事例紹介
健康機器メーカーの惣田製作所様では、2020年に自社製品を直販するECサイトを新規に立ち上げ、運営されています。
ECサイトの立ち上げから順調に運用を続け、広告などのプロモーション活動を通じて売上を伸ばしてこられましたが、販売施策が頭打ちになっていると感じておられました。今後を見据えてECサイトの施策だけではなく、自社ブランドを育てていくことが必要だと考え、当社の既存のお客様のご紹介でご相談をいただきました。
支援のプロセス
まずは、現在の売上やリソースの状況など、現状を詳細にヒアリングさせていただきました。本社工場にも訪問させていただき、商品や開発~販売工程などをご説明いただきました。現状の課題を言語化して認識を合わせたうえで、今後の進め方をご提案しました。

フェーズ1:現状の把握と整理・分析
フェーズ1では、3C分析や4P分析、SWOT分析を用いて、惣田製作所様の現状と周辺環境の分析を実施しました。また、商品ユーザーのペルソナを設定し、ペルソナが商品を購入してロイヤルカスタマーになるまでのカスタマージャーニーマップを作成。現在のメインターゲットと今後拡張するターゲット層を明確化して、それぞれの深堀調査を実施しました。
様々な分析と調査を踏まえ、今後狙うポジションとポジション獲得のための商品のリモデルの方針、事業目標などを検討し、今後のビジネスの方向性を作成しました。

フェーズ2:ロードマップと具体的な施策の実行
フェーズ2では、フェーズ1で実施した分析や調査から課題や推進すべきことを洗い出し、オリジナルブランド「Medi Labo」のブランド強化に向けた五か年のロードマップを起案。売上目標を踏まえた目標を掲げ、メディアを活用したプロモーション施策とすぐにとりかかるべき、直近1年の方針をご提案しました。
施策の実行は、サイトのアクセス分析やリサーチ結果をもとに、具体的な実行案について議論を実施。定期的な打合せを通じて、ブランドロゴのリニューアル、コーポレートサイトやSNSなど各種チャネルの活用、顧客の声の収集方法などの大きな方針から、ECサイトの商品のタイトルやプレスリリースの発信などの細かな施策まで、多岐にわたってご提案、推進の支援をさせていただいています。

これまで実施したことがない施策や、実施したことはあるが成果を感じられなかった施策に関しても、当社のご提案にスピード感を持って取り組んでいただき、確実に成果につながっています。
お客様の声
ご提案に対する当初の所感はいかがでしたか
求めていたのは、ECサイトの施策や手段だけではなくて、ブランドを育てていくための戦略でした。KDL(※神戸デジタル・ラボ)さんからは、ブランドの育成にECサイトの発展も絡めて具体的な施策をご提案いただいたので、進めてみたいと感じました。
プロジェクトの最初に、KDLさんから見た当社の強みや課題を出していただいた際、私たちでは気付いていなかった、「自社開発であること」の強みを認識できました。と同時に、その強みからくる顧客との距離の近さを十分に活用できていないことも教えられました。
私たちは商品の開発には自信を持っていますが、製造的観点で考えがちで、それがゆえにあまり顧客の声を吸い上げることができていないように感じます。
顧客の声の話は、手段ではなく考え方の話として捉えています。これはECサイトだけではなく、店舗でもテレビ通販でも必要な考え方です。こういうアドバイスをもらっていれば、ECサイトにとどまらず、会社の商品開発の方針や方向性もプラスになると感じました。
問題点とその課題、強みと弱みを文章化して、資料でいただけたこともありがたかったです。出していただいた課題は、これまでもおぼろげに感じているものではありましたが、それを明示化、顕在化し、且つそれに対する手段を目に見える形で出していただけるのは、従来のコンサルティングとは異なるところだと思いました。いただいた課題の資料は何度も見返しています。
伴走支援に関してのご感想はいかがですか
当事者になって考えてもらっている感覚があります。
KDLさんには、忖度なしになんでも指摘してほしいという旨を伝えており、私たちも、いただいた指摘はなんでも受け入れる姿勢でいます。結果、いろいろな可能性を排除せずに、広く議論ができていると感じます。
またKDLさんは、それぞれの課題や施策に対して、それぞれ得意とするスペシャリストがいらっしゃるので、各プロフェッショナルからの意見がもらえるのがありがたいです。
非常に助かっているのは、いろいろな施策を実行する順番を決めてもらっていることです。これまでは、やりたいと思っていることがたくさんあっても、何を優先するかが見えていませんでした。どれも大事に思えて「まずはこれから進めよう」と言い切れずにいたのです。「この順番でやりましょう」とKDLさんから言っていただけることは大変ありがたいと感じています。
印象に残っていることはありますか?
当社の製品や健康機器に関して、KDLさんの社内の声を集めてくれたことがありました。様々な属性の社員に商品についてヒアリングし、買うモチベーションがどこにあるかなどをまとめてきてくれました。
20代なら使いやすさや大きさ、50代なら値段よりも質などたくさんの意見が書かれていました。そういった一次情報を収集してくれたことが印象に残っています。

その一件で、今までポップアップストアなどで収集していたアンケートなどにあまり目を通していなかったことを思い出して、引っ張り出してきて今更ながら目を通しています(笑)。視点が変わると多くの気づきがあります。
提案を受けて実施したプレスリリースは、自社で実施したときには効果を感じなかったのですが、KDLさんと実施したときは大きな手ごたえがあり驚きました。提案をいただいてなければやっていなかったと思います。その際に教えてもらった文章のコツも心に残っています。
社内での影響はいかがでしょうか?
顧客の声を吸い上げることが大切ということを指摘されましたが、それ以来社内でも少しずつ、自社や自社商品を今まで以上に顧客目線で考えられるようになってきた実感があります。
例えば、「ユーザーにとって便利な収納袋をつける」ということも、製造者目線では「コストが上がる」という考え方をしがちです。「ユーザーが便利だから」といった、使う側、買う側の目線は弱いので、会話の中で気づかされることが多々あります。
また、フェーズ1の4P分析やSWOT分析で、狙っていくべき層、シチュエーションの指標をいただいたことが、コンテンツを作る現場でも役立っています。
今後当社に期待することを教えてください
自社ブランドの育成や商品の販売拡充に向けて、今後も忌憚のない意見をどんどんいただきたいです。考えが異なるところがあれば議論すればよいと考えています。
私たちの強いところは、すぐにやってみることができるところです。うまくいかなくても、結果も含めて糧になると考えているので、いただいた意見はすぐに取り入れてやってみたいですね。
株式会社惣田製作所 代表取締役 惣田 亘様、営業部 幸神 大希様、中川路 麻夢様