、記事ひとつとっても、徹底的に読み手の感情や読み手の背景事情を想像しながら、「読み手中心主義」で書くことが、読みやすさや満足感のある文章につながります。伝えたいことが、読み手が知りたいこととは限りません。貴重な時間をかけて読んでくださる方に、「読んでよかった」「いい情報を得た」と思っていただきたい。そう考えていると、自然と読みやすい文章力は鍛えられてくると思います。
コロナの影響で、Webコンテンツの拡充に力を入れはじめる企業様が多いと聞きました。「オウンドメディアをやれ!」といわれて、困っているご担当者もおられるのではないでしょうか。体制も十分でない中で記事を発信していくのはなかなか骨が折れることです。
この記事が、どなたかのご参考になっていれば幸いです。
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筆者:松丸恵子
カスタマーサクセス