KDL BLOG
KDLでは、ここ3年間、4月1日にエイプリルフール企画を発信してまいりました。1年に1回企業が取り組む、この大人の本気の嘘祭りに、過去3回取り組んでみてわかったこと、メリットやノウハウについてご紹介します。エイプリルフール企画をやってみようかと検討されている、企業の担当者のご参考になれば幸いです。
カスタマーサクセスの松丸です。
2016年10月に広報室に異動してから、過去3回のエイプリルフール企画に関わらせていただきました。今回は、そろそろ検討に入るこの時期に、3回のエイプリルフール企画をやってみて感じたメリットやノウハウなどを、ご紹介いたします。
なぜエイプリルフール企画を始めたのか
発端は企画書が回ってきたこと
初めてのエイプリルフール企画は2017年の4月でした。発端は、おなじみの当時の某取締役が、「これやろうや」と企画書を広報室のデスクに持ってこられたことでした。
<置かれた企画書の表紙>
最初は冗談かと思って笑っていたのですが・・しばらくしてデスクの横を通りかかった代表の永吉さんが企画書を見つけ、ペラペラっとめくって「採用」と呟いて立ち去りました。
広報「今、『採用』って呟いて・・・」
これが、最初のきっかけです。会議をした、とかネタを募集した、とかは一切ナシ。これが大手にはないスピード感(適当感?)ですね。
不安もあった
でも、本当のところはいろいろ考えました。
1回やったらずっとやらなくちゃいけないのではというプレッシャーとか、土下座ネタが炎上しないだろうかとか、社内から否定的な意見が出ないだろうかとか、滑ったらどうしようとか。エイプリルフール企画を検討してはできずにいる企業の方も、そのような悩みがあるのではないでしょうか。
それでも、「やりましょう」となったのは、いろんな視点で考えて「不利益なことはほぼない」と判断したからです。別に、今後毎年やると決めなくてもいい。企画内容に炎上する致命的要素はない。否定を怖がってたら何もできない。滑ったら滑ったとき。いろいろ肯定的に考えて、覚悟は決まりました。
役員が持ってきたネタだったので、責任は押し付ける気満々だったのもよかったのかも(笑)。
やってみてわかったメリット
そんな感じで始まった初回のエイプリルフールですが、やっているうちに楽しくなってきて、みんなでやりたい放題に。終わってみれば考えていた不安ははずれ、様々なメリットを感じました。
サイトのPVが爆発的に上がる
SNSでも毎年話題になり、まとめサイトも多数つくられる注目度が高いイベントです。きっちり事前リークして、当日早めにまとめサイトなどに入れていただければ、PVへの貢献は計り知れません。
【メディア掲載】
ねとらぼでも、エイプリルフール企画「真面目に働く社長創ってみた。」をご紹介いただきました!#エイプリルフール #AI #人工知能
今年も来てしまいましたね 2019年エイプリルフールネタまとめ – ねとらぼ https://t.co/xXLGKA53ZP @itm_nlabさんから— 神戸デジタル・ラボ(KDL) (@KobeDigitalLabo) April 1, 2019
【メディア掲載】
ガジェット通信で「真面目に働く社長」をご紹介いただきました!#エイプリルフール #AI #人工知能
エイプリルフールまとめ(2019年版)|ガジェット通信 GetNews https://t.co/q7BGvykIm7 @getnewsfeedさんから— 神戸デジタル・ラボ(KDL) (@KobeDigitalLabo) April 1, 2019
過去3回の平均は、特設ページ単体だけで、5,000PV程度流入しています。
<2019年4月1日前後の公式サイトのセッションのグラフ>
ツイッターでも、見てくださった方の声を直に見ることができてうれしいですね。KDLではメイキングも毎年発信して、ネタに乗っかった流入を狙ったりカード作ったり、結構ずるずる引っ張って活用しています。
自社の関連分野以外への認知度向上
ITや事業に関連する専門メディアなどでは、たびたび記事にしてもらうこともあるKDLですが、一般誌ではまだまだ露出が少ないのが現状です。エイプリルフールは、ITや界隈の業界に限らず見てもらえる、存在を知ってもらえる機会です。
