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プレスリリースは、ちょっとした工夫でチェックしていくと、ぐっとニュース性が高まったり、文面が締まってくるものです。今回はプレスリリースが記事化されるために、執筆するときにチェックしているポイントや、配信時にやっている工夫についてご紹介します。
カスタマーサクセスの松丸です。
KDLでは、プレスリリース発信時は、担当者から文面作成の依頼をもらって広報室で書くか、草稿を担当者からもらって校正することが多いです。近年はリリースのたびに様々なメディアで記事にしていただくことも増えてきました。
いつも発信ギリギリの最後まで悩んで、発信したあとも「こうしたらよかったかな」「この話題入れたらよかったかな」と振り返ったりする担当者も多いことでしょう。
私も同じです(笑)。
でも、ちょっとした工夫でチェックしていくと、ぐっとニュース性が高まったり、文面が締まってくるものです。私がプレスリリースを執筆するときにチェックするポイントや、配信時にやっている工夫についてご紹介します。
作成時のポイント
タイトルとリードで概要がわかるか
記者さんは、大量に送られてくるプレスリリースから選定しています。さらっと見て目に留まらなければ、そのままスルーされてしまいます。大量に送られてくるメルマガと似たようなイメージで考えるとよいでしょう。すべてを開いて読むのは現実的ではないはずです。
そこで、まずはタイトルとリードで概要をキャッチしてもらえるように工夫しています。リードはあまり長くならないように書きますが、その中に、「もうちょっとちゃんと知りたい」と思ってもらえるような話題をさらっと含めておくことを意識しています。
自分がわかっているからわかるけど、初めて読む人ではわかりにくい、ということも多々ありますよね。私の場合は、文面が心配なとき、そのプレスリリースにあまり関わっていない社内の方に読んでもらって、通じるかどうかを聞いてみたりしています。
他社さんだと、最初にポイントを3つくらい箇条書きしてあるリリースも見かけますね。あれも、今度試してみようかなんて思いながら拝見しています。メールやドキュメント類でもそうですが、ライティングの基本は、「読む人への思いやり」なんじゃないかなと思っています。
目を引く画像などがあるか
できるだけ、内容がイメージしやすい画像を入れます。
自分が記事を読むときもそうですが、文字だけだと読む気にならなくても、画像で興味を持つことがあります。プレスリリースも同じで、画像が記者さんのアンテナにかかる場合もあると思います。イメージしやすい図があれば必ず入れ、ない場合も「何か入れられそうなものがないか?」と探すようにしていました。ここぞというプレスリリースは、ちょっと手間をかけて作ることも。
社会の動向をキャッチアップできているか
個人的にはこれが最も大事だと思います。その時の業界や社会のトレンド、課題の背景に対する切り口で書けているかどうか。
メディアの記者さんの仕事は、世の中の動向、情報をわかりやすく消費者(専門メディアならその業界の方々)に伝えることです。社会全体や業界全体におけるニュース性、インパクトにアンテナを張っておられます。大手企業の動向ならまだしも、小さい企業が「新製品を発売する」「サービスを開始する」というだけでは記事化される可能性は限りなく低いでしょう。
そこで、自社がどうだとか、この製品がこんなにすごい!と真っ先に書きたいのはぐっとこらえて、必ず業界に与えるインパクトや、社会背景に対する課題解決などの切り口、業界に対する狙いなど、業界全体において、それがどのようなニュースなのかがイメージできるように気を付けています。
配信時はメディアに個別連絡を
配信前後には、必ずメディアに連絡しています。つながっている記者さんにはもちろん、直接つながっていなくても、各メディアにはプレスリリースの窓口を置いているところが多くあります。内容によって連絡するメディアを選定したり、場合によっては新規で探し出し、個別に記者さんとつながりがあれば直接、そうでない場合もプレスリリースの窓口を探してお送りしています。
ポイントは、連絡する文面に、概要とポイントを入れること。「この業界で近年話題の背景に対して、こういう解決をします。」「最近増えているこういうニーズに応えます」というのを完結に書くようにしてから、ぐっと記事にしてもらえることが増えたように思います。メディアによって連絡する文面を変えたり、細かい工夫もしています。
余談:プレスリリースの考え方
プレスリリースに対する根本的な考え方として、私は広報とメディアの記者さんは同志だと考えています。
報道は、社会に様々な出来事や情報を広く伝えることを通じて社会に貢献するものです。例えば、産業のIT化を進めるには、まずはその技術や製品が存在すること、できることを広く知ってもらわなくてはなりません。情報を収集して、わかりやすく伝達する「報道」は、産業の活性化に必要不可欠なものです。
ということは、メディアに報道してもらうことで産業の活性化に寄与し、社会貢献できるようなネタを提案していくのも、広報の務めなのではないでしょうか。広報をしていると、ついつい自社のPRで「最新技術!」とか「めっちゃ便利!」とか必死になって、なんとかプレスリリースから記事化を、と目論んでしまうこともあります。しかし、企業の広報は自社の社会貢献のための事業を広く報せる、という観点では記者さんと同じだと思うのです。
先日、プレスリリースのやりとりで仲良くなった記者さんから「AIやIoTなどのIT分野に取材で出会う場面が増えた反面、『何が最新なのか?』と悩むことも多々あり、話を聞かせてもらえないか。」という相談をいただきました。
最近、このような「実際のところどうなんですか?」というご相談を記者さんから受けることも増えています。メディアも、「何をどう消費者に伝えるか」に真剣に取り組んでおられます。広報もこれに真摯にお応えして、日本の産業を下支えする記者さんとともに、有益な情報を発信していければと考えています。
筆者:松丸恵子
カスタマーサクセス