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家電にみるUX
こんにちは、エンゲージメントリードのUI/UXデザイナーの近藤です。
仕事柄、家電のUXが無性に気になった最近の体験をお送りします。
とあるデザイン性の高いサーキュレーターの場合
通販あるあるですが、デザイン性の高いサーキュレーターをwebでポチッとして購入したのですが、気になる点がいくつかありました。
1)音が大きい
2)電源をOFFにすると、首振り機能もリセットされる
3)リモコンがついているが、受信部分がサーキュレーターとともに回るのでとてもピンポイントでしか効かない
よくある話ではありますが、上述したような体験がとくに気になる方にとっては、いまひとつオススメできない商品になってしまいます。
ちなみに、私がこの商品を購入したきっかけは、掃除のしやすさに惹かれたためで、その点はとても快適でした。
また、使う場所も人気のない場所のため音が気になることもなく、首振り機能は不要な場所での設置だったので、大事に使っています。
実家のテレビの場合
最近あった話ですが、突然両親のテレビが壊れたと連絡がありました。見に行ってみると、テレビが不規則に付いたり消えたり、チャンネルを変えることもできなかったり、まるでホラー現象が起きているかのようです。
テレビ本体には、リモコンとほぼ等しい機能のボタンが付いているものですが、高齢の両親にはどこに付いているのか分からず、テレビが壊れているのかリモコンが壊れているのか分からない状態でした。
しかし、実際見てみると、少しだけ思いがけない、かつ目立たない位置に本体ボタンが付いており、その操作でテレビは壊れていないことが分かりました。
問題のリモコンですが、ボタン自体がフラットで飛び出ているタイプではなかったのですが、電源ボタン周りがわずかに凹んでいるように見えました。ボタンとリモコン本体との隙間もほとんどなく、針で掃除してみること1時間あまり。なんということでしょう。ホラーな現象が直ったのです・・・!
さらによく見ると、ボタン面の四隅にソフトクッションが付いています。そして、ボタン面は中心に向かって絶妙に凹んでいる形状をしており、裏面に電源ボタンと用途不明なボタンが2つ付いています。裏返してみると・・・とてもスタイリッシュなリモコンとなりました。
おそらく、ボタン面の四隅にソフトクッションが付いているということは、基本的にスタイリッシュ面を表にしておけることを前提にしたデザインということのようです。
フラットボタンのリモコンボタン面はさまざまな意味で危ういので、実はひっくり返して置けるのだというユーザ体験は、ゴミが詰まってからでしか気づけなかった、ちょっとしょっぱい体験となりました。
家電の使いやすさ
一般的にデザイン家電と呼ばれるもので、いまひとつ良い印象がないのは、使い勝手が悪いと感じた経験がたまたま私に多いからです。
こだわりのデザインも良いですが、実際に使っていない家電を眺めている時間は少ないですし、自分がその家電に求める機能がとても低ければ、その家電は使われなくなるのではないでしょうか。
また、デザイン性を追求するあまり、使い勝手の良し悪しという、製品の要であるユーザ体験を二の次にしてしまいがちなのは残念でなりません。
まだまだ日常にはUXを検証していないものがあるなあと感じたちょっと不自由な体験例を挙げさせていただきましたが、いろいろな体験が良いアウトプットを生むことを踏まえ、今後も良い体験を提供できるように心がけていきたいと思います。
筆者:近藤彩子
エンゲージメントリード UI/UX Designer