様々な非ITと呼ばれる業種にIT導入が進められようとする中、業種を超えて社名を知ってもらえるのは、大きなメリットだと思います。
初めてお会いした方に、「面白いことされてますよね」という声をいただくようにもなりました。
採用活動に効果が高い
これが最も効果を感じました。特に新卒採用の場合、学生さんはBtoBのIT企業を知る機会は非常に少ないのではないでしょうか。KDLという会社があるということと同時に、ITがどういうものかを、ネタ含めてわかりやすく伝えるエイプリルフールネタは効果が大きく、また「面白い企画をしている企業」をPRできると思います。
新卒向けの会社説明資料でも活用されており、採用担当からは「エイプリルフールの企画は採用向けの説明会でも非常に反応がよく、おもしろい企業として心に留めてもらえる効果を実感している」という声をもらっています。
企画するときのポイント
やってみて感じたポイントをご紹介します。
ネタは自社をいじるのがよい
企画のネタや詳細を詰めるときの基本は、自社や社員をいじるのがよいと思います。毎年、何かしらネタが炎上するのをネットのニュースで拝見しますが、自社以外の要素が入ってくると、楽しんでもらう難易度が上がります。
SNSで敢えて炎上させるような商法もありますが、KDLは社内外含めて「嫌な思いをする人がいない」ことを大事にしています。いじる対象は必ず自社。過去ネタでは、自社の社長が土下座、自社の社畜が社畜を救うアプリ開発、働かない自社社長と悪い自社役員の陰謀のような感じです。
<例えば社畜もブラック社長も自社(2018年)>
この出演に関しても、気が進まないなら遠慮なく断ってください、と伝えています。ほぼみなさん快く協力してくれるけど(社長は強制かも?)。
企画・制作は役割を分担すること
ちゃんと作りこむとそこそこのボリュームなので、関わる人で役割分担して、それぞれの内容をほぼお任せして臨んでいます。例えば、企画のネタを作る人、内容をつめて進行管理する人、特設サイトをデザインする人、演技や撮影内容を考える人。
方向性とツボだけ共有できれば、それぞれの役割を担う方にその部分をリードしてもらいます。信頼が本当に大事。「こんな感じどうでしょう?」「めっちゃいいですね!」という勢いも大事です。
<演技指導担当(2017年)>
また、関わる人は増えすぎない方が進めやすいと思いました。関わる人が増えすぎると、方向性が分散してしまったり、まとめ上げるのに労力を要します。当日まで関係者以外には秘密にしていますが、これは社員にも楽しんでもらいたい気持ちもあります。
企画・製作者も楽しむこと
個人的には、これがすごく大事だと思っています。企画する自分たちも、時間がなかったりネタに苦しんだり、楽しめないくらいなら、やめてもいいと思っています。自分たちが楽しめなかったら、人に楽しんでもらえるものは作れません。楽しめなかったうえに滑ったらしんどいですもんね。
<企画で制作したカードを全力で楽しみ中>
ちなみに、万が一滑ったときのがっかり感を軽減するために、「別に頑張りすぎてないもんね」と思い込むようにしていました(実際は全力)。あと、企画を進めながら、「もし滑ったら、自虐ネタにしてもう1本ブログ書いたるわ!」って思ってました(笑)。
検討されているご担当者へ
ネットで毎年話題になるエイプリルフールを、役員からやるように言われている担当者の方も多いことでしょう。エイプリルフール担当が、ネタが出なくて地獄になったり社内調整に奔走するというような記事を、メディアで見かけたこともあります。内容を役員プレゼンして承認が必要というところもあるようです。
KDLではエイプリルフールでは、そのような頭を悩ませるようなことがないのが本当に助かっています。社内も快く協力してくれる社風も後押ししてくれます。ただやるからには、お客様にも社員にも楽しんでもらえるように、という真心を精一杯込めています。
これから企画される方々は、ぜひ、とにかく楽しんで制作してもらえればと切に願っています。だってお祭りですから!
筆者:松丸恵子
カスタマーサクセス
過去のエイプリルフールはこちら
Shacho Dash Button(社長ダッシュボタン)(2017年)
すべての社畜を救うアプリ「SHACHIKUN(しゃちくん)」(2018年)
真面目に働く社長創ってみた(2019年)