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ユーザー視点の考え方(状況を考える)
こんにちは。 エンゲージメントリードの飯塚です。
近年、Webサイトやアプリだけではなく、様々なサービスや体験などの設計でよく使われる「ユーザー視点」。みなさんは、実践できていますか?おそらくどなたも「できています!」と自信たっぷりには言えないのではないでしょうか。
「Human Centered Designer」という肩書の私も、「常日頃からできています!」と言える自信はありません。ですが、デジタル・コラボレーションでお客様の事業にご一緒させていただく際には、「ユーザー視点」をことさら意識して取り組んでいます。このブログではユーザー視点について私の考え方をご紹介します。「そういう考え方もあるのか」と何かのきっかけにでもお役に立てればと思います。
今回はユーザー視点を考える際にまず考える、「ユーザーの状況」についてご紹介します。
ユーザーの状況を考えてみる
まずは例題です。こちらの写真から推測される状況を整理してみてください。
整理できましたでしょうか?「整理ってなに?」と思われた方もいらっしゃると思います。こんなときは、読み取ることができる状況を言語化して洗い出すことが効果的です。
写真から読み取れることを洗い出してみましょう。
- 女性
- 20~30代くらい
- 一人
- 屋外
- 昼間
- 曇り
- スマホを操作
- 困ったような表情
- 顔は正面を向いている
- 木が後ろに見える
上記のように読み取った内容から、この状況を言語化すると、「20~30代くらいの女性が、屋外でスマホを片手に1人で困った様子で何かを探している」という状況が推測できます。そして、この文章から状況の理解における課題がみえてきます。今回の場合は、「何(人なのか、建物なのか)を探しているかわからない」という課題が挙げられます。
では、もう少し内容を整理してみましょう。ここでは、例題で洗い出した項目のカテゴリを整理してみます。
誰が | 20~30代くらいの女性 |
いつ(時間帯) | 昼間 |
どこで | 屋外 |
どんな環境 | 曇り 周りに木がある |
状態 (動作、感情) | スマホを操作している 何かを探している 困っている |
このように、ユーザーの状況を整理するとき、いろいろな切り口から状況を整理することで、ユーザーの状況をより解像度高く理解することができます。ではみなさんが提供されているサービス、またはこれから考えていきたいサービスを利用するユーザーはどのような状況でしょうか?
ユーザー視点で状況を考える
サービスをユーザー視点で考える時は、まずユーザーの状況を整理してみましょう。
- そのサービスは「誰が」「いつ」「どこで」「どんな環境」で利用されるのか
- ユーザーの「心理状態」はどのような「状態」か
- なぜそのサービスが必要なのか
- サービスを利用することでユーザーは何を解決できるのか
- 本当にデジタル化が必要か
最初はこのように、項目をたてて整理していくことをお勧めします。また、サービスの内容によっては、例えば「誰が」や「いつ」の設定によっていろいろなパターンが出てくると思います。パターンによっては要求の優先順位が変わってくることもあるでしょう。
このように多方面からユーザー状況を整理することで、サービスに求められることが何なのか、ヒントが見えてくるのではないでしょうか?
神戸デジタル・ラボの「デジタル・コラボレーション」(DC)について
神戸デジタル・ラボでは、お客様と共に考え・協働・共創しながらお客様の事業そのものに伴走する「デジタル・コラボレーション」(以下DC)サービスを提供しています。
神戸デジタル・ラボの考えるDCサービスは、単にDXを進めるだけではなく、神戸デジタル・ラボとお客様が共に考え、行動することでお互いのノウハウやスキルを共有し、最終的にはお客様自身でDXを進めていけることを目的にしています。
デジタルのプロである神戸デジタル・ラボと、その業界のプロである皆様で、ユーザー視点からDXを共に考えていきませんか?
筆者:飯塚友哉
エンゲージメントリード Human Centered Designer