事例紹介

事業のビジネス創出のプロセスを共創、開発から事業拡大まで一気通貫で伴走

アシックスウェルネスコンサルタントアプリ画面イメージ
株式会社 アシックス
各種スポーツ用品等の製造および販売

KDLでは、株式会社アシックスが展開されているヘルスケア事業において、新規ビジネスのアイデア創出からデータビジネスの設計、プロダクトの開発、その後の事業のスケールまで一気通貫で支援させていただいています。

アシックスでは、2020年より、企業の健康管理をサポートする、ヘルスケア事業「アシックスヘルスケアチェック」を提供しています。これは、クライアント企業の従業員を対象に、体力やストレス等の項目を測定し、評価や健康増進プランを提示して健康をサポートすることで企業の「健康経営」を支援するものです。2023年1月までに、企業や自治体など1万人以上の健康増進をサポートしています。

2021年9月、同社はこの事業により取得している体力などの「測定データ」と連携して、運動習慣の確立を促進する専用アプリ「ASICS WELLNESS CONSULTANT(以下、AWC)」をリリース。また2023年1月には、「測定データ」とアプリから取得できる「運動履歴データ」を合わせて分析・管理し「ASICS WELLNESS DATA PLATFORM(アシックスウエルネスデータプラットフォーム/以下、AWDP)」の提供を開始し、事業を着実にスケールさせています。

KDLは、この事業において、データをどのように使ってビジネスを構築するかの検討段階から参画し、ユーザー体験、ビジネス設計、データ活用などにおいて、ビジネスの創出と拡大を伴走型で支援させていただいています。

支援のプロセス

目指す全体像を共有してチームの方向性の認識を合わせる

当初、「データを活用して何かビジネスを展開したい」というご相談をいただきました。そこで、事業創出のプロセスをご一緒させていただくことになりました。

ビジネスの検討にあたっては、まずはデータを中心に提供できる価値を議論しました。競合分析、業界分析で想定するビジネスの位置づけを定め、将来的に目指したい全体像を仮設計しました。

プロジェクト資料の一覧

チーム全員で全体像について共通認識を持ったあと、ロードマップをいくつかのフェーズに分け、まずは専用アプリ「AWC」の開発に着手しました。

デザイン思考によるユーザー行動の理解とアプリ開発

バージョン1の製品化に向けての進め方についての資料

最初のプロダクトとなるアプリの開発では、アプリを通じてユーザーに運動を習慣づけていただくための工夫が必要でした。そこで、デザイン思考というメソッドを使い、ターゲットがサービスを知るところから、サービスを家族に勧めるところをゴールに、カスタマージャーニーマップを作りました。

カスタマージャーニーマップの画像

マップに沿って、ペルソナが行動変容するための機能を検討し、コアな機能を実装したプロトタイプを開発しました。毎回宿題を持ち帰り、翌週アイデアをぶつけ合うという進め方により、その時々でよいものを選びながら進めました。
プロトタイプ開発では、毎週画面をアシックスのプロジェクトメンバーに確認いただきながら進め、2回のテストを経て、プロダクトとしてリリースしています。

アプリの画面

活用を見据えたデータ設計によりスムーズに次のフェーズへ

アプリのリリース後は、利用状況を見ながら改善を実施するとともに、描いているビジネスの全体像における次フェーズである「データ基盤の構築」を支援させていただきました。

元となるデータの取得においては、アプリ開発の初期のフェーズから、今後何をどのように分析し、価値を生み出すか、また既存データとの連携において何を価値として生み出すか、を見据えて設計しました。

例えば、運動習慣の変化や働きかけによる効果を見るためのデータとして、運動の実施率や実施回数、運動の時間帯、通知の開封など、必要なデータをリストアップ。どのような目的でデータを見たいか、そのためにはどんなデータが必要か、を定めました。

カスタマージャーニーマップに沿った行動ログの資料

初期フェーズで活用を見据えたデータの設計を実施していたことで、次の事業フェーズであるAWDPにおいてもスムーズにデータ基盤を構築、リリースを実現しました。

現在も、ビジネスの改善および拡大を継続的に支援させていただいています。