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2018.10.12
採用CSR活動

高校生からIT業界はどう見えているか?高校生の感想から見える「IT職」のイメージ

学校関係者向けのWebサイトの講義や、高校生向けのIT業界に関する講義についてブログでご紹介していたら、学校などの教育機関から、見学や講義のご依頼をたびたびいただくようになりました。主旨は、現場の職業人から職業の内容ややりがいなどのナマの声を聞くことで、学生に進路選択の幅を広く持ってもらいたい、というものです。

そんな最近、2校の高校1年生にIT企業の仕事について講義をしてきたエンジニアの金谷さんが、「高校生から感想文たくさんもらったんですけど、読みます?」と広報に持ってきました。130名弱の学生さんからの感想のコメントです。

今回は、高校生の感想を集計して見えてきた、IT業界で働くイメージについてご紹介します。

感想全体を拝見した所感は、かなり多くの方が「IT業界は全員エンジニアで一日中座ってパソコンに向かってプログラムを書いている」という漠然とした印象を持っておられるイメージでした。ITエンジニアの人材不足はこのようなイメージが先行していることももしかすると一因なのかもしれませんね。実体がないものを作っている職種は特に、イメージが湧きにくいのだと思います。

今回は、アンケートで多かった感想と、「実際のどころどうなの?」というところをご紹介します。学校関係者の方や学生さんなどのご参考になればと思います。

※フリー記述なので、近い意見をいくつかの項目に収めた部分もあります。

IT企業に入る=エンジニアになると考える人が多数

2018-10-11_170525.png一番目についたのは「エンジニアだけではなくていろんな職種がいることを知った」という感想。半数近くがこれに言及しておられました。IT企業にいくということはエンジニアになるということだと思っている方が非常に多かったようです。IT企業でも、エンジニアの他に総務や経理、人事など会社の元になる部分を支える職種、営業や提案の仕事、広報の仕事、そして開発チームでもプログラマーやデザイナーなどの職種があることに驚き、そして興味が湧いた方が多かったようです。

たしかにエンジニアが多いですが、この中には営業も広報もいて、役割分担して成り立っています。

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<KDL社内の風景>

IT企業に勤める社員は、全員がパソコンに向かってバリバリプログラムを書いている、という印象は一般的にあるようで、広報の私もIT企業に勤務していると言うと、パソコンにものすごく詳しいプロフェッショナルみたいに思われるようです(全然そんなことないですが)。学校には先生が多いけど、給食作る人も事務員も警備員もいる、というところでしょうか。

「ソフトウェア」が身近にあることに驚きの声

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次に多かったのは、「ハードを作る仕事とソフトを作る仕事があることを初めて知った」。学生の方々の4分の1はこのことを書いておられました。IT企業というとどこを思い浮かべますか?というと、「パナソニック」「東芝」などのハードウェアの大手メーカーが返ってくるそうです。ITといえばパソコン、パソコンといえばパソコンメーカー、ということで、日常生活で目にするロゴは印象に残るのでしょう。

IT企業の大半がソフトウェアを作る企業、というとピンとこなくても、LINEやSNOWなど高校生に身近なアプリ、いつも見ているWebサイトなどを作る、というと一気に身近に感じてもらえたようでした。

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<WebサイトもIT企業が作ることが多い>

エンジニアはずっとパソコンに向かっている印象

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「ずっとコンピュータに向かっているわけではないことを知った」と書いてくださった方も多かったです。たしかに、パソコンに向かっている時間は他の職種に比べれば多いかもしれません。でも、実際にはお客様との打ち合わせ、セミナー、イベントへの出展、社内ミーティング、最近ではIoT機器の試作品の開発や設置など、結構パソコンに向かわない時間もあります。「人と関わらない仕事だと思っていたので驚いた」という意見も。

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<イベントの様子>

イメージがかなり違っていたという方も多かったようです。この感想には、「エンジニアは自分のやりがいではない、向かないと思っていたけど興味を持った」というようなことが一緒に書かれているコメントもたくさんありました。

文系ではエンジニアになれないので諦めていた方も

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KDLの採用担当も、「これよく言われます」とのこと。「理系じゃなくてもIT企業に入れることに驚いた」

エンジニアになるには理系じゃないといけないか?

そんなことはありません。もちろん、スタート地点での差はあるかもしれませんが、KDLでは文系でもさまざまな観点からエンジニアとして採用することも多くあります。

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<出典:数字で見るKDL

新入社員は、入社時に研修をする場合もあります。どんな勉強も、ITでは役立つことがあります。心理学や経営学など一見関係ない知識でも、活かせる瞬間があります。「大事なのは、好きなこと、興味のあることを突き詰めてみること。そうすれば活かす場がきっとある」という金谷の話にお礼を書いてくださっている方もおられました。

ITは人や社会の役に立てる仕事

感想を拝見していると、IT企業はパソコンが大好きな人が集まってずっとパソコンに向かっている、と考えている方が多かったようです。普段見ているWebサイトや使っているアプリがIT企業によって作られていることを知って、身近に感じていただけたようでした。

また、「人のために考えることが多い仕事」「人とつながりがある」と知ったことで興味を持った、という感想もたくさんありました。

そうです。ITはほとんどが人のためものを作るので、人の意見をたくさん聞いて、人のことを思う仕事なのです。

「社会の役に立てる仕事だと思いました」という感想には嬉しいものを感じます。

高校1年生で職業について学ぶ理由

ところで、最近の講義ご依頼は高校1年生が対象ということが多いのですが、これは、小学生では「将来なりたい職業がある」という割合が多かったのに、中学3年生までに大きく減り、高校3年生までに徐々に「なりたい職業」を決定していくという調査結果に基づくもののようです。

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(東京大学社会科学研究所・ベネッセ教育総合研究所共同研究「子どもの生活と学びに関する親子調査2015」より)

確かに自分も高校1年生くらいは何も考えていなかったかもしれない・・・。教育機関と企業が一緒になって若い方々の将来を考えていくことは、すばらしいことですね。特にIT業界側から見ても、成長市場であるIT分野の人材不足の解消、ひいては日本の成長につながることだと感じました。たくさんの企業が教育と連携し、人材育成に携わっていけるよう、願っています。

先生、学生の皆様、ありがとうございました。

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筆者:松丸恵子

広報室