KDL BLOG

UX/UIデザイナーの日常的ワークフロー

こんにちは、エンゲージメントリードのUX/UIデザイナー吉田です。
ブログを書くと言う大役を仰せつかったのですが、普段から文章をしたためる機会もあまりなく、 正直下ごしらえがないので、私が普段やっている仕事の紹介をしてみようと思います。

UX/UIデザイナーの日常的なワークフローについて

KDLはエンジニアの方が多く在籍しているのですが、私の様なデザイナーも数名おり、私は主にUX/UIデザイン部分でデジタル・コラボレーション(DC)案件のお手伝いをさせていただいております。

担当する案件は、クライアント様の業界もご依頼内容も多種多様で、案件ごとに知識の共有や、想定されるユーザへの共感などが必要になります。

知識に関しては、クライアント様からヒアリングさせていただいたものに加えて、資料・文献をリサーチするなどの方法で得ています。しかし、後者の「共感」については、実際に調査、観察したユーザの動きを行動パターンごとに分解・分類し、ユーザの視点になり一連の流れをイメージしながらレイアウトを決め、ワイヤーフレーム(以下、WF)などのプロトタイプに落とし込みます。

この時、第一に念頭に置いておくのは”その目的”です。

ワイヤーフレーム作成
WF作成

ユーザは何を行い、どのような結果を望むのか。

またその途中過程のアクションにおいても流れを確認し、大まかな導線などに”あたり”をつけます。

基本姿勢としてはストレスフリーな導線を心がけているのですが、注意を要するポイントには動作にあえて少しハードルを設けるなどの工夫を加え、人間本来の性質に応じた効果的なフローを検討します。

お打ち合わせやご依頼の段階で、クライアント様の目指すゴールはあらかじめ決められていることが多いのですが、導線においてもその意図が反映されたものでなければ、そのプロセスに違和感が生じます。
(もちろんいい意味での違和感を持たせることもあるのですが、ここで言う違和感は目的達成にとって良くない結果をもたらすものを指します)

その意図に沿っているのかどうか、振り返り、時には引き返ししながら試行錯誤を重ねます。

レイアウトによる導線
レイアウトによる導線

WFを用いてディスカッション

こうして一旦試作したWFを社内レビューにかけ、それを元に社内でディスカッションする時間をいただいています。こちらからデザインの意図を伝え、複数の視点からフィードバックをもらい再検討を行います。

その後にお客様へお披露目となります。しかしまだここでもWFは完成ではありません。ここから更にお客様からもフィードバックをいただきながら、ディスカッションします。

WFなどのプロトタイプを踏まえてのディスカッションは、お客さまもイメージがしやすくなり、これまで見えてこなかったものが顕在化することも多々あります。そしてさらにモックアップやプロトタイプへと画面をブラッシュアップしていきます。

全体の印象をどの様にするかのお話をさせていただき、色や形、全体のバランスなど、ご希望があれば伺い、無い場合はその目的や用途などに合わせてこちらでセレクトし、ご提案させていただきます。

中でもカラーリングはUIにとって大切な要素の一つです。印象だけではなく、使い方によってはゴールまでユーザをガイドすることが可能なのです。

写真のキャプション
カラーリング

UIを最適にするためのユーザ理解

ここまでにユーザへの共感に添った画面作りについて書かせていただきましたが、デザイナーの作業内容についてちょっぴり踏み込んだ部分もご紹介します。

どんなデザイナーもユーザに共感し、最適なUIを提供することを望んでいるかと思いますが、時折ユーザに響いていないサービスを見かけることがあります。なぜそのサービスはユーザに響かなかったのでしょうか?

この問いに対して回答をするにあたり、以下の様な状況をイメージしてみてください。

“お腹が空いたというAさんに、おにぎりを作ってあげました。ただAさんはおにぎりがあまり好きではなく、実はパンが大好物なのです。しかし最近小麦アレルギーを発症した為、米粉パンしか食べられなかったのです。”

おにぎりはその場において自分自身ではいいチョイスだと考えていましたが、いろいろな条件を新たに知ることによって、ユーザの要望であるパン、ユーザが置かれた状況にとってより良さそうな米粉パン、と最適な選択は変容します。

ユーザを理解する上で、ユーザが言語化したニーズを拾うことも大事なのですが、ユーザの想いだけでなく、置かれている状況やその性質を熟知し、提供するプロダクトのパフォーマンスを上げるべく、全体を俯瞰する視点や「微に入り細を穿つ」解像度を持つように心がけています。

次回またお話しする機会がありましたら、KDLではどのようにユーザへのアプローチを行っているのか、過去の案件の例などを挙げご紹介させていただこうと思います。

吉田さおり

執筆:吉田さおり

デジタルビジネス本部 エンゲージメントリード