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【幾何分布の期待値は常に1】宝くじは1枚だけ買おう【※数学ジョーク記事です※】
データ分析とは切っても切り離せない確率。今回はそんな確率の小ネタをご紹介します。
はじめに
当選率10%の宝くじを、アタリが出るまで繰り返し引くとします。 運の良い人なら一回目でアタリかもしれません。反対にすごく不運な人は100回引いて全てハズレになることも、あるかもしれません。 では、平均したとき、アタリが出るまで何回くじを引けばよいのでしょうか。

実はこの値は、数学的に求めることができます。これを“幾何分布の期待値”といいます(幾何分布については後述します)。 当選率が10%なので、幾何分布の期待値は直観的には10くらい(当たりが出るまで10回引く必要)に感じます。
ですがなんと、計算すると「1」になります!
しかも、これは当選率に依存しません。 つまり赤黒を選ぶルーレットも、当選率0.00001%の宝くじも、平均したら(期待値を計算したら)1回で当たるのです。
なんだか、簡単にお金持ちになれる気がしてきました。本当に正しいのでしょうか?
※ 本記事は、高校程度の数学(数列、確率)の知識を前提としますが、無くても雰囲気は感じ取っていただける思います。「どうしても数式は嫌…!」という方は「ネタバラシ」の章まで進んでください。
目次
・はじめに
・幾何分布の期待値
・証明の準備
- 期待値の線形性
- シグマ記号の性質
・証明
・ネタバラシ
・まとめ
幾何分布の期待値
当選率p (0<p<1)の宝くじを繰り返し引くとき、はじめてアタリを引くまでに必要な試行回数xの従う確率分布を幾何分布といいます(*1)。

この確率分布の期待値E[X]を計算し、それが当選率pによらず1になることを証明します。
*1:一回目からx-1回目までハズレを引き、その次の試行でアタリを引く確率を考えると導出できます。ここで、くじは枯渇しない(当選率は常に一定)ものとします。また、「ハズレが出る回数」を幾何分布の定義とする流儀もあります。
証明の準備
証明の中で使用する定理を整理しておきます。
期待値の線形性
今、変数Y,Zについて、Y=Z+a(aは実数)の関係があるとします。 このとき、Yの期待値E[Y]について以下が成り立ちます。

(1)を期待値の線形性といいます(*2)。
*2:正確には、これよりもう少し一般性の高い形を指します。
シグマ記号の性質
数列の足し算を簡潔に表す表記方法がシグマ記号∑です。

シグマ記号には以下のような性質があります。

これは図にするとわかりやすいです。

また、数列の無限個の足し算は次のように書きます。

幾何分布は確率分布なので、以下が成立します。 (詳細は省略しますが、サイコロを振って1か2か3か4か5か6がでる確率が1なのと原理は同じです。)

(つづきは、ブログ「神戸のデータ活用塾!KDL Data Blog」へ)



