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新入社員がAIを作ろうとして10時間分の学習データをふっとばした話
こんにちは、2026年度に入社し、Data Intelligenceチーム(以下、DIチーム)に配属された木本です。 今回は、DIチームの先輩からいただいたAI開発を実践的に学ぶためのハンズオン課題を通じて、初めてAIを作る過程でつまずいたポイント4点について紹介しようと思います。
なお、この記事では「物体検出モデルの開発に初めて触れた経験」を伝えることを主な目的としています。 そのため、分かりやすさを優先し、物体検出モデルの開発を「AIを作る」と表現しています。 厳密な用語の違いについては深く立ち入らず、まずはAI開発の全体像をつかむことを重視していますので、適宜読み替えてください。
この記事をご覧になることで、AIはもちろん、機械学習に興味のある方にとって、つまずいたときのヒントになれば幸いです。 ぜひ一緒につまずきながら、学んでいきましょう!
はじめに
まず、AIを作ることになったきっかけの資料と私個人の知識について紹介します。
AIを作ることになったきっかけの資料について
きっかけは、DIチームの先輩からいただいた、AIの作成工程を学ぶためのハンズオン資料でした。
ハンズオン資料を進めるにあたり、先輩から示されたルールは以下のとおりです。
- 「AIをゼロから作り、仕組みを説明できる」ことを目指すため、CodexやClaude Codeのようなコーディングエージェントは使用しない(ChatGPTなどにコードの書き方や考え方の質問をするのはOK)
- 与えられた課題に対して仮説を立て、打ち手を選び、検証するサイクルを回す形で進める
このハンズオンは、単に資料どおりに作業を進めるものではなく、知らない技術に対して自分なりに調査し、試行錯誤する経験を積むことを目的とした課題です。
そのため、資料には取り組むべき課題が示されている一方で、具体的な解決方法や仮説に対する答えはあえて記載されていません。わからないことや行き詰まったことがあれば先輩に相談できますが、まずは自分で考え、試してみることが基本方針でした。
私は入社前からコーディングエージェントを多用していました。 そのため、コーディングエージェントなしで課題を進められるか不安を感じつつ、やってから考えようの精神で取り組み始めました。
入社時点の私のスキル
このハンズオン資料に取り組み始めた時点での私は、Pythonの基本構文は理解しており、簡単なWebアプリの開発経験がある程度のものでした。 当然ですが、AIなんて作ったことはありません。
そのため、課題を1つ解くだけでもたくさんつまずきました…
ここからは、そのつまずいたポイントと、どう考え、突破したのかについて紹介します。
つまずいたポイント
ポイント1:学習データの形式が違っていた
最初につまずいたのは、AIの学習に使用するデータの形式が、AIを作るための基盤が求める形式と違っていたことです。
形式が違う場合は、あらかじめデータを変換しなければいけません。この点を知っておくだけでも、機械学習の勉強を始める段階でつまずきづらくなるでしょう。
では、どのようにつまずいたのか、流れに沿って説明します。
まず、AIを作るためには、学習元となるデータが必要です。
今回はハンズオン資料に、「UltralyticsのHomeObjects-3Kデータセットを使用して、YOLOXで学習すること」と指定されていました。
Ultra?家のデータセット?YOLOX?
機械学習を学んだことのない私は、この段階でちんぷんかんぷんでした。
そこで、ハンズオン資料に出てくるわからない用語を、1つずつ調べていくことにしました。
調べてみると、Ultralyticsが公開している家庭用品の画像データセット「HomeObjects-3K」を使い、「YOLOX」という仕組みで物体検出モデルを学習させる、という課題でした。
用語を調べる過程でつまずきつつも、少しずつ課題の全体像が見えるようになりました。
その中で、実際に学習を始めるうえで特に重要だと感じたのが、データセットの形式です。
世の中にはさまざまな派閥があります。 たけのこの里派ときのこの山派、Windows派とMac派、Vim派とEmacs派…
同じように、AIに学習させるためのデータの形式にもいくつかの派閥がありました。
- YOLO形式
- COCO形式
- Pascal VOC形式
この記事では、それぞれの形式の特徴についての説明を省かせていただきます。
ハンズオン資料で指定されているデータセットの形式と、YOLOXが求める形式は以下の形でした。
- 使用するデータセットのデータ形式 → YOLO形式
- YOLOXが要求するデータ形式 → COCO形式
なぜ、”YOLO”Xなのに、”YOLO”形式ではないのか…
それはともかく、データセットの形式とYOLOXの求める形式が違っていたため、変換する必要がありました。
そこで今回は、YOLO形式のデータをCOCO形式へ変換する処理を自分で実装しました。変換後のデータを使うことで、YOLOXでAIの学習を始めることができます。
なお、よく使われるデータセットの形式なら、変換するためのコードがQiita*1などですでに公開されています。 そのため、すでに公開されているコードを使用し、変換してしまえば、すぐにAIの学習を始めることができます。
この経験から、AIの学習を始める前に、次の2点を確認することが重要だと学びました。
- 使用するデータがどの形式で作られているか
- 学習に使用するツールが、どの形式に対応しているか
両者が異なる場合は、学習を始める前にデータを変換する必要があります。
「AIに学習させるためには、学習データを所定の形式に変換する必要がある」ということを知っておくだけでも、つまずきづらくなると思います。
ぜひ覚えておきましょう。
(つづきは、ブログ「神戸のデータ活用塾!KDL Data Blog」へ)



