KDL BLOG

2023.04.07
KDL社内・社員

デジタルのメンバー表が「新たなつながり」をつくる 社内の連携を促進する「KDL Characters」開発メンバーインタビュー

KDLには、社員の人員の配置を視覚的に見ることができる、デジタルメンバー表「KDL Characters(KDLキャラクターズ)」があります。

これは、全体の組織構成はもちろん、社員を写真付きで見ることが出来て、自己紹介や直近関わるプロジェクト、スキルなどが見られるものです。サイボウズ社が提供する業務改善プラットフォーム「kintone」をベースに作られています。
組織を横断した開発チームの手でバージョンアップし続けているこのメンバー表について、作った背景や想いをインタビューしました。

KDL Characters開発・運営メンバ
(左から、岩崎、安藤、蔦屋、東田、立松)

テレワークに伴い浮き彫りにされた課題

数年前、KDLでは社員一人ひとりが能力を最大限発揮できる組織づくりを目標に、組織編成をフラットに変更しました。それに伴い、メンバー表は組織図に社員名が入った「職制表」から、「KDL Characters」と名称がかわり、デザインが刷新されました。
「KDL Characters」という名前には、多彩な能力をもったメンバーの集団という意味が込められています。

しかし、組織編成後まもなくのコロナ禍でテレワークスタイルが進む中、「誰がどんな仕事をしているのか認識しづらい」「新しく入ったメンバーが他の社員とつながる機会が少ない」「チーム間の連携が促進されにくい」などの課題が浮き彫りになりました。

そんなとき、「KDL Characters」の在り方を変えることで、もっと連携が生まれやすい環境にできないか?という相談が、CX/UXデザイナー岩崎さんに舞い込んだそうです。

松丸

相談がきたときは、どう思いましたか?

岩崎

最初は、もともとのKDL Charactersを眺めながらいろいろ考えたんですが、「KDL Characters」という名前の由来からも、ただの一覧表ではなくて、メンバー1 人1人の「キャラクター」を知ることができる、楽しいものにしたいなと考えました。
一人ひとりを知ることができて、でも画面で全員が見られるものがいいなと。

松丸

一覧性もあって、且つひとりずつズームして見られるものということですね

岩崎

そうですね。当時バーチャルオフィスが流行っていたので、そのイメージで、リアルなオフィスに入ったときに全体の空間が見渡す感じを表現できたらなと。
普段社内で使っているkintoneで作れば、アクセスもされやすいのではないかと思いました。

KDLCharacters06.jpg
KDL Characters

その後、岩崎さんの構想を社内にプレゼンし、有志メンバーで開発することになりました。開発を進める中でも興味のあるメンバーを全社から募り、現在は部署を超えたプロジェクトで機能開発を進めています。

開発チームに手を挙げたきっかけ

この開発プロジェクトに手をあげたエンジニアのみなさんに、参画したきっかけについて聞いてみました。

松丸

KDL Charactersのプロジェクトに参加しようと思ったきっかけは?

安藤

実は以前からKDL Charactersのファンだったんです。もともと野球の選手名鑑などが好きでいろんな方のプロフィールを見たりするのが好きなので、KDL Charactersも、面白いなと思ってめちゃくちゃよく見ていて。

岩崎

えーめちゃくちゃ嬉しいです!

安藤

はい、なので、自分がよく使っている中で「こうしたいな」と思うこともあったんです。それが自分でできるのは楽しそうだなと思って参画しました。

立松

僕は安藤さんとは違って当時はあまりKDL Charactersを触ったことがなくて・・・。でも普段サーバーサイドの開発しかしたことがなかったので、KDL Charactersで使っている技術に興味があったというのがありますね。

蔦屋

僕が一番心に残っているのは、岩崎さんが作った社内プレゼン資料に「ここに来ればみんなに会える」というフレーズが書いてあったことです。それを初めてみたときに、面白そうだなと思いました。

岩崎

これこれ、この資料ですね。

KDLCharactors1.png
社内プレゼン資料

このほかにも、「リモートワークで自チーム以外との交流があまりなかったので、他のメンバーと関わってみたかった」「勉強した技術をアウトプットする機会が欲しかった」など、様々な意見がありました。それぞれの想いで集ったチームですが、きっかけとして多かったのは、技術的な興味。「やってみたい技術がある」というモチベーションが印象的です。チャレンジしたい技術や新しいことに取り組めるKDLの風土を感じます。

ユーザーの体験ストーリーをチームで考える

プロジェクトは、メンバー全員で、Miroを使った付箋ワークでディスカッションしながら進めたそうです。自分たちがリアルなユーザーとして、KDL Charactersを「知る」「眺める」「メンバー情報を活用する」「自分の情報を更新する」「各部署と連携する」という一連のストーリーをたて、それに沿って行動を起こしてもらうためのアイデアを出したとのこと。

松丸

プロジェクトが始まって、最初はどんな感じで進めたんですか?

