KDL BLOG
物語で見るDX vol.2 “ブレードランナー2049” ~思ったよりあっさり味付けの未来予想図~
こんにちは。神戸デジタル・ラボ エンゲージメント・リードの中川です。私は物語が好きで、小説、映画やドラマなどをよく楽しんでいます。
物語で見るDX第二回、本日ご紹介するのは、映画「ブレードランナー2049(米:2017年)」です。1982年の大ヒットSF映画「ブレードランナー」の続編です。
「ブレードランナー2049」について
調べたところ、前作の時代設定は2020年くらいだったようで、新作ではその後約30年が経過した時代を描いています。(続きものであり、背景設定や登場人物など前作から見たほうが楽しめる内容なので、映画を楽しむには「ブレードランナー」から見るのをお奨めします)
前作は、人造人間や空飛ぶ車、嘘発見器、何か凄そうな銃など、未来未来したものに溢れていたのを思い出します。子供のころ、「ドラえもん」や未来を描いた漫画・アニメに触れた時のあの感じです。現実でも前作から30年以上経過。さて、「これはもうきっと、すごく未来未来したもの(DX)に満ちあふれているにちがいないのだろう!」と、。
昔よりわくわくしない!?その理由は・・
ですが、、、、あれ、、なんだか、、、わくわく感が若干、、、なんだろう、、、これは、、、という思いを引きずりながら、映画のエンディングを迎えてしまいました。
いや、映画としては楽しんで見ることができたんですよ。
ハリソン・フォードも見られましたし。
未来未来したものも沢山見られましたし。
出てきたのは、
- 昆虫食・プロテイン工場(DXじゃないかも)
- 空飛ぶ&自動運転車(前も出てきた)
- 携帯3Dホログラム発生装置(お約束ですね)
- メイドAI
- デジタル上のプレゼント(NFT+MR)
- 洗練された未来チックなVR
などなど、、、、
ああ、、、、これは、、、、「もう、すでに全部あるやないかーいっ!」っていう話です。
空想と現実の距離が近づいている
いずれも、実在企業が作る商業レベルのプロモーション画像で「見たことあるような世界」という感じでした。子どものころ「ドラえもん」やロボットアニメを見た時のような、わくわく感が無かったのです。たとえば「どうやって動くの?」というつっこみをものともしない、スモールライトとかワープ航法とかライトセイバーみたいなものは出て来ないのです。この作品では、いずれもきっちりしっかり量産化され、工業製品化されているのです。(それが、作者が描きたかった世界なのかもしれませんが)
フィクションだけど「リアル」さを追求するあまり、裏付けの技術をしっかり考えて作ったら、現実の延長上になってしまったのか、、、いや、逆に現実が空想に追いついてきたのか。。。。自分がびっくりとんでも技術を期待しすぎていたからか、その高まりに対して肩透かしを食らった感じがありました。
そういえば、、、21世紀に入ってから作られた、地球上の話を扱ったSFで、ぶっ飛んだ未来を描いた作品って、何があるんだろうかなと思います。2001年/2010年宇宙の旅もAKIRAも攻殻機動隊もマトリックスもガタカも20世紀に作られましたし、もう、今の時代でさらにぶっ飛ぶには、技術でなくて、地球外生命体とか、超能力を出すしか無いのかなとも思います。
ぶっ飛んだアイデアはどうですか
この30年でDXが進み、インターネットを中心にした様々な技術向上・革新により、空想であったものが次々と実現されていきました。人々が得られる便益、情報量は飛躍的に増えたはずです。にもかかわらず、最近のエンタメSFはディストピア(反理想郷)ものが多いです。脳天気なわくわくした未来予想図はネタ切れなんでしょうか。人々は、便利さを楽しむより、触れたことの無い情報量の多さに振り回され、恐れながら生きているのでしょうか。
これは私個人のノスタルジーですが、リアル(のようなもの)を追求するSFもまた良しとして、リアルを追求しない、技術的な裏付けに縛られない、もっとわくわくするような未来SFも見たいと思ってしまいます。
細かい理屈は置いておいて、ポケットが4次元に繋がっているからいくらでも入る、とかでいいじゃないですか。たまには。
最後に、企業の描くDX後の姿もたまにはそういうぶっ飛んだ、ふわっとしたレベルで考えてみてもいいんじゃないかと思います!
執筆:中川 崇
エンゲージメントリード Account Sales