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日本におけるDXの定義について
デジタルビジネス本部 エンゲージメントリード Collaboration Salesの元野です。
デジタルトランスフォーメーション(DX)という言葉は、2004年にスウェーデンのウメオ大学教授であるエリック・ストルターマン氏が提唱したとされる「ITの浸透が、人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させる」という概念です。
日本でDXという言葉はビジネス用語で使われることが多いですが、こう考えてみるとビジネスだけの言葉ではないのですね。今回は日本においてのDXの定義について触れようと思います。
DXの定義
2022年8月現在、DXという言葉を耳にしない日はない程、世の中にDXという言葉があふれています。このブログでもDXについて様々な記事を公開してきました。
皆さんは、ご自身がお持ちのDXという言葉のイメージと、日本で使われているDXという言葉にギャップを感じたことはありませんでしょうか。
経済産業省はDXの定義を以下のように定めています。
「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土 を変革し、競争上の優位性を確立すること」
出典:経済産業省「D X 推進指標(サマリー) 」
DXの段階
また、経済産業省はDXの構造について3つの段階に分けて定義しています。
画像出典:経済産業省「D X レポート 2 中間取りまとめ」
- DX第1段階(デジタイゼーション/Digitization )
アナログ・物理データのデジタルデータ化
例:ペーパレス化、オンライン会議等 - DX第2段階(デジタライゼーション/Digitalization )
個別の業務・製造プロセスのデジタル化
上記DX1段階に、デジタルの特性で可能となる新たな機能を付加
例:IoT・ロボット活用(RPA含む)による業務のオンライン化 - DX第3段階(デジタルトランスフォーメーション/Digital Transformation)
組織横断/全体の業務・製造プロセスのデジタル化、 “顧客起点の価値創出”の ための事業やビジネスモデルの変革
ひとつめのデジタイゼーション(Digitization)は単なるデジタル化なのですが、それをDXの1段階目と定義しています。
DXと聞くと、2段階目、3段階目をイメージしている方も多いかもしれませんが、経済産業省のDXの定義では、デジタル化を1段階目とすることで、DXのハードルを低めに定義しています。
テレビCMやWeb広告で「DX」という言葉をよく見かけるのはこのためと考えられます。
自社にあったDXに挑戦する
いきなりDX3段階目までたどり着くのは大変です。
最初からDX3段階目のビジネスモデルの変革までできる企業はほとんどありません。しかしDX1段階目のデジタル化であれば、今までDXに着手できていなかった企業も着手しやすいですね。
また、製造業ではIoTをはじめとしたDX2段階目デジタライゼーションに着手している企業が増えてきました。
いきなり「ビジネスの変革」と意気込むのではなく、まずはDX1段階目、2段階目から着手し、自社にあったDXの進め方にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
筆者:元野雅仁
デジタルビジネス本部
エンゲージメントリード
Collaboration Sales