岩崎

前身になる1.0版を作り始めていたので、それを元に、あらためて整理をしていきました。
アジャイル開発の手法にのっとって、なんのためにやるのかを明確にする「インセプションデッキ」から始め、ユーザーストーリーを考えて、優先度を考えていきました。あとは、それぞれやりたいこともあったので、チャレンジしてみたいことなども出していきました。ユーザーストーリーに関しては、普段関わりが少ないメンバーとも距離が縮まったり、それが相乗効果を生んで、新しい何かを生み出すきっかけになるアプリになると良いなあ、という思いでフローを考えました。

KDLCharacters02.png
チームで進めた「インセプションデッキ」「ユーザーストーリー」
松丸

普段開発業務が多いエンジニアのみなさんは、ユーザーストーリーに合わせたアイデア出しをやってみてどうでしたか?

蔦屋

僕は、ここで自分がやってみたいこととかチャレンジしたいを言っておけば、実装させてもらえるかも!って感じで割と楽しんでましたね。

松丸

この技術で実装してみたいから、ここで出しちゃえ!みたいな感じですか?

蔦屋

そうですね。このときにやってみたくて出したアイデアを、実際に実装している部分もあって、楽しくやらせてもらっています。

東田

僕は、こういう進め方はあまりやったことがなかったんで、アイデア出すのが結構苦しかったですね。でも、自由度高く開発してみたい、という気持ちがあったので、そういう面では蔦屋さんと同じくめちゃくちゃ楽しくやらせてもらってます。技術のインプットが多かった時期だったので、アウトプットしたい気持ちも強かったですし。

岩崎

そうですよね。私からみると、「この方法なら実現できるんじゃないか」「最終的にこういう方法も考えられる」といった技術視点のアイデアや意見をいただいた時は、さすが開発者だなと思いました。

KDLCharacters03.png
機能のアイデア出し

ボードには、「こういう機能あったらいいな」というだけじゃなくて、「技術的にはこういうこともできる」という観点のアイデアもたくさんあります。特に、社内の既存のシステムとの連携部分は効率的且つ効果的な部分も多く、例えばカレンダーと紐づけることで今日のその人の予定が簡単にわかったり、稼働状況の管理システムと紐づけてその人が参加しているプロジェクトを表示することで「この案件に関わる人ならこういうことに詳しいかも」といった情報を得ることができます。業務で必ず入力するシステムから自動で情報を取得するので、勝手に更新されていくというのも便利です。

KDLCharacters07.jpg
社員のプロフィールのページ

技術を知っているからこその思い付きや、それぞれの経験から出るアイデアが交わるところが、部署や職種を横断した取り組みのメリットと言えるのではないでしょうか。

実際のアイデアから出た機能は

松丸

イチオシのアイデアとか機能はどんなものがありますか?

立松

アイデア出すのにいろんな他のサービスを見たんですけど、僕は結構検索にこだわりましたね。アマゾン検索のやり方をベースに考えて、カテゴリごとに検索できるような。例えば、チーム名や名前だけじゃなくて、案件名とか出身地とか。いろんな軸で調べることができるといいかなと思って。

KDLCharacters04.png
検索カテゴリ
松丸

いいですね。カテゴリを見てるだけでも気づきがある気がします。

岩崎

社員の「人となり」がわかるといいよねというのはあったんですが、例えば項目一覧を作って、ここに記入してください、ってお願いするとすごくストレスになりますよね。言いたくない人もいるだろうし。そんなとき、安藤さんだったかな、気軽な質問が来る「Colla」っていうコミュニケーションツールを教えてくれて、すごくいいなと思いました。ユーザーが気軽な質問に答えていくと、蓄積されてKDL Charactersに反映されていくような感じです。

松丸

なるほど!ユーザーも「わざわざ入力する」みたいなストレスもないし、こういう質問だと、答える側もちょっと楽しいですもんね。

安藤

気軽に入力してくれるのもそうなんですが、更新性が高くなるような仕組みが出来たらいいなと思っています。情報が固定化されると、何度も見に来るモチベーションがなくなってしまうと思うんです。だから、定期的に情報を変えたいなと思ってまして。例えば朝の番組でよくある占いみたいなものを実装すれば、面白いから毎日来たくなるんじゃないかなと。

最新のKDL Charactersでは、最近更新された方のアイコンの周りが虹色になったり、日替わりでランダムにコメントをするデジごん(KDLのマスコットキャラクター)が設置されるなど、アクセスしたくなる機能が追加されました。ちなみに、これを書いていた日(3月31日)見てみたら、画面いっぱいに桜の花びらが散っていて楽しくなりました。確かに更新頻度が高まると楽しみが増えますね(笑)。

立松さんのこだわりの検索は、KDLの定期勉強会で開催されている社員インタビューや、社員のコミュニケーションを促進するための、食事会のテーマなどでも活用されているそうです。

KDLCharacters05.png
日替わりデジごん

今後の展望は

松丸

では最後に、KDL Charactersで社内がこうなってほしい!みたいな夢というか、展望のようなものがあれば教えてください!

岩崎

KDLって本当にいろんな個性を持った人が集まっているので、きっともっといろんな人がお互いを知ることで、相互作用で何か面白いことが生まれるんじゃないかと思っています。あるいは、苦しんでる人達がいた時に、KDL Charactersを見て、相談してみたら救いの手を差し伸べてくれた、とか。KDLの強さが最大限に引き出せるような、ハブのようなツールになると、いいなあと思います!

東田

情報が知りたいから見たいと思ってもらうのはもちろんなんですけど、安藤さんの言うように「面白いから見たい」という感じで使ってもらいたいですね。あと、なによりも僕が思っているのは、「これを一緒に作ってみたい!」って他の人にも言ってもらうことですね。それくらい面白い機能を実装できたらと思っています。

松丸

「見てるだけで面白い」「見ること自体が面白い」ってなったらサイコーですね。そうすれば、「こんな面白いもの俺も私も作ってみたい!」って人も出てきそうですね。

蔦屋

僕は、うーん、そうですね。あんまり普段話したことがない人とか、仕事してるときに話しかけるのがちょっとハードルに感じることが時々あるんですけど、そういうハードルが少しでも低くなればいいなあと思います。
特に、自分はKDX(KDLの業務のDXを推進するチーム)なので、本当は社内にいろいろ声をかけに行くような立場だと思ってて。そういうのが気軽にできるようになればいいなと思います。

安藤

僕は、全員が永吉社長みたいにKDL Charactersファンになってくれたらいいなと思います!まだあまり認知・活用されていない気がするので、もっともっとみんなに使ってもらって、「めっちゃいいな」という存在になってくれたら、本当に嬉しいなと思います。

注※KDL代表の永吉は、KDL Characters大好きでよく見ているそうです。

立松

僕も含めて最近入社した人は特に、「どんな人がいるのかな」と思っていても、テレワークとかでなかなか話す機会が少ないと思うんです。もともとの知り合いですら、最近は飲み会の機会も少なくなって、だんだん疎遠になっているような気もしています。新しい人も、もともと知っている人でも、「最近この人どんなことしてるんやろ」って思ったときに距離を縮められるような存在になったらいいですね。今の時代だからこそ、そういう第一歩をサポートできるようなアプリになっていけばと思います。

まとめ

コロナ禍でテレワークが進み、いろいろなことがオンラインで解決されるようになっていく中、人と人のコミュニケーションに課題が生じたと感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか。急速なデジタル化に起因して起こったと思われがちですが、今回のインタビューを聞いて、そのような課題も今後デジタルで解決されていくのだろうと感じました。

いろんな想いを乗せて開発・バージョンアップされているKDL Characters。様々な機能の実装で一人ひとりの仕事内容やキャラクターが反映されています。それぞれが個性を発揮して、神戸デジタル・ラボというひとつの「キャラクター」を作り上げていることを改めて感じたインタビューでした。

あ、「kintoneでこんなことできるん!?」と思った方、KDLではkintone構築支援もさせていただいています!お気軽にお問い合わせください。

松丸

インタビュー:エンゲージメントリード 松丸恵子