事例紹介
上下水道や排水設備の維持管理・清掃・調査を主力事業とする管清工業株式会社様では、快適な日々の生活を守るため、下水道管にまつわる様々な課題解決のためのサービス開発に取り組んでおられます。
今回は、排水管の維持管理事業に付加価値を提供するために開発中の、排水管の詰まりをセンサーで検知するIoTシステムの開発を支援させていただきました。
システム開発の背景
本システムの対象は商業施設やビルなどの建物の排水管です。建物の排水管のメンテナンスは、現状、排水管に不具合や故障が発生した後に対応する「事後保全」という対処方法が主流です。しかし、例えば商業施設の天井にある配管が詰まり、汚水が漏れ出すなどのトラブルが起こると、修理だけではなく、施設内の商品やフロアの清掃・消毒などが必要になり大きな損害が生じることになります。
そこで、事故を未然に防ぐ「予防保全」にシフトすることで、従来のサービスに付加価値を提供するため、本システムの開発が進められています。
システム概要とご依頼の経緯
油や尿石、異物が管に溜まると、水位に変化が起こります。本システムでは、排水管内に設置されたセンサーで一定以上の水位を検知した場合に、そのデータをクラウド(SORACOM Harvest(※1))に送信します。

センサーのデータを送信するところまではお客様側で実現されていましたが、送られてくるデータをセンサーごとに識別し、SORACOM Lagoon(※2)で可視化しやすいようにRAWデータを変換するためのWASMモジュールの開発を依頼できる会社をお探しでした。
本システムの回線、およびデータの変換~可視化の基盤として採用されているサービスを提供するSORACOM社より紹介を受け、当社で開発を支援させていただきました。
お客様の声
ご紹介いただいた時点で既に当初の計画からは遅れており、これ以上の遅延は許されない状況でしたが、依頼後スムーズに素早く対応していただいたので、無事完成させることができました。ありがとうございました。
今回の開発をもとに、さらに改善を重ねていきたいと思います。
(管清工業株式会社 技術部技術開発課 野田康江様)
開発者の声
お客様からセンサーとGatewayをお借りして開発に挑みましたが、本システム専用に開発されたセンサーのため、まずはその仕様を知るところからの開発となりました。SORACOM Orbit(※3)のSDKによるプログラム開発は初めてでしたが、SORACOM社のサポートもあり、無事開発することができました。
また、センサーが開発途中であったために数に限りがあり、当社と管清工業様で並行してテストすることができない状況でした。デバイスが手元にない中でプログラム修正する必要があり、実際の機材で検証できないまま受け入れテストを依頼するなど心苦しいシーンもありましたが、連携しながら何度も根気よくやりとりさせていただき、感謝申し上げます。
SORACOM Orbitに関しては、世の中に出回っている技術情報が少ない中での開発でしたが、まだ世の中にないモノの開発に携わることは貴重な経験と知見が得られる機会だと捉えています。今後も、世の中にないモノにチャレンジされる皆様を支えられるよう、精進してまいります。
(神戸デジタル・ラボ デジタルビジネス本部 中西波瑠、桐 侑也)
※1 SORACOM Harvest:IoT デバイスからのデータやファイルを収集・蓄積するサービス
※2 SORACOM Lagoon:IoTデバイスから収集したデータを可視化・共有・アラート通知できるダッシュボードサービス
※3 SORACOM Orbit:IoTデバイスから送信されるデータを、SORACOMプラットフォーム内でリアルタイムに処理・変換できるサービス


