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CX向上にはドキュメント類の整備・見直しも重要

カスタマーサクセスの松丸です。

私は、主に文章を書く機会が多いです。小説などではなく、ソフトウェアマニュアルやブログ、事例の解説、ノウハウ記事など、KDLでは実用的な文章を書く機会が多い方だと思います。実は、文章を書くことはカスタマーサクセスの重要な仕事のひとつで、ドキュメントの整備はCX(カスタマーエクスぺリエンス)向上にも大事な役割を担っています。

今回は、CX向上になぜドキュメントの整備が重要なのか、その理由を解説します。

なぜマニュアルやブログ、事例解説などのドキュメント類がカスタマーサクセスの分野に入るのでしょうか?

なぜ顧客は問い合わせずに離脱したのか

プロダクトやサービスにおいて「理由がわからないまま顧客が離脱(解約)してしまう」という課題はよく聞きます。聞いてみると「使い方がわからなかった」といわれることがあります。問い合わせ先はあるのに、使い方を問い合わせずに離脱してしまったのです。

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では、なぜ顧客は問い合わせをせずに離脱したのでしょうか?

プロダクトの使い方がわからない、というのは大きなストレスです。「初めて使うときにガイドが出る」「UIがわかりやすく簡単に使える」「使い方をポップアップでレコメンドしてくれる」など利用体験が優れているプロダクトが増えた今、「使い方がわからない」というだけで、人は不満を感じるようになっています。

ご自身がアプリやソフトウェアを使うときのことを想像してみてください。ある機能の使い方がわからず「不明点はお問合せください」と記載されているとき、すぐに問い合わせをされるでしょうか?

人にもよるとは思いますが、私は問い合わせには高いハードルを感じます。
「こんなことで問い合わせをしていいのだろうか?」と思うこともありますし、「問い合わせるのが面倒」と思うこともあります。なんなら「問い合わせしなくてはいけないくらいなら諦めよう」と思うこともあります。自分の体験からも、困ったことや不満をわざわざ申し出てくれるユーザは、ほんの一握りだと思います。

では、申し出ないユーザはどうなるのでしょうか?離脱する、不満を抱えたまま仕方なくプロダクトを使う、本来は便利な機能があるのに使わず価値が下がってしまっている、といった可能性があります。

「個別の手厚いサポート対応が最良」は間違っている

「個別で手厚くサポートすることが、カスタマーにとって最良だ」というのは、大きな間違いです。例えばプロダクトの場合では、カスタマーが迷わない、困っても自分で解決できる環境を作ることが、満足度向上につながります。

「問い合わせをしないと使い方がわからないサービス」と聞いてどう思われますか?また、分からないときに、FAQにアクセスしやすく、わかりやすいドキュメントや動画などですぐに解決できたなら、いかがでしょうか?

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本当は、マニュアルなんて利用しなくても優れたUIで直感的にわかる、というのがベストです。しかし、全部がそうとはいきません。そのとき、マニュアルやFAQは大きな力を発揮します。

ドキュメントは、プロダクトの品質に直結します。ドキュメントはプロダクトの一部であり、且つユーザの満足度に大きな影響を与えます。

コストにも直結するドキュメント整備

ドキュメントの影響は、満足度だけにとどまりません。問い合わせをユーザ自身で解決できるということはすなわち、サポートの工数が減るということです。個別に問い合わせの対応をしなくてもよい、これは、事業をスケールしていく際にユーザ数が増えても耐えうる環境を作る、ということに大きく影響します。

このように、質のよいドキュメントを整えることはコスト削減に直結しますが、プロダクトの開発時、この重要性に気づいていない事業者は多いです。私は前職、ソフトウェアマニュアルのライターでした。マニュアルの作成を受注してライティングする仕事ですが、このマニュアルの質がサポートの工数にダイレクトに影響し、且つ満足度にも影響を与えるということを実感しています。

よいサービスはドキュメントが充実している

この経験から、私は自分が利用するプロダクト(動画配信や保険など身近なものを含め)すべてにおいて、ドキュメントがそろっているか、わかりやすいかどうか、という点に注目するようになりました。すると、世の中で爆発的に広がり、よく使われているものは、大抵優れたドキュメントが整備されていることに気が付きました。

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ご自身を含む多くのユーザが利用しているサービスを思い浮かべてみてください。ユーザが満足できて、且つ事業のスケールにも耐えうるためには、ドキュメント整備が必須であるということがわかります。

ユーザの想いや思考回路を先回りして考えること

ユーザがどう感じているか、その体験を考えることは、カスタマーサクセスにはもちろん、事業企画にも大事な視点です。ドキュメントの作成は後回しにされがちです。プロダクトのおまけのような存在として扱われることもあります。しかし、本来は、プロダクトの一部だと思うのです。

ユーザにセルフサービスを提供するのは、おもてなしが足りていないということではありません。むしろ、ユーザ自身で簡単に解決できる環境を提供せず、わざわざ解決のために問い合わせるというハードルを課しているほうが、おもてなしが足りていないと感じませんか?

ぜひドキュメントを見直して、プロダクトの価値を最大化しましょう。

松丸

筆者:松丸恵子

エンゲージメントリード Customer Success