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ユーザ理解について、KDLの取り組みのご紹介

こんにちは、エンゲージメントリードの UX/UIデザイナー吉田です。
前回のブログではUX/UIデザイナーとしての日々の業務について書きました。今回は、その中で触れた「ユーザ理解」について、KDLの取り組みをご紹介します。

ユーザ理解とは?

ユーザー理解について

前回ブログの文末に以下のように記しました。

“ユーザ理解とは、ユーザの想いだけでなく、置かれている状況やその性質を熟知し、提供するプロダクトのパフォーマンスを上げるべく、全体を俯瞰する視点や解像度を持つことである”

これを開発や制作における方法として説明すると、定量分析とそれを含めた定性分析を行い、ユーザの心情や背景などの質的側面に着目した調査研究を行うこと、となります。

さらに具体的な例をあげるならば、以下のように言えます。

Googleアナリティクスなどでの計測の結果、CV率が低いとわかった購入ボタンの、CV率が低い理由を調査研究すること

つまりはユーザ理解とは、限りなくユーザの心情や置かれた状況に近づくことであり、その手法は状況によってさまざまです。 

KDLでは、どういった手法でユーザ理解を深めサービスを構築しているのか、これまでの事例を元にご紹介します。

デザイン思考を取り入れた、お客様とのワークショップ

住宅設備機器の製造販売を行うメーカーであるノーリツ様とのデジタル・コラボレーションで、サービスやプロダクトの本質的な課題解決・ニーズを発見するためのメソッドであるデザイン思考(1)の手法を用いて、有用な社内ポータルサイト構築のためのワークショップをお客様とともに開催しました。


社内ポータルのコンセプトづくりのためのデザイン思考ワークショップ

まずはユーザ体験をカスタマージャーニーマップ化(2)するところからスタートしました。そして作成したジャーニーマップを通して全体を見渡し、イメージするユーザはサイトがどうなっていくことを望むのか、そのインサイト(※3)やこのようにして明確になった新しいアイデアや課題解決のシナリオをベースに、ユーザに最適なレイアウトやサイト導線など画面デザインを行いました。

※1デザイン思考とは、デザイン設計を行う際に用いる思考プロセスを活用して、ビジネス上の課題解決をするマインドセットのことです。 さらに詳しい内容はデザイン思考、今なぜ必要なのでしょうか?を参照ください。

※2カスタマージャーニーマップとは、顧客(ユーザ)がその行動に至るまでの理由やきっかけ、取り巻く環境などからどのように思考やアクションを変化させていったかの流れを可視化し一枚の図にしたものです。

※3インサイトとは、消費者の行動や思考、置かれている環境などによって 消費者自身が気づかない深層心理、行動原因を指します。

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カスタマージャーニー作成の様子

IoTデバイスによる時間的、空間的計測データにより得られるユーザ心理

アシックス様とKDLが共同開発している、スポーツや作業員などのパフォーマンスを記録・分析できるIoT Lite DXソリューション「TUNEGRID(チューングリッド)」ではBLEタグなどを活用し、球技スポーツの現場や教育、就労などの様々なシーンで得られるユーザ行動分析などの研究に取り組んでいます。

DXの近道はユーザーに寄り添うことー運動のデータの分析システム「TUNEGRID」
IoT x Azureでスポーツ/働く現場のDX支援

元々はスポーツの現場において、スポーツデータ記録・分析のために研究が始められ、ススポーツ・アナリティクスなどに活用されていましたが、最近では健康促進活動や、ある程度の運動量を伴う就労、教育、防災などにも幅広く利用シーンの裾野を広げ注目されている取り組みです。一次元的なデータを計測するものではなく、時系列の概念や、位置情報を持ったデータが取得できるので、ユーザの行動から伺い知れる事象も多角的になり、自ずと数値以外の定性的な部分も垣間見ることのできる結果が得られるため、「TUNEGRID」による様々な課題解決が期待されています。

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開発ストーリーなども紹介されています。

まとめ

同じユーザ理解への取り組みとは言え、アプローチの異なる取り組みをご紹介させていただきました。 KDLの立ち位置もそれぞれ違うかたちで共創させていただいています。お客様に対しても、その先のユーザ対しても寄り添い共に創り上げていく姿勢で、さらなるサービスのUI/UX向上を目指してまいります。

このような取り組みにご興味がありましたら、ぜひKDLまでお気軽にお問合せください!

さてまた次回ブログを書く機会がありましたら、お客様との共創する具体的なプロセスやツールなどについてご紹介できればと思います。

吉田さおり

執筆:吉田さおり

デジタルビジネス本部 エンゲージメントリード