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サービス品質に重要な、ユーザビリティテストのやり方と注意点
前回の記事では、ユーザビリティテストとは何か?とその効果についてご紹介しました。今回は、実際のユーザビリティテストの準備と実施方法について、具体的にご紹介します。
準備と参加者
ユーザビリティテストは、たいていの場合は被験者、司会者、記録者の3人1組で行います。被験者になる方はテストの対象となるサービスやサイトについて詳しく知らない方を選んでください。また、あとで操作やそのときの表情、感情などを振り返るために、被験者の動画を撮影しておくといいでしょう。可能であれば、操作中の被験者の顔、実際に操作している画面、全体の3つのカメラがあるとベストです。
司会者、記録者はUXに関する基礎知識のある方が望ましいです。慣れてくれば誰でもできるようになりますので、トライしてみてください。
ユーザビリティテストの方法
ゴール設定
そのサービス、またはサイトで被験者が行う操作のゴールを設定します。例えば、学校のサイトなら「娘が入りたい学校の雰囲気やコースを調べる」、宿泊予約のサイトなら「2泊3日で2人の大人が神戸に宿泊するのに雰囲気のよさそうな宿を調べたい」など。
設定できたら、司会者の合図で、被験者は操作を始めます。
操作開始
<司会者>
司会者は、「こんなことをしてください」と被験者に状況を伝えテストをスタートさせますが、操作方法を誘導してはいけません。また、質問や呼びかけに同意してはいけません。例えば、「このリンクですか?」「そうです」や「使いにくいですね」「そうですね」のようなこともNGです。とはいえ、被験者の発言(問題点)を引き出す必要があります。UXの知識と経験が必要な役割です。
<被験者>
操作しながら思ったことを口にします。「こんなこと知りたいな」「このボタンを押すとこんな情報がもらえるのかな?」「あ、違った」「このアイコンなんだろう?」など。遠慮せずに、とにかくなんでも口に出してください。設定したゴールにたどり着けなくても構いません。例えば操作がいやになったら離脱するのもありです。
<記録者>
記録者は、あとで見返して内容を把握するための記録を取ります。できるだけ正確に、被験者の操作のストーリーに沿って「被験者はこう思ったけど、実際の動作はこうだった」などの発言と行動を記録します。こちらもUXの知識と経験が必要な役割です。
ユーザビリティテストを行う上での心得
ユーザビリティテストの実施の際の雰囲気づくりには気を配ってください。
テスト実施者も開発者もプロジェクトリーダーも、チームのみんながユーザビリティをよくしたいと考えています。でも、同じものを見ても、同じ操作をしても見え方が異なります。
例えば被験者が出されたゴールにたどり着けなかったり、「わかりにくいね」と発言した場合、事前情報がある方や開発した側からみると「なぜわからないの?」と感じたりすることもあるかもしれません。
しかし、ユーザビリティテストの際に雰囲気に表れてしまうと、被験者へのプレッシャーになってテストに影響してしまう場合があります。和やかな進行を心がけましょう。
KDLでは、Webサイトの評価や改善提案サービスも行っています!サイトのユーザビリティを改善したい・・離脱の高さが気になっている・・そのようなお悩みをお持ちの方はぜひご相談ください。
今回のこの方法でKDLサイトにユーザビリティテストを実施してみましたので、その様子をご紹介します。
監修:飯塚友哉
デジタルビジネス本部 エクスペリエンスデザインチーム
筆者:松丸恵子
広